機械知能システム工学実験II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機械知能システム工学実験II
科目番号 0236 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 1週目にプリントを配布、テキストを作成
担当教員 柿ヶ原 拓哉,小田 明範,毛利 存,田中 裕一,山下 徹

到達目標

1.講義で学習した数式や現象を実地に体験、確認し、理解を深める。
2.実験により得られたデータが、予測や計算の結果と完全には一致しないことを知る。
3.モデルで用いた仮定、あるいは数式を誘導する過程で置いた前提条件などが、使用している実験装置において充分実現されていたか、検討の方法を知る。
4.装置の運転条件が予測式の適用範囲を超えていなかったかどうか検証の仕方を知る。
5.実験の基礎知識、基礎技術を修得する。
6.実験データの整理の仕方、それに対する検討と考察の仕方、実験内容を簡潔にまとめる報告書の書き方を学ぶ。
7.危険を避ける用心深さ、注意深い観察力を身に付け、実験が失敗したときには粘り強く原因を究明する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.講義で学習した数式や現象を実地に体験、確認し、理解を深める。講義で学習した数式や現象を実地に体験、確認し、経験として説明できるようになった。講義で学習した数式や現象を実地に体験、確認した。実験に参加しなかった。
2.実験により得られたデータが、予測や計算の結果と完全には一致しないことを知る。実験により得られたデータが、予測や計算の結果と完全には一致しないことを知った。実験によりデータを得た。予測や計算を行った。実験に参加しなかった。
3.モデルで用いた仮定、あるいは数式を誘導する過程で置いた前提条件などが、使用している実験装置において充分実現されていたか、検討の方法を知る。仮定あるいは数式の前提条件などが、実験装置において充分実現されていたか検討できた。仮定あるいは数式の前提条件などが、実験装置において充分実現されていたか検討した。実験に参加しなかった。
4.装置の運転条件が予測式の適用範囲を超えていなかったかどうか検証の仕方を知る。装置の運転条件が予測式の適応範囲を超えていなかったかどうか検証できた。装置の運転条件が予測式の適用範囲を超えていなかったかどうか検証した。実験に参加しなかった。
5.実験の基礎知識、基礎技術を修得する。同様の実験を自力で行えるように、実験の基礎知識、基礎技術を修得した。資料を参考に実験を一通り行えた。実験に参加しなかった。
6.実験データの整理の仕方、それに対する検討と考察の仕方、実験内容を簡潔にまとめる報告書の書き方を学ぶ。データをまとめ、結果と考察をまとめたレポートを書けた。レポートを書いた。レポートを出さなかった。
7.危険を避ける用心深さ、注意深い観察力を身に付け、実験が失敗したときには粘り強く原因を究明する。危険を避け、注意深く実験を行い、失敗したときには原因究明に努めた。危険を避け、注意深く実験を行った。実験中にふざけた。実験に参加しなかった。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-4 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
技術者にとっては、机上で原理や理論を学ぶだけでなく、様々な装置を実際に自分の手で動かし、機械の動作やそこで起こる現象での生のデータに触れ、体感的に工学感覚を養っていくことが重要となる。
実験はこうした体験を得る絶好の機会であり、ここでは、機械・電気工学分野における基本的な事項について実験することで、実際的な工学知識を確認し、理解を深める場とする。
授業の進め方・方法:
実験は講義で学ぶ基礎的事項について、実際に測定、製作あるいは観察することによって体験的に学習することを主な目的としている。一班当り6~7人で構成し、各専門テーマを2週ずつローテーション方式で実施する。各テーマの区切りではレポートを作成する。
実験の経過と結果を忠実に記録するとともに、結果についての考察と感想を加えることが大切である。
実験を行い、期日までにレポートを提出することで60点とする。それ以上の点数については、達成目標1~7を評価し、総合的に判定する。
各実験テーマの評点を平均して、この科目の総合評点とする。
注意点:
気をつけて欲しいポイントは以下の4点である。
・予習(実験の内容、目的、手順)
・自主性と協調性(レポート締切厳守を含む)
・集合時間厳守(開始時刻5分前集合)
・安全(細心の注意、指導者の指示に従う)
レポートの書き方は各実験指導者に質問すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション,テキスト作成(柿ヶ原) 実験の心構えを理解する。
2週 熱工学(山下)A-1 比熱の測定実験 実験により得られたデータが、予測や計算の結果と完全には一致しないことを知る。
3週 熱工学(山下)A-2 熱伝導率の測定実験 実験により得られたデータが、予測や計算の結果と完全には一致しないことを知る。
4週 電子工作(毛利)B-1 CMOSICによる発信回路の製作(1回目) 講義で学習した数式や現象を実地に体験、確認し、理解を深める。
5週 電子工作(毛利)B-2 CMOSICによる発信回路の製作(2回目) 講義で学習した数式や現象を実地に体験、確認し、理解を深める。
6週 加工と計測(田中裕一・桐谷)C-1 切削抵抗の計測 危険を避ける用心深さ、注意深い観察力を身に付け、実験が失敗したときには粘り強く原因を究明する。
7週 加工と計測(田中裕一・桐谷)C-2 超音波深傷試験 危険を避ける用心深さ、注意深い観察力を身に付け、実験が失敗したときには粘り強く原因を究明する。
8週 制御工学(柿ヶ原)D-1 シーケンサの基礎 実験の基礎知識、基礎技術を修得する。
2ndQ
9週 制御工学(柿ヶ原)D-2 シーケンサの応用 実験データの整理の仕方、それに対する検討と考察の仕方、実験内容を簡潔にまとめる報告書の書き方を学ぶ。
10週 放射線計測・誤差解析(小田)E-1 計数の統計的性質 モデルで用いた仮定、あるいは数式を誘導する過程で置いた前提条件などが、使用している実験装置において充分実現されていたか、検討の方法を知る。
11週 放射線計測・誤差解析(小田)E-2 ガンマ線の逆二乗則 装置の運転条件が予測式の適用範囲を超えていなかったかどうか検証の仕方を知る。
12週 電子工学(宮嶋)F-1 デジタル回路の基礎と論理演算 講義で学習した数式や現象を実地に体験、確認し、理解を深める。
13週 電子工学(宮嶋)F-2 加算器と7セグメントLED表示回路 講義で学習した数式や現象を実地に体験、確認し、理解を深める。
14週 ビデオ講習(柿ヶ原)
15週 レポート返却(柿ヶ原)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4前3,前5,前7,前9,前11,前13
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4前3,前5,前7,前9,前11,前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000