デジタル信号処理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 デジタル信号処理
科目番号 0217 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 資料を準備するので,購入の必要はなし
担当教員 西村 壮平

到達目標

① デジタルやアナログ信号処理の基本概念が理解できること
② A/D変換の原理が理解できること
③ フーリエ級数展開の簡単な計算ができ,周波数スペクトルについて理解できること
④ 信号処理の技法が理解できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
デジタルやアナログ信号処理の基本概念が理解できることデジタルやアナログ信号処理の基本概念およびそれらの用途について説明できる.デジタルやアナログ信号処理の基本概念について説明できる.デジタルやアナログ信号処理の基本概念についての知識を習得していない.
A/D変換の原理が理解できることA/D変換の原理について説明でき,複雑なA/D変換回路の計算ができる.A/D変換の原理について説明でき,簡単なA/D変換回路の計算ができる.A/D変換の原理についての知識を習得していない.
フーリエ級数展開の簡単な計算ができ,周波数スペクトルについて理解できること周波数スペクトルを計算し,比較することができる.周波数スペクトルの概念が理解できる.周波数スペクトルの概念が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
センサや測定器から得られた信号は,雑音の混入や減衰によってその波形が変化する.信号処理は,信号に含まれる周波数成分を解析し,フィルタを用いて不必要な雑音を取り除いて元の信号波形を復元する技術である.本科目では,信号処理を学ぶために必要となる基本的なことを重点的に説明した後,デジタル信号の解析手法や各種処理手法について学習する.
授業の進め方・方法:
本科目では教科書は使用せず,配布資料を基に授業を進める.初めに信号処理の目的や実例についての説明を行い,その後アナログ・デジタル信号処理システムの構成、連続、離散、時系列信号を取り扱うための基礎としてフーリエ変換、スペクトル解析、サンプリング定理などについて学習する.さらに,それらを応用した種々の信号解析および処理手順について実例を交えて系統的に講義を行う.
注意点:
講義後は,①要点をノートに整理してまとめる②教科書や図書館に置いてある参考書を読む③演習問題を解く,等の自学によって,内容の深い理解に努めること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 本講義の概要と目標 講義内容の概要説明及び講義目標についての説明
2週 信号の種類と信号処理の目的 音声・画像・動画等のアナログ信号,ディジタル信号,信号処理の目的と実例
3週 アナログ信号の処理システム(1) アナログシステムの構成,センサー,オーペアンプ回路の設計
4週 アナログ信号の処理システム(2) アナログシステムの構成,リニアライザ回路,回路素子とその働き
5週 アナログ信号の処理システム(3) アナログシステムの構成,フィルターの種類と構成・原理
6週 A/D変換の原理と応用(1) ディジタルシステムの構成,A/D変換器,標本化定理とエイリアシング
7週 A/D変換の原理と応用(2) ディジタルシステムの構成,A/D変換器の周辺回路,D/A変換器
8週 総合問題 ①〜⑦までのまとめ
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の返却と解説
11週 信号の解析(1) 周波数分析の目的,フーリエ級数展開
12週 信号の解析(2) 振幅,位相,パワースペクトル
13週 ディジタル信号処理の応用技術(1) 雑音除去,加算平均法,移動平均法
14週 ディジタル信号処理の応用技術(2) 信号の検出,相互相関法,自己相関法
15週 総合問題 ⑪〜⑭までのまとめ
16週 前期定期試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。3前2
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。3前1,前12
伝達関数を説明できる。3前5
制御系の周波数特性について説明できる。3前5,前10,前11,前12,前13
電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前1,前10,前11
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前4
電子回路利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3前5
演算増幅器の特性を説明できる。3前3
計測A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3前2,前6,前7
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3前5,前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000