流体力学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 流体力学
科目番号 0231 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「流体力学の基礎(1)」 中林・伊藤・鬼頭 共著、コロナ社
担当教員 田中 禎一

到達目標

1.静止流体において、圧力、マノメータ方程式、壁面に作用する全圧力、及び加速度場での液面形状について理解できる。
2.定常1次元流れにおいて、連続の関係、運動方程式を導出して、それらの関係を例題等に適用することができる。
3.流れにおける運動量理論の理解及び、その機械工学に関連した要素への適用を通じて、運動量理論を理解できる。
4.ピトー管やオリフィス等の古典的流速および流量計測法のほか、近年で一般化している熱線やレーザーによる流速計測法も理解できる。
5.管路内流れのエネルギー式、層流、乱流による速度分布の変化および管摩擦による損失ヘッド等を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
静止流体において、圧力、マノメータ方程式、壁面に作用する全圧力。静止流体の圧力やマノメータ方程式、全圧力などの具体的問題について記述することができる.静止流体の圧力やマノメータ方程式、全圧力などの原理が理解出来る.静止流体の圧力やマノメータ方程式、全圧力などの原理が理解できない.
定常1次元流れにおいて、連続の関係、運動方程式を導出。定常1次元流れにおいて、連続の関係、運動方程式を導出して、それらの関係を例題等に適用することができる。定常1次元流れにおいて、連続の関係、運動方程式を導出することが出来る.定常1次元流れにおいて、連続の関係、運動方程式を導出することが出来ない.
流れにおける運動量理論の理解及び、その機械工学に関連した要素への適用。流れにおける運動量理論の理解及び、その機械工学に関連した要素への適用を通じて、運動量理論を理解できる。流れにおける運動量理論の理解が出来る.流れにおける運動量理論の理解が出来ない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
流体力学は幅広い分野に応用されています。本授業では、流れの物理現象を機械工学及びその周辺分野において、どのように取り扱うのかについて入門学習を行います。具体的には、第1に流体力学における各種の基礎式を正しく理解し、次に、こうした基礎式と流れ現象を結び付けて流体工学上の諸問題を解決する基礎力を養成する。
授業の進め方・方法:
本授業では、流れの力学的概念を表す式の内、重要なものに限って取り扱い、その力学的な意味と導出過程の説明を行うことで、機械工学に関連する流れ現象の重要項目に関連させ、その考え方、考察方法について基本的な理解力の養成を目指す。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体力学の歴史と役割(授業ガイダンス) 流体力学の歴史と役割について理解できる
2週 単位系・密度・圧縮性・粘性・表面張力 単位系・密度・圧縮性・粘性・表面張力について理解できる
3週 圧力の等方性・圧力分布① 圧力の等方性・圧力分布について理解できる
4週 圧力の等方性・圧力分布② 圧力の等方性・圧力分布について理解できる
5週 液柱圧力計・壁面に働く全圧力① 液柱圧力計・壁面に働く全圧力について理解できる
6週 液柱圧力計・壁面に働く全圧力② 液柱圧力計・壁面に働く全圧力について理解できる
7週 課題演習と解答 前期中間までの内容についての演習問題について理解できる
8週 前期中間試験 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案の返却と解説 試験答案の解説について理解できる
10週 流体運動の概説及び連続の式 流体運動の概説及び連続の式について理解できる
11週 オイラーの運動方程式 オイラーの運動方程式について理解できる
12週 ベルヌーイの定理とその適用 ベルヌーイの定理とその適用について理解できる
13週 回転場のエネルギー式 回転場のエネルギー式について理解できる
14週 課題演習と解答 前期期末までの内容についての演習問題について理解できる
15週 〔前期末試験〕 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説 前期末試験の解説について理解できる
後期
3rdQ
1週 流速と流量の測定法 流速と流量の測定法について理解できる
2週 運動量の法則 運動量の法則について理解できる
3週 運動量の法則の応用① 運動量の法則の応用について理解できる
4週 運動量の法則の応用② 運動量の法則の応用について理解できる
5週 角運動量の法則及び応用 角運動量の法則及び応用について理解できる
6週 力学的相似 力学的相似について理解できる
7週 課題演習と解答 後期中間までの内容についての演習問題について理解できる
8週 後期中間試験 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案の返却と解説 試験答案の解説について理解できる
10週 管路のエネルギー式 管路のエネルギー式について理解できる
11週 流体摩擦と管摩擦係数 流体摩擦と管摩擦係数について理解できる
12週 円管の管摩擦係数 円管の管摩擦係数について理解できる
13週 管路の諸損失  管路の諸損失 について理解できる
14週 課題演習と解答 後期期末までの内容についての演習問題について理解できる
15週 後期末試験 後期末試験
16週 後期末試験の返却と解説 後期末試験の解説 について理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4前1,前7,前8
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4前2,前7,前8
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4前2,前7,前8,前9
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4前3,前7,前8,前9
パスカルの原理を説明できる。4前3,前4,前7,前8,前9
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4前4,前7,前8,前9
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4前5,前7,前8,前9
物体に作用する浮力を計算できる。4前6,前7,前8,前9
定常流と非定常流の違いを説明できる。4前10,後7,後8,後9
流線と流管の定義を説明できる。4前10,後7,後8,後9
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前11,後7,後8,後9
オイラーの運動方程式を説明できる。4前11,後7,後8,後9
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前12,後7,後8,後9
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4後3,後4,後5,後7,後8,後9
層流と乱流の違いを説明できる。4後10,後11,後12,後14,後15,後16
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4後10,後11,後12,後14,後15,後16
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後10,後11,後12,後14,後15,後16
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4後10,後11,後12,後14,後15,後16
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4後6,後7,後8,後9
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4後6,後7,後8,後9
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4後6,後7,後8,後9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000