概要:
本科目は,実際に使われている流体力学と熱力学を基盤としたエネルギー変換機器の特長と性能についての知識習得を目的としている。流体分野では,エネルギー授受に「運動している羽根や翼の作用力を利用する」ターボ形のポンプを中心に取り扱い,熱分野では,燃料の燃焼エネルギーからタービン軸動力までの蒸気動力サイクルを中心に取り扱うことで,熱流体に関連するエネルギー変換機器の効率・性能を定量的に考察し,機器の設計・評価に活かす力を身につけさせる。
授業の進め方・方法:
前後半の2部構成とし,前半は流体機械,後半は蒸気動力をキーワードに講義を行なう。流体機械ではポンプの流体力学的背景(角運動量の理論と翼列理論)と基本的な性能および特性について解説を行ない,後半の蒸気動力では蒸気動力プラントの種類と特性および性能計算としての熱勘定について解説,および他の熱エネルギー変換機器についての解説を行なう。
注意点:
熱・流体エネルギー分野の職種では実務に直結する重要な科目です。職務上での設計力・考察力を身に付けるために,基本的な作動原理,力学的法則と性能の関係,運転上の諸現象と対策などを十分に理解して下さい。また,オフィスアワーなど授業時間外の質問に対応しますので活用して下さい。
講義後は,①配布プリントから要点をノートに整理してまとめる②教科書や図書館に置いてある参考書を読む③問題集の練習問題を解く,等の自学によって,内容の深い理解に努めること。
講義後に,説明された内容を総括し理解を深めること。また,教科書や参考書の演習課題等は,まず自力で取り組むことが大切です。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
流体機械とは,エネルギ変換・伝達の仕組み |
流体機械によるエネルギ変換・伝達の仕組みが理解できる。
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2週 |
ターボ機械の定義・種類・構成要素 |
ターボ機械の定義・種類・構成を理解できる。
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3週 |
遠心ポンプの流れ(速度線図と角運動量の理論) |
遠心ポンプの速度線図が描けて角運動量の理論が適用できる。
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4週 |
軸流ポンプの流れ(翼列理論の応用) |
軸流ポンプの速度線図が描けて翼列理論に応用できる。
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5週 |
羽根車内部の損失と効率 |
羽根車内部の損失要因、および効率との関係が理解できる。
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6週 |
遠心ポンプの特性曲線 |
遠心ポンプの特性を理解して典型的な特性曲線が描ける。
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7週 |
軸流ポンプの特性曲線 |
軸流ポンプの特性を理解して典型的な特性曲線が描ける。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
熱エネルギー変換工学の意義と熱機関の歴史 |
現代のエネルギー事情と熱動力変換の歴史について説明できる.
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10週 |
蒸気動力プラントとガスタービン |
蒸気動力プラントとガスタービンの特徴について熱力学的サイクルの視点から説明できる.
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11週 |
複合発電,コジェネレーション |
複合発電の種類および,コジェネレーションの意義について説明できる.
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12週 |
ボイラと燃焼計算 |
ボイラの種類や構造,特徴について説明できる.基礎的な燃料の燃焼計算ができる.
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13週 |
熱サイクル計算 |
蒸気表や熱力学第一法則からエンタルピー等の変化量を求め,蒸気動力プラントの出力や熱効率が計算できる.
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14週 |
まとめと補足および課題演習 |
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15週 |
前期定期試験 |
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16週 |
前期末試験の返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 4 | |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 4 | |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前13 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | 前10 |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前13 |
熱流体 | 流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。 | 4 | |
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。 | 4 | |
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。 | 4 | |
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。 | 4 | |
パスカルの原理を説明できる。 | 4 | |
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。 | 4 | |
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。 | 4 | |
物体に作用する浮力を計算できる。 | 4 | |
定常流と非定常流の違いを説明できる。 | 4 | |
流線と流管の定義を説明できる。 | 4 | |
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。 | 4 | |
オイラーの運動方程式を説明できる。 | 4 | |
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。 | 4 | |
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。 | 4 | |
層流と乱流の違いを説明できる。 | 4 | |
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。 | 4 | |
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。 | 4 | |
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。 | 4 | |
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。 | 4 | |
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。 | 4 | |
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。 | 4 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 4 | 前10 |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 4 | 前13 |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 4 | 前13 |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 4 | 前10,前13 |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 4 | 前10,前13 |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 4 | 前10 |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 4 | 前10,前13 |