機械力学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 機械力学
科目番号 0232 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 前期:「機構学」 岩本太郎著 森北出版 後期:「機械力学」 小寺・矢野共著 森北出版
担当教員 柿ヶ原 拓哉,宮本 弘之

到達目標

1.機構学の役割,機構の自由度,運動の瞬間中心を理解し,機構の速度・加速度を理解できる.
2.平面リンク機構の解析方法を理解できる.
3.巻きか掛け伝動機構,平面カム装置,歯車伝動装置の解析方法を理解できる.
4.ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解を求めることができる.
5.1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動が理解できる.
6.2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
機構学の役割,機構の自由度,運動の瞬間中心を理解し,機構の速度・加速度を理解できる.機構の役割、瞬間中心について理解し、幅広い演習問題を解くことができる。機構の役割、瞬間中心について理解し、演習問題を解くことができる。機構の役割、瞬間中心について理解し、例題程度の問題を解くことができる。
平面リンク機構の解析方法を理解できる.リンク機構の種類、その動作、節点の運動について理解でき、幅広い演習問題を解くことができる。リンク機構の種類、その動作、節点の運動について理解でき、演習問題を解くことができる。リンク機構の種類、その動作、節点の運動について理解でき、例題レベルの問題を解くことができる。
巻きか掛け伝動機構,平面カム装置,歯車伝動装置の解析方法を理解できる.巻きか掛け伝動機構,カム機構、歯車伝導装置の種類と各部品の役割、動作が理解でき、幅広い演習問題を解くことができる。巻きか掛け伝動機構,カム機構、歯車伝導装置の種類と各部品の役割、動作が理解でき、演習問題を解くことができる。巻きか掛け伝動機構,カム機構、歯車伝導装置の種類と各部品の役割、動作が理解でき、例題れべるの問題を解くことができる。
ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解を求めることができる.ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解を十分に理解して求めることができる.ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解を概ね理解して求めることができる.ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解の理解が不足している.
1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動が理解できる.1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動が十分に理解できる. 1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動を概ね理解できる. 1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動の理解が不足している.
2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が概ね理解できる.2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動の理解が不足している.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまで学んだ数学,物理を基に,機械系技術者に不可欠な機械力学の知識を身につける.まず,基本的な機械の運動学,機構学,力学,振動学等の基礎的事項を学ぶ.さらに,ベクトル,静力学,動力学などの復習も含め,数多くの演習問題に取組み,それらを機械運動の解析に利用する実際的な方法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
前期は機構学,後期は振動学の内容が主となる.教科書を中心に行い,適宜,演習を行う.評価は達成目標(項目1~6)についての達成度によって判断する.評価点は,4回の定期試験結果を80%程度とし,課題演習・レポート等の評価を20%程度とする.
注意点:
教科書をよく読み,例題,演習問題を自分で解くこと.授業の日に1時間程度の復習が効果的である.定期試験毎の定着を目指した自学自習を望む.講義後は、①要点をノートに整理してまとめ、②教科書や図書館の参考書を読み、③演習問題等を解いて内容の深い理解に努めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機構学について・機構学の基礎 機構学とは何か,機構学の基礎について説明し,その概要を理解できる。
2週 機構の運動(1) 待遇と連鎖,運動の自由度について理解できる。
3週 機構の運動(2) 瞬間中心,運動解析,変位線図について理解できる。
4週 リンク機構(1) リンク機構の役割,4節リンク機構について理解できる。
5週 リンク機構(2) 多節連鎖機構について理解でき,演習問題も実施する。
6週 リンク機構(3) 様々なリンク機構について理解でき,それぞれの特性を理解できる。
7週 演習問題 これまでの内容について演習問題を解く。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 巻きか掛け伝動機構(1) 可撓性ベルトについて巻き掛け角や必要なベルトの長さ,V字ベルトの摩擦を求めることができる。
10週 巻きか掛け伝動機構(2) 組立式ベルトについて必要なコマの数を求められるようになる。またベルトの仕事を求められるようになる。
11週 カム機構(1) カムの種類について説明し,カムに作用する力を求めることができる。
12週 カム機構(2) カム線図が描けるようになる。
13週 歯車機構 歯車機構の理解し,変速,回転数について理解できる.
14週 演習問題 これまでの内容について演習問題を解く。
15週 前期定期試験
16週 試験返却と解説・前期のまとめ 試験返却とその解説を行い、機構学の概要についてまとめる。
後期
3rdQ
1週 機械における振動学概説 機械振動の基本構成、及びモデルによる検討の基礎を理解する。
2週 振動系のエネルギーと散逸関数 物体の運動に伴うエネルギーや、復元に関するエネルギーなどについて理解する。
3週 ラグランジュ方程式の導出と応用 ラグランジュ方程式の導出と応用について理解する。
4週 1自由度系の非減衰自由振動 1自由度系の非減衰自由振動について理解する。
5週 課題演習と解答 非減衰振動の演習問題の解法から現象をより深く理解する。
6週 1自由度系の減衰自由振動 1自由度系の減衰自由振動および非減衰振動との差異を理解する。
7週 課題演習と解答 減衰振動の演習問題の解法から現象をより深く理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 調和外力,調和変位による非減衰強制振動 調和外力,調和変位による非減衰強制振動について理解する。
10週 調和外力,調和変位による減衰強制振動 調和外力,調和変位による減衰強制振動について理解する。
11週 2自由度系の非減衰固有振動 2自由度系の非減衰固有振動について理解する。
12週 固有ベクトルとモード行列 固有ベクトルとモード行列について理解する。
13週 2自由度系の強制振動 2自由度系の強制振動について理解する。
14週 課題演習と解答 演習問題の解法で、これまでの知識をより深く理解する。
15週 後期定期試験
16週 期末試験の返却と解説及び後期のまとめ 期末試験返却とその解説を行い、これまでの学習内容を十分に理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前11,前12,後1,後2
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前11,前12,後1,後2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前11,前12,後1,後2
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前11,前12,後1,後2
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前11,前12,後1,後2
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前11,前12,後1,後2
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4後1,後2
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前1,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,後1,後3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前1,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,後1,後3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4前1,前3,前4,前5,前6,後1,後3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前1,前3,前4,前5,前6,後1,後3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前1,前3,前4,前5,前6,後1,後3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前1,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前1,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後3
仕事の意味を理解し、計算できる。4前1,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4前1,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前9,前10,前13,後1,後3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前9,前10,前13,後1,後3
動力の意味を理解し、計算できる。4前9,前10,前13,後1,後3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4前1,前9,前10,前11,前12,前13,後1
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4後1
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,後1
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,後1
振動の種類および調和振動を説明できる。4後2,後4,後5,後7
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後4,後5
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後6,後7
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後9,後10
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後9,後10

評価割合

試験(前期)レポート(前期)試験(後期)レポート(後期)合計
総合評価割合40104010100
基礎的能力25525560
専門的能力15515540
分野横断的能力00000