概要:
3年次の設計製図の主要テーマは次の3点である。
① 手書きの図面の完成度を向上させること。
② CAD(Computer Aided Design)による製図やプレゼンテーション手法の技術を向上させること。
③ グループワークを通して、テーマに関する問題点を把握し、関連情報を収集し、コンセプトを設定し解決方法を探って行くといったPBL(Problem Based Learning)の一連のプロセスに必要な基本的な力を身につけること。
授業の進め方・方法:
第1課題は手書きの課題である。設計テーマは全国高専デザコンのテーマに即したものとする。提示された課題の内容を十分に理解し、敷地や周辺での問題点の発見や与条件の整理を通してコンセプトをまとめ、空間を創造し図面として仕上げていく。
第2課題は歴史的まちなみ・建築物を含んだまちづくりと関連した課題とし、設計する施設は町家、ギャラリーや公衆トイレ等比較的小規模な建築物とする。第1課題と同様の方法で実施するが、CADによるプレゼンテーション技術を向上させることも目的の一つである。CADやプレゼンテーションソフトなどを使いこなし、より高度な図面表現ができるようにする。
注意点:
・ より高いレベルを達成するためには授業時間だけでは時間不足である。放課後や家庭・寮での時間を有効に使う必要がある。
・ デザインをしていく際には、事例を参考にしながら発想を展開していくことも有効な手法であり、雑誌等で日常的に刺激を受けることが重要である。
・ 授業時間内は集中して課題に取組むこと。
・ 質問やエスキスチェックなどでの来室を歓迎する。
・ 建築雑誌や作品集等を普段から読む習慣を身につけること。
・ 身近な建築物を見学すること。これまで意識して見ていなかった建築物も学んだことを参考にしながら意識的に見ることで発見がある。
・ そこに立つとどう見えるか、人がそこでどういう過ごし方をするか、その時何を感じるか、を想像し検討しながら設計することで設計力が大きく伸びる。
・ 設計力は習うことで身につくのではなく、主体的に探求することで身につく。
・ 多目的演習室はきれいに使用すること。特に課外使用後は片付け、清掃を徹底すること。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 情報処理 | プレゼンテーションソフトウェアの基本的な使い方を理解している。 | 2 | 前14,前16,後14,後16 |
製図 | 製図用具の種類を理解している。 | 3 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
線と文字の種類を説明できる。 | 3 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
CADソフトウェアの機能を説明できる。 | 2 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13 |
図形要素の作成と修正について、説明できる。 | 2 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13 |
画層の管理を説明できる。 | 2 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13 |
図面の出力(印刷)ができる。 | 2 | 後14 |
建築系分野 | 計画・歴史 | モデュールについて説明できる。 | 2 | 前5,前6,後5,後6 |
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。 | 2 | 前5,前6,後5,後6 |
設計・製図 | 製図用具の特性を理解し、使用できる。 | 2 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
線の描き分け(3種類程度)ができる。 | 2 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。 | 2 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。 | 2 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
図面の種類別の各種図の配置を理解している。 | 2 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。 | 2 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。 | 2 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。 | 3 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13,後8,後9,後10,後11,後12,後13 |
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4 |
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。 | 3 | 前5,前6,前7 |
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。 | 3 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。 | 3 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。 | 3 | 前14,前16 |
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。 | 2 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などが描ける。 | 2 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13 |
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる | 2 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13 |
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。 | 2 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13 |
講評会等において、設計趣旨などをまとめ、プレゼンテーションができる。 | 2 | 後14,後16 |