建築一般構造

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 建築一般構造
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「建築構造(改訂版)」青木博文監修 実教出版
担当教員 浦野 登志雄

到達目標

1. 建築構造の分類を理解し、木構造・鉄筋コンクリート構造(RC構造)・鉄骨構造(S構造)について、各構法の特徴をまとめることができる。
2. 木材・コンクリート・鋼材について、これらの材料特性を理解できる。
3. 木構造の代表的な構造形式である在来構法(基礎,軸組,小屋組,床組)、木造枠組壁工法について、各部材の名称・外力に対する働きを説明できる。
4. 鉄筋コンクリート構造に関して、構造形式・構造計画が理解できる。
5. 鉄筋コンクリートの配筋の要点が理解できる。
6. 鉄骨構造に関して、構造形式・鋼材の接合・骨組みの構造計画について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.木材・コンクリート・鋼材について、これらの材料特性を理解できる。木材・コンクリート・鋼材の物理的性質、機械的性質について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。木材・コンクリート・鋼材の物理的性質、機械的性質について、テキストに記載された要点を説明することができる。木材・コンクリート・鋼材の物理的性質、機械的性質について、要点を説明することができない。
2.木構造について、各構法の特徴および要点を説明することができる。木構造の各構法の特徴および要点について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。木構造の各構法の特徴および要点について、テキストに記載された要点を説明することができる。木構造の各構法の特徴および要点について、説明することができない。
3.鉄筋コンクリート構造(RC構造)について、各構法の特徴および要点を説明することができる。鉄筋コンクリート構造(RC構造)の各構法の特徴および要点について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。鉄筋コンクリート構造(RC構造)の各構法の特徴および要点について、テキストに記載された要点を説明することができる。鉄筋コンクリート構造(RC構造)の各構法の特徴および要点について、説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 3-2 説明 閉じる
本科到達目標 3-3 説明 閉じる
本科到達目標 4-1 説明 閉じる
本科到達目標 6-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建物に要求される条件は、建物の用途や環境などによって変化する。それらの様々な条件を満足するために数々の建築方法が考案されている。建築一般構造は、多様な建築構造の中から、主として、木構造、鉄筋コンクリート構造、鉄骨構造(鋼構造)について理解することを目的とし、各構造で用いられる材料の基本的な性質、柱・はり等の骨組みの役割および建築構造物の設計に必要な基本的事項について学ぶ。
授業の進め方・方法:
本科目で使用する教科書は、図表が多く記載されており、建築構造の入門書として最適である。本講義では、実際の建築構造物をイメージしながら建築構造の基本概念について学ぶ。また、本科目は建築構造を学ぶ上で基礎となるものであり、多くの専門用語が登場するので理解すること。建築士などの資格試験と本科目は密接に関連している。また、4年次以降の建築系専門科目の基礎となることに留意すること。
注意点:
本科目は、建築士・建築施工管理技士試験などの実務資格の基礎となる科目です。この講義を通して身のまわりにある建物を観察しよう。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目ガイダンス,建築構造のあらまし 建築構造の種類と各種構造の概要が説明できる
2週 建築物の構造の分類,建築の法規・規準 建築物の分類,建築に作用する荷重について説明できる
3週 木構造(構造形式) 木構造の特徴・構造形式について説明できる
4週 木構造(木材の性質) 木材の材料特性について説明できる
5週 木構造(地業・基礎,木材の接合) 基礎の種類及び接合部の設計上の留意事項について説明できる
6週 木構造(軸組①:土台・柱・桁) 土台・柱・桁などの構造部材の名称や働きについて説明できる
7週 木構造(軸組②:筋交い・方づえ・貫) 筋交い・方づえ・貫・間柱などの名称や働きについて説明できる
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 試験答案の返却・解説,木構造(小屋組) 和小屋・洋小屋などの小屋組の種類及び構造上の特徴について説明できる
10週 木構造(床組,階段) 床組の種類、階段の種類及びそれぞれの構造上の特徴について説明できる
11週 木構造(仕上計画,開口部,木造枠組壁工法) 仕上計画・開口部に関する留意事項について説明できる
12週 木構造(木造枠組壁工法) 木造枠組壁工法の特徴について説明できる。
13週 鉄筋コンクリート(RC)構造の構造形式 鉄筋コンクリート構造の特徴及び構造形式について説明できる
14週 RC構造(鉄筋・セメント,調合設計) 鉄筋の種類、鉄筋の物理的特性・機械的特性、セメントの種類及びそれぞれの特徴について説明できる
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 RC構造(コンクリート) フレッシュコンクリートの特性、硬化コンクリートの力学的特性・耐久性について説明できる
2週 RC構造(構造計画,基礎) 構造計画上の留意事項、基礎構造の種類、不同沈下対策などについて説明できる
3週 RC構造(配筋の要点) 柱・梁・床スラブ・壁などに鉄筋を配筋する際の留意事項について説明できる
4週 RC構造(柱・梁) 柱・梁の構造計画および設計上の留意事項について説明できる
5週 RC構造(床スラブ,階段,壁) 床スラブ及び階段の構造形式、耐力壁の配置上の留意事項について説明できる
6週 RC構造(防水工法,仕上計画) 屋根防水工法の種類、仕上計画の概要について説明できる
7週 RC構造(プレストレスト鉄筋コンクリート構造など) プレストレスの原理、プレストレスの導入方法、プレストレスの目的について説明できる
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 試験答案の返却・解説,鉄骨(S)構造の構造形式
10週 S構造(鋼材の材料特性,鋼材の接合方法) 鋼材の種類・物理的特性・機械的特性、鋼材の接合方法について説明できる
11週 S構造(高力ボルト接合,ボルト接合,溶接接合) 高力ボルト接合の原理、ボルト接合との違い、溶接接合の種類と特徴について説明できる
12週 S構造(構造計画,基礎) 鉄骨構造の構造計画・耐震設計、基礎構造の種類について説明できる
13週 S構造(骨組の構成①) 形鋼の種類、柱部材の座屈、梁部材の横座屈・局部座屈について説明できる
14週 S構造(骨組の構成②) 柱・梁、筋交い、デッキプレート、柱脚部の設計の概要を説明できる
15週 〔後期学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料の特徴・分類を説明できる。2前4,前14,後1
材料の力学的性質及び物理的性質を説明できる。2前4,前14,後1
金属材料の分類を説明できる。2後10
金属材料の一般的性質を説明できる。2後10
鉄鋼製品の用途・規格を説明できる。2後10
セメントの概要、種類、製造、性質について理解している。2前14
セメントの概要、種類、製造、性質について説明できる。2前14
ポルトランドセメントを理解している。2前14
ポルトランドセメントを説明できる。2前14
混合セメントを理解している。2前14
混合セメントを説明でき、用途を選択できる。2前14
骨材の製造・種類・性質について説明できる。2後1
混和材料(混和材、混和剤等)を理解している。2後1
コンクリートの長所、短所について、説明できる。2後1
水セメント比、スランプ、ワーカビリティ、空気量を説明できる。2後1
フレッシュコンクリートの性質を説明できる。2後1
フレッシュコンクリートの性質を理解している。2後1
硬化コンクリートの性質を理解している。2後1
硬化コンクリートの性質を説明できる。2後1
ひびわれを理解している。2前14,後1
耐久性を理解している。2前14,後1
各種コンクリートを理解している。1後1
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。1後1
配合設計の手順を理解し、計算できる。2前14
製造・品質管理を説明できる。1後1
施工を理解している。1後3
コンクリート構造物を構成する材料の性質を説明できる。2後1
鉄筋コンクリートの特徴を説明できる。2前13
複合材料としてのコンクリート構造を説明できる。2前13
単鉄筋コンクリートはりを説明できる。2後4
複鉄筋コンクリートはりを理解している。2後4
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。2後7
プレストレストコンクリートの基礎(使用限界状態・終局限界状態など)を理解している。1後7
プレストレストコンクリートの設計を理解している。1後7
構造構造物の種類やその安定について理解している。2前2
構造物に作用する荷重の種類について理解している。2前2
建築系分野材料セメントの物理的性質について理解している。2前14
セメントの種類・特徴について説明できる。2前14
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。2後1
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。2後1
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。2前14
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。2後1
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。2後1
応力とひずみの関係について説明できる。2後1
弾性係数の意味について説明できる。2後1
クリープ現象と構造物に対する影響について理解している。2後1
乾燥収縮について理解している。2後1
中性化現象と鉄筋の腐食の関係について説明できる。2後1
凍害現象と抑制方法について説明できる。2後1
塩害現象と抑制方法について説明できる。2後1
アルカリ骨材反応現象と抑制方法について説明できる。2後1
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。2後1
鋼材の性質について説明できる。2後10
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。2後10
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。2後10
構造建築構造の成り立ちを説明できる。2前1
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。2前2
建築物に働く力について説明できる。2前2
木構造の特徴・構造形式について説明できる。2前3
木材の種類・性質について説明することが出来る。2前4
木材の接合について説明できる。2前5
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。2前5,前6,前7,前9,前10
外部および内部の仕上げについて説明できる。1前11
木造枠組み壁構法について説明できる。2前11,前12
S造の特徴・構造形式について説明できる。2後9
鋼と鋼材の性質について説明できる。2後10
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。2後11
溶接接合の種類と設計法について説明できる。2後11
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。2後14
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。2前13,後2
鉄筋材料の種類・性質について説明できる。2前14
コンクリート材料の種類・性質について説明できる。2前14,後1

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00