電気電子デバイス

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電気電子デバイス
科目番号 0218 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「電子デバイス工学」古川 静二郎 ほか著 森北出版
担当教員 毛利 存

到達目標

1.金属,半導体,絶縁体の違いを説明出来る.
2.半導体中のバンド構造を説明出来る.
3.半導体中のキャリアの伝導機構を説明出来る.
4.pn接合による整流作用とダイオードの特性を説明出来る.
5.バイポーラトランジスタの動作原理を説明出来る.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
金属,半導体,絶縁体の違いを説明出来る.金属,半導体,絶縁体の違いを説明でき,金属におけるキャリアの発生機構の説明とキャリア密度や移動度の計算が出来る.金属,半導体,絶縁体の違いを説明でき,金属におけるキャリアの発生機構の説明が出来る.金属,半導体,絶縁体の違いを説明できず,金属におけるキャリアの発生機構の説明やキャリア密度の計算も出来ない.
半導体中のバンド構造を説明出来る.半導体におけるバンド構造の概略が説明でき,半導体におけるキャリアの発生機構の説明とキャリア密度の計算が出来る.半導体におけるバンド構造の概略が説明でき,半導体におけるキャリアの発生機構の説明が出来る.半導体におけるバンド構造の概略が説明できず,半導体におけるキャリアの発生機構の説明も出来ない.
半導体中のキャリアの伝導機構を説明出来る.半導体におけるキャリアの伝導機構であるドリフトと拡散機構を説明でき,導電率やホール係数を用いて,キャリア密度や移動度を計算により求めることが出来る.半導体におけるキャリアの伝導機構であるドリフトと拡散機構を説明でき,導電率やホール係数を求めることが出来る.半導体におけるキャリアの伝導機構であるドリフトと拡散機構を説明出来ず,導電率やホール係数を求めることも出来ない.
pn接合による整流作用とダイオードの特性を説明出来る. pn接合のバンド図とキャリアの伝導機構を説明でき,内蔵電位や電流密度を計算により求めることが出来る. pn接合のバンド図とキャリアの伝導機構を説明でき,内蔵電位や電流密度の意味を理解している. pn接合のバンド図とキャリアの伝導機構を説明出来ず,内蔵電位や電流密度を求めることも出来ない.
バイポーラトランジスタの動作原理を説明出来る バイポーラトランジスタの動作原理,バイアス電圧のかけ方を説明でき,計算方法を駆使して簡単なトランジスタの設計が出来る. バイポーラトランジスタの動作原理,バイアス電圧のかけ方を説明でき,増幅率の計算が出来る. バイポーラトランジスタの動作原理,バイアス電圧のかけ方の説明が出来ず,増幅率の計算も出来ない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 6-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在,身の回りに有るあらゆる電気電子機器の内部には,トランジスタやオペアンプ,あるいはそれらを集積化したLSI等のデバイス(素子)が必ず利用されている.数ミリ四方のシリコン基板上に,数百万個以上の電子素子を集積化することを可能にしたLSI技術の発展が,現在の携帯電話,TVゲームの普及や,IT化社会への牽引力となっている.これにより,各種機器間でいろいろな情報を収集加工し,様々な目的に役立てるという機能を持たせる事が可能となっている.本科目では,多種多様にわたる電気電子デバイス工学の概略について説明する.
授業の進め方・方法:
始めに半導体の基礎的事項について概説する.また,電気電子デバイス工学は様々な業種,産業の集積より成り立っている.技術面では大まかに製品化の流れに従って,①電気電子材料工学,②電気電子回路設計法,③デバイス製造技術の3つの要素技術に分類することが出来る.本科目ではこれら要素技術の相互の関連,多様なデバイスへの応用等,デバイス工学全体のイメージをつかめるように解説する.本科目により電気電子デバイス工学分野の面白さと将来性を知り,この分野への理解と興味を持つことを目標とする.
注意点:
毎回,次回の講義の予告を行うのでその概要を事前に確認しておく.授業後は関連する内容や背景等を調べ広く知識を蓄えると共に,授業で実施した内容がいろいろな場面で活用できるように定着を図る.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 結晶と自由電子 結晶と自由電子について理解する.
2週 束縛された電子のエネルギー 束縛された電子のエネルギー準位を理解する.
3週 半導体のエネルギー帯とキャリア 固体のバンド理論を理解する.
4週 外因性半導体 不純物半導体の性質を理解する.
5週 熱平衡状態とキャリア密度 半導体中のキャリア密度の求め方を理解する.
6週 キャリア密度とフェルミ準位 半導体中のキャリア密度の求め方とフェルミ順位について理解する.
7週 ドリフト電流 ドリフトによる電流を理解する.
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 拡散・再結合・励起 拡散による電流と再結合について理解する.
10週 pn接合とダイオード pn接合の特性を理解する.
11週 ダイオードの電流電圧特性 ダイオードの電流電圧特性を理解する.
12週 バイポーラトランジスタ 接合トランジスタの原理と特性を理解する.
13週 電界効果トランジスタ 電界効果トランジスタの原理と特性を理解する.
14週 半導体プロセスの概要 半導体デバイスの作製プロセスを理解する.
15週 〔期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000