土質工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 土質工学
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「図解土質力学」今西清志,他 オーム社
担当教員 岩部 司

到達目標

1.土の状態量(密度,含水比,間隙比など)の計算ができる。
2.土の透水係数や透水量を計算できる。
3.土の自重による地盤内応力と外荷重による地盤内増加応力を求めることができる。
4.土の沈下量や圧密時間を求めることができる。
5.土のせん断強さ理解し,せん断強さやせん断強度定数(c,φ)を求めることができる。
6.土圧の種類ごとに土圧の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.土の状態量(密度,含水比,間隙比など)の計算ができる。土の状態量(密度,含水比,間隙比など)の計算が間違いなくできる。土の状態量(密度,含水比,間隙比など)の計算が概ねできる。土の状態量(密度,含水比,間隙比など)の計算ができない。
2.土の透水係数や透水量を計算できる。土の透水係数や透水量を求める方法を説明でき,それぞれ計算することができる。透水係数や透水量を計算することが概ねできる。透水係数や透水量を求めることができない。
3.土の自重による地盤内応力と外荷重による地盤内増加応力を求めることができる。土の自重による地盤内応力と外荷重による地盤内増加応力を求め方法を説明でき,それぞれ計算することができる。地盤内応力と外荷重による地盤内増加応力を求めることが概ねできる。地盤内応力や外荷重による地盤内増加応力を求めることができない。
4.土の圧密沈下量や圧密時間を求めることができる。土の圧密現象が説明でき,沈下量や圧密時間を求めることができる。土の圧密現象を理解し,沈下量や圧密時間を求めることが概ねできる。土の沈下量や圧密時間を求めることができない。
5.土のせん断強さやせん断強度定数(c,φ)を求めることがきる。モールの応力円やクーロン式を説明することができ,これらより土のせん断強さやせん断強度定数を求めることがきる。土のせん断強さ理解し,せん断強さやせん断強度定数を求めることがきる。土のせん断強さやせん断強度定数を求めることができない。
6.土圧の種類ごとに土圧の計算ができる。土圧の種類およびクーロンとランキンの土圧論が説明でき,それらの土圧を計算することができる。土圧の種類およびクーロンとランキンの土圧論を理解し,それらの土圧を計算することができる。土圧を計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土木構造物や建築物は地盤上あるいは地中に造られるので,地盤がそれらの構造物を支えられるのか,沈下はしないのか,掘削や盛土をしたときの安定性はどうなのか,などを検証しなければなりません。また,大雨や地震等で引き起こされる地盤の破壊現象に対しては,その被害を減らすように対応しなければなりません。このような課題を解決するために,土の基本的性質や力学的性質などを学びます。
授業の進め方・方法:
土(地盤)は長い年月をかけて形成されたものなので,人工物のように単純な性質を持っていません。土は身近な存在ですが,構造物を支えている存在であることや自然災害に関わりがあることを認識してください。数式が多く出てきますが,講義をしっかり聞き,自ら演習問題を解いて理解を深める努力が不可欠です。
注意点:
まず,授業をしっかり聞くことが基本です。また理解を深めてもらうための演習課題を配布しますので,主体的に取り組んでください。
* 毎時間,電卓を用意しておくこと。
* 理解を深めるためには,多くの問題を解くことです。分からないからとすぐに諦めずに,粘り強く考える習慣をつけてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,土質工学を学ぶ意義
2週 土の構成と状態
3週 土の状態量の表し方
4週 土の状態量の相互関係
5週 土の粒度試験と粒度分布
6週 土のコンシステンシー
7週 土の締固め
8週 〔前期中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
10週 ダルシーの法則
11週 透水係数の求め方
12週 土の自重による地盤内の応力
13週 浸透流による応力の変化
14週 ボイリングの判定
15週 前期末試験の返却と解説
16週
後期
3rdQ
1週 荷重による地盤内鉛直方向の増加応力
2週 増加応力の近似計算法
3週 土の圧縮と圧密
4週 圧密現象とその理論
5週 圧密時間の計算
6週 圧密沈下量の計算
7週 土の強さとクーロン式,ダイレイタンシー
8週 〔後期中間試験〕
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説
10週 モールの応力円と土の破壊基準
11週 各種せん断試験と結果の整理
12週 土圧の考え方と種類
13週 クーロン土圧の計算
14週 ランキン土圧の計算
15週 学年末試験の返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。1前1,前2,前3,前4
土の粒径・粒度分布を説明できる。2前5
土のコンシステンシーを説明できる。1前6
土の締固め特性を説明できる。2前7
ダルシーの法則を説明できる。1前10
透水係数と透水試験について、説明できる。2前11
土のせん断試験を説明できる。1後7,後11
土の破壊基準を理解している。1後10
地盤内応力を説明できる。2前12
有効応力と間隙水圧の関係を理解している。1前13
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。1後3
圧密沈下の計算を説明できる。2後4,後5,後6
有効応力の原理を説明できる。1前12
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。1後12,後13,後14

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00