数値解析

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 数値解析
科目番号 0230 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 別途資料を配布
担当教員 池田 直光

到達目標

1. コンピュータを用いた数値処理の基本概念が理解できる。
2. 数値計算と誤差の関係について理解できる。
3.大量の数値データをコンピュータで解析するための手法が理解できる。
4. モデル化されたいくつかの数学的表現について、その基本的な数値的解法が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. コンピュータを用いた数値処理の基本概念が理解できる。コンピュータを用いた数値処理の基本概念について、より詳細に説明することができる。コンピュータを用いた数値処理の基本概念について説明することができる。コンピュータを用いた数値処理の基本概念について説明することができない。
2. 数値計算と誤差の関係について理解できる。数値計算によって生じる誤差について、より詳細に説明することができる。数値計算によって生じる誤差について説明することができる。数値計算によって生じる誤差について説明することができない。
3. 大量の数値データをコンピュータで解析するための手法が理解できる。大量の数値データをコンピュータで解析するための手法について、より詳細に説明することができる。大量の数値データをコンピュータで解析するための手法について説明することができる。大量の数値データをコンピュータで解析するための手法について説明することができない。
4. モデル化されたいくつかの数学的表現について、その基本的な数値的解法が説明できる。 モデル化されたいくつかの数学的表現について、その基本的な数値的解法をより詳細に説明することができる。 モデル化されたいくつかの数学的表現について、その基本的な数値的解法を説明することができる。 モデル化されたいくつかの数学的表現について、その基本的な数値的解法を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学の様々な分野で利用されるコンピュータによる数値処理について、基礎的な技術を習得させるための科目である。まず、数値計算と誤差の関係についてまとめる。次に、各種の実験等で得られる数値データをコンピュータで処理し解析するための手法を学ぶ。また、多くの工学的現象は扱いを簡単化するためにモデル化され、数学的に表現される。その表現には、通常、非線形方程式、連立方程式、行列、微分方程式等が用いられる。本講義では、これらを数値的に解くための代表的な手法について演習を交えながら説明する。
授業の進め方・方法:
コンピュータを用いた数学的表現の解法について、できるだけ具体的な例を示しながら授業を進めていきたい。全学科共通の科目であるため、例題を多く取り入れていく。ほぼ2週に1回はコンピュータによる演習を行う。
注意点:
事前に実施内容についての概要を確認しておく。授業後は内容を再度見直して、自分の力だけで課題に取り組んでみる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数値解析の基礎 数値計算の必要性やアルゴリズムの性能評価、数の表現などについて理解する。
2週 計算手法と誤差の関係 数の表現における誤差や計算を行う際の誤差について理解する。
3週 非線形方程式の数値解法Ⅰ 2分割法による非線形方程式の解法について理解する。
4週 非線形方程式の数値解法Ⅱ ニュートン法について理解し、2分割法との違いを説明できる。
5週 連立方程式の数値解法Ⅰ 代表的な解法であるガウスの消去法について理解する。
6週 連立方程式の数値解法Ⅱ ガウスの消去法について、そのアルゴリズムを説明できる。
7週 前半のまとめ 前半のまとめを行い、定着を図る。
8週 〔前期中間試験〕
2ndQ
9週 中間試験の返却と解説
曲線のあてはめによる数値データの解析
試験結果を通して理解の程度を確認する。
代表的な近似法である最小二乗法について理解する。
10週 補間法Ⅰ ラグランジェの補間法について理解する。
11週 補間法Ⅱ ニュートンの補間法について理解する。
12週 数値積分Ⅰ 台形法による数値積分について理解する。
13週 数値積分Ⅱ シンプソン法について理解し、台形法の違いについて説明できる。
14週 微分方程式の解法 オイラー法やその他の解法について理解する。
15週 〔前期定期試験〕
16週 前期定期試験の返却と解説 試験結果を通して理解の程度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
変数の概念を説明できる。3
データ型の概念を説明できる。3
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。3
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。3
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。3
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。2
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。2
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。2
主要な計算モデルを説明できる。2
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。3
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。3
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。3
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。3
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。2
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。3
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。3
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。2
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造を実装することができる。2
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。2
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。2
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。3
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。3
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力2000001030
専門的能力6000001070
分野横断的能力0000000