数理解析

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 数理解析
科目番号 0232 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 高専テキストシリーズ 確率統計 上野健爾監修 森北出版
担当教員 開 豊

到達目標

1.平均値,標準偏差,ヒストグラム,確率分布などの基本を理解し,計算できる.
2.正規分布等について理解し,推定・検定等の統計処理に利用することができる.
3.2変数の実験データ等から,相関や回帰直線などを求めることができる.
4.表計算ソフトを利用して確率・統計的な課題を解く方法について理解し,活用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.平均値,標準偏差,ヒストグラム,確率分布などの基本を理解し,計算できる.自ら収集した資料やデータについて,自分の知識を活かし,平均値,標準偏差,ヒストグラム,確率分布などの基本的統計量を求めることができる.与えられた資料やデータについて,自分の知識をもとに,指示された方法で,基本的な統計量を求めることができる.自分の知識をもとに,指示された方法で,基本的な統計量を求めることができない.
2.正規分布等について理解し,推定・検定等の統計処理に利用することができる.自ら収集した資料やデータについて,自分の知識を活かし,推定・検定などの処理を行うことができる与えられた資料やデータについて,自分の知識をもとに,指示された方法で,推定・検定などの処理を行うことができる.自分の知識をもとに,指示された方法で,推定・検定などの処理を行うことができない.
3.2変数の実験データ等から,相関や回帰直線などを求めることができる.自ら収集した資料やデータについて,自分の知識を活かし,相関・回帰などの処理を行うことができる.与えられた資料やデータについて,自分の知識をもとに,指示された方法で,相関・回帰などの処理を行うことができる.自分の知識をもとに,指示された方法で,相関・回帰などの処理を行うことができない.
4.表計算ソフトを利用して確率・統計的な課題を解く方法について理解し,活用できる.自ら収集した資料やデータについて,自分の知識を活かし,確率統計処理を行うことができる.与えられた資料やデータについて,自分の知識をもとに,指示された方法で,確率統計処理を行うことができる.自分の知識をもとに,指示された方法で,確率統計処理を行うことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまで学んだ様々な数学の内容を工学的に利用できる力を養成することを目標に,ここでは確率・統計学を中心にした内容について,コンピュータを組み合わせた活用法を学ぶ.具体的には,前期に基本的な確率統計学を学び,後期は表計算ソフトExcelを利用して,数値データの適切な統計的処理法に取り組む.
授業の進め方・方法:
前期の確率統計では,確率,データの整理,確率分布,推定と検定などを取り扱う.
後期は,表計算ソフトExcelを使い,実際のデータ処理等に応用することで,内容の理解と実際的な活用法の習得を目指す.
注意点:
表計算ソフトの扱いに早く慣れ,具体的な卒研等の実験結果の整理や統計処理に適用してみることで理解を深めるとよい.
質問にはいつでも応じるので自由に来室されたし.(空き時間等は教員室入口の予定表に掲示)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 確率の定義/確率の基本性質 いろいろな確率を求めることができる。余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解している。
2週 期待値/条件つき確率と乗法定理 条件付き確率を求めることができる。確率の乗法定理、独立事象の確率を理解している。
3週 事象の独立/反復試行 条件付き確率を求めることができる。確率の乗法定理、独立事象の確率を理解している。
4週 ベイズの定理/いろいろな確率の定理 条件付き確率を求めることができる。確率の乗法定理、独立事象の確率を理解している。
5週 度数分布/代表値 1次元および2次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差・相関係数・回帰曲線を求めることができる。
6週 散布度/母集団と標本 1次元および2次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差・相関係数・回帰曲線を求めることができる。
7週 相関/回帰直線 1次元および2次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差・相関係数・回帰曲線を求めることができる。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 確率変数と確率分布/二項分布 確率分布(二項分布)について、その性質や内容を理解する。
10週 正規分布/二項分布と正規分の関係 確率分布(正規分布)について、その性質や内容を理解する。
11週 統計量と標本分布/いろいろな確率分布 母集団と標本集団の考え方や統計量の考え方について理解する。
12週 母平均の区間推定/母分散の区間推定 母平均、母分散を推定する方法について理解する。
13週 仮説と検定/母平均の検定 平均値を使って、仮説の設定と検定を行うことができる。
14週 母分散の検定/独立性の検定 分散を使って、仮説の設定と検定を行うことができる。
15週 〔期末試験〕
16週 答案返却・解答,授業のまとめ
後期
3rdQ
1週 確率統計の確認 確率統計の分野を確認・理解する。
2週 表計算の概要 確率現象の性質を理解する。
3週 表計算による基本的な統計量(平均・分散) 平均・分散等、基礎統計寮の求め方を理解し、実践できる。
4週 表計算による確率と確率分布(二項分布) 確率分布(二項分布)について理解し、確率計算が実践できる。
5週 表計算による確率と確率分布(正規分布) 確率分布(正規分布)について理解し、確率密度関数の計算が実践できる。
6週 表計算による推定・検定 推定・検定について理解し、その判定が実践できる。
7週 表計算による相関と回帰 相関・回帰について理解し、相関係数、回帰直線式などの計算が実践できる。
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 中間試験の返却と解説 確率統計の分野内容をを確認・理解する。
10週 工学への応用例1
確率現象のシミュレーション等を通じて、確率現象について理解し、計算が実践できる。
11週 工学への応用例2 統計データの解析シミュレーションを通じて、統計手法について理解し、実践できる。
12週 自由課題演習 自ら考えた課題とその参照データについて、内容を理解し統計手法の活用ができる。
13週 自由課題演習 自ら考えた課題とその参照データについて、内容を理解し統計手法の活用ができる
14週 自由課題演習 自ら考えた課題とその参照データについて、内容を理解し統計手法の活用ができる
15週 課題確認(発表) 自ら考えた課題とその参照データについて、内容を理解し統計手法の活用ができる
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前1
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前2,前3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前2,前3,前6,前7
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後16
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後5,後10
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後3
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力750000075
専門的能力000002525
分野横断的能力0000000