基礎製図

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 基礎製図
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 はじめての建築製図(学芸出版社)、プリント/建築設計資料集成(日本建築学会編)、「新建築」、「a+u」、「住宅特集」(以上新建築社)、「GA JAPAN」(A.D.A.EDITA Tokyo)ほか
担当教員 森山 学,勝野 幸司

到達目標

1.製図用具を適切に使用し、手書きにより丁寧に作図できる。
2.図面の種類、製図規約、製図記号(木造建築)を覚え、活用できる。
3.平面図、断面図、立面図の記載内容を正確に描くことができる。
4.木造住宅の設計課題に対し、敷地状況や面積などの設計条件を踏まえた設計ができる。
5.木造建築の基準寸法・勾配、構造を理解して設計できる。
6.動線・ゾーニング、採光・換気といった住宅設計のポイントを押さえた計画ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1製図用具を適切に使用し、手書きにより丁寧に作図できる。製図用具を使用し、手書きにより作図できる。製図用具を使用した手書きの作図ができない。
評価項目2図面の種類、製図規約、製図記号(木造建築)を覚え、活用できる。 図面の種類、製図規約、製図記号(木造建築)を覚えることができる。 図面の種類、製図規約、製図記号(木造建築)を覚えることができない。
評価項目3平面図、断面図、立面図の記載内容を正確に描くことができる。平面図、断面図、立面図の記載内容をおおよそ描くことができる。平面図、断面図、立面図の記載内容に対する理解が不足し、描くことができない。
評価項目4木造住宅の設計課題に対し、敷地状況や面積などの設計条件を踏まえた設計ができる。木造住宅の設計課題に対し、敷地状況や面積などの設計条件を部分的に踏まえた設計ができる。木造住宅の設計課題に対し、敷地状況や面積などの設計条件を踏まえた設計ができない。
評価項目5木造建築の基準寸法・勾配、構造を理解して設計できる。木造建築の基準寸法・勾配、構造を部分的に理解して設計できる。木造建築の基準寸法・勾配、構造に対する理解が不足して設計ができない。
評価項目6動線・ゾーニング、採光・換気といった住宅設計のポイントを押さえた計画ができる。動線・ゾーニング、採光・換気といった住宅設計のポイントを部分的に押さえた計画ができる。動線・ゾーニング、採光・換気といった住宅設計のポイントを押さえた計画ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 5年間の設計科目の導入科目である。設計への動機づけと、設計に必要な設計・製図の知識と技術の基礎を習得する。
 前期は①図面の種類・役割、製図用具の使用方法、作図練習、②製図規約・製図記号、木造住宅の仕組みと図面模写、木造住宅の事例学習、後期は③木造住宅の設計課題を実施する。
授業の進め方・方法:
 3-4名のグループを形成する。毎回、目標を掲げる。前期は森山、後期は森山、勝野が担当する。
 前期の講義では設計への関心向上とリアリティに重点を置きつつ、教科書、配布プリント、プロジェクター、現物を使用して行う。知識の習得状況をクイズや試験により確認する。演習では各自で集中しつつグループ内で質問・教示しあえるよう促し、教員はその補助にあたる。自己点検、グループ内の相互点検を実施する。
 後期は立案過程のエスキスをチェックしながら、設計の基礎、考え方、技法を伝授する。成果品は図面と模型である。プレゼンテーションの練習として、講評会を実施する。相互評価の練習もする。優秀作品は学科のクライマックス講評会に選抜するほか、学外で展示する。
注意点:
・入学時のやる気をより高めていくことができる授業を行います。一緒に良い授業を作りましょう。
・演習科目を通じて、自分の癖(遅いけど丁寧、早いけど雑など)を知りましょう。その癖に応じてどんな取組み方が必要かを自分で考えましょう。
・理解できないとか、頭で考えてばかりで手が動かせないというときは、早めに相談してください。初めての専門科目ですから恥ずかしがることはありません。それを乗り越えることの方が大事です。
・締切を守ることがとても大切です。プレッシャーに弱くてもプレッシャーに少しずつ慣れましょう。締切を過ぎると60点満点での評価になります。
・日ごろの生活の中でたくさん感動することと、その感動の場をどうやって作るか、を常に創造的に発想すること、それらの積み重ねがとても大切です。
・実際の建物や建築系雑誌などで、いい事例を見ましょう。このデザインを今度使ってみようと、考えながら見ましょう。
・エスキスは何度も何度も見せてください。自分が考えもしなかったアドバイスをもらって、ハッと気づくことが大切です。教員室への来室歓迎。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、図面の種類と役割 図面の種類・役割を理解する。
2週 製図規約・製図記号
木造軸組み工法の仕組みと図面
規約、製図記号(木造建築)を理解する。木造の図面を理解する。
3週
製図用具の使用方法と作図練習
製図用具の使用方法を理解、作図できる。
4週 事例 木造の図面を理解する。
5週 平面図のポイント、模写 平面図の記載内容を理解し正確に描くことができる。製図用具を適切に使用し丁寧に作図できる。
6週 配置図・平面図の模写 同上
7週 平面図の模写 同上
8週 平面図の模写 同上
2ndQ
9週 断面図のポイント、模写 断面図の記載内容を理解し正確に描くことができる。製図用具を適切に使用し丁寧に作図できる。
10週 断面図の模写 同上
11週 断面図の模写 同上
12週 立面図のポイント、模写 立面図の記載内容を理解し正確に描くことができる。製図用具を適切に使用し丁寧に作図できる。
13週 立面図の模写 同上
14週 立面図の模写 同上
15週 (定期試験)
16週 自己点検・相互点検、事例、面積計算、添景の練習 木造の図面を理解する。面積計算の方法を理解する。
後期
3rdQ
1週 課題説明、計画の進め方、ワークショップ 課題の趣旨を理解する。エスキスの考え方を理解する。
2週 敷地見学、事例見学 敷地の状況を理解する。
3週 エスキスチェック 木造住宅の設計課題に対し、敷地状況や面積などの設計条件を踏まえた設計ができる。木造建築の基準寸法・勾配、構造を理解して設計できる。動線・ゾーニング、採光・換気といった住宅設計のポイントを押さえた計画ができる。
4週 エスキスチェック 同上
5週 エスキスチェック 同上
6週 エスキスチェック 同上
7週 エスキスチェック 同上
8週 エスキス修正 同上
4thQ
9週 製図 同上
10週 製図 同上
11週 製図 同上
12週 製図 同上
13週 模型製作 同上
14週 模型製作 同上
15週 模型製作 同上
16週 講評会 コンセプトなどをまとめ、計画案のプレゼンテーションができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野製図線と文字の種類を説明できる。1前2
平面図形と投影図の描き方について、説明できる。2前5,前9,前12
建築系分野構造木構造の特徴・構造形式について説明できる。3
木材の接合について説明できる。3
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。3
設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。2前3
線の描き分け(3種類程度)ができる。2前3
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。2前3
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。2前1,前2,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16
図面の種類別の各種図の配置を理解している。2前5,前9,前12
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。2前2
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。2後12,後13,後14
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。2後1,後16
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。2後1,後3,後4,後5,後6,後7,後8
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。2後9,後10,後11,後12
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。2後13,後14,後15
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。2後16
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。1後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8

評価割合

試験模写夏季課題設計図設計模型合計
総合評価割合20201040100100
基礎的能力20201000050
専門的能力0004010050
分野横断的能力0000000