塑性加工

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 塑性加工
科目番号 0240 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 教科書:塑性加工入門 日本塑性加工学会編 コロナ社/参考書:基礎塑性加工学第3版 川並、関口、齊藤、廣井編著、大賀、小林、仲町、片岡、筒井著 森北出版
担当教員 田中 裕一

到達目標

1. 塑性加工法の種類を説明できる.
2. 鍛造、プレス加工、転造、押出し、圧延、引抜き等の加工法を説明できる.
3. 最近の塑性加工技術について調べてまとめ,第三者に説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
塑性加工法圧延の原理を説明できる.塑性加工法の種類を説明できる.塑性加工法の種類を説明できない.
鍛造鍛造の力学を説明できる.鍛造とその特徴を説明できる.鍛造とその特徴を説明できない.
プレス加工金型とプレス機械の特徴を説明できる.プレス加工とその特徴を説明できる.プレス加工とその特徴を説明できない.
転造,押出し,圧延, 引抜き等最近の塑性加工技術について調べ,説明できる.転造,押出し,圧延,引抜きとその特徴を説明できる.転造,押出し,圧延,引抜きとその特徴を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
塑性加工は,自動車や家庭用電化製品などを構成する多くの部品の製造に最も広く用いられる加工技術である。本科目は, 塑性加工法の種類や鍛造、プレス加工、転造、押出し、圧延、引抜き等の加工法を説明できることを目標とする.材料力学(4年),機械工作学(3年),マテリアル学(5年)等の科目が関連する.
授業の進め方・方法:
デジタル設計演習室で画像や動画を見せながら講義を行う.授業時間中に端末で調べてもらうこともある。授業の最後に、シラバスを見ながら、その授業で学んだことを振り返ってもらう時間を取る。試験前にそれまでに学んだ内容をまとめさせ、試験点に含める。定期試験前に,最近の塑性加工技術について調べてパワーポイントにまとめさせ,第三者に説明してもらう.
注意点:
受講者数と理解度に応じて授業進度を変えることもある。授業を休んだ場合は、次回の授業の前に進度や課題を確認しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 塑性力学の基礎 塑性変形の起こり方を説明できる
公称応力、公称ひずみ、真応力、真ひずみを説明できる
静水応力、偏差応力を説明できる
トレスカの降伏条件を説明できる
ミーゼスの降伏条件を説明できる
2週 塑性力学の基礎
材料の性質とその利用法
塑性加工用材料と工具材料
相当応力、相当ひずみの考え方を説明できる
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる
鉄鋼の製法を説明できる
鉄-炭素系状態図を説明できる
鋼の熱処理を説明できる
3週 圧延加工
素材のつくり方
圧延とは何か説明できる
スラブ、ブルーム、ビレットを説明できる
板圧延の基本を説明できる
4段圧延機の構成とそれぞれの役割を説明できる
マンネスマン効果を説明できる
4週 押出し加工
引抜き加工
押出し加工と引抜き加工の差異および特徴を説明できる
押出し温度とガラス潤滑押出しを説明できる
引抜き加工による変形機構と変形領域を説明できる
5週 せん断加工
曲げ加工
せん断加工のメカニズムを説明できる
せん断切口面を説明できる
せん断荷重を概算できる
精密せん断法の種類とその特徴を説明できる
曲げ加工における,そりとスプリングバックのメカニズムを説明できる
曲げ加工法の種類とその特徴を説明できる
6週 絞り加工 容器の絞り性を向上させる手段を説明できる
深絞り加工の成形限界を表す限界絞り比(LDR)と,n値,r値との関係を説明できる
7週 鍛造 自由鍛造,型鍛造,熱間鍛造,温間鍛造,冷間鍛造の特徴を説明できる
鍛造における欠陥を説明できる
8週 中間試験 定着度を確認する
4thQ
9週 中間試験の返却と解説
プレス機械と金型
プレス能力の3要素を説明できる
プレス機械の基本特性を説明できる
機械プレスの代表的な駆動方式を説明できる
10週 塑性加工の潤滑 摩擦の概念を説明できる
潤滑剤が摩擦を低減する仕組みを説明できる
潤滑剤・添加剤(油性剤と極圧剤)の働きを説明できる
工具材料・表面処理の種類と特徴について説明できる
11週 加工および解析の実際 塑性加工の3要素である、材料、工具、潤滑剤の役割を説明できる
加工力には、形状を決める純粋な加工力、変形途中の付加的加工力、摩擦に打ち勝つ力があることを説明できる
座屈やくびれの不安定現象を生じて成形限界となることを説明できる
12週 塑性加工の有限要素解析 有限要素解析の概要を説明できる
静的陰解法と動的陽解法を説明できる
13週 最近の塑性加工技術 ファインブランキング,チューブハイドロフォーミング,対向液圧成形,インクリメンタルフォーミングを説明できる
14週 最近の塑性加工技術 最近の塑性加工技術を調べてまとめ、発表できる
15週 定期試験 定着度を確認する
16週 定期試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4後11
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4後1
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。3後11
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。3後11
材料機械材料に求められる性質を説明できる。3後2
塑性変形の起り方を説明できる。4後1
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4後2
鉄鋼の製法を説明できる。4後2
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3後2
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3後2
焼きなましの目的と操作を説明できる。3後2
焼きならしの目的と操作を説明できる。3後2
焼入れの目的と操作を説明できる。3後2
焼戻しの目的と操作を説明できる。3後2

評価割合

試験発表合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000