建築設計演習II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 建築設計演習II
科目番号 0012 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 3
教科書/教材 プリント、建築設計資料集成(日本建築学会編)/「新建築」、「a+u」、「住宅特集」(以上新建築社)、「GA JAPAN」(A.D.A.EDITA Tokyo)ほか
担当教員 下田 貞幸,森山 学,川口 彩希

到達目標

1.グループ内で自分の役割を認識し、スケジュールに従って作業を推進できる。
2.地域住民とのコミュニケーションや実測調査により必要な情報を得て、調査結果から問題点を発見し、設計条件を整理することができる。
3.論理的で魅力的なテーマとコンセプトを考え、周辺環境、地域の風土・歴史・文化を配慮した企画・設計(外構を含む)ができる。
4.模型、CAD、スケッチパース等を活用し、魅力的なプレゼンテーションシート、パワーポイントを作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1グループワークにおいてグループ内の詳細な方針までメンバ全員が共有し、計画通りにプロジェクトを推進することができる。グループワークにおいてグループ内の基本的な方針をメンバが共有できており、スケジュールを大きく逸脱することなく進めることができる。グループワークにおいてグループ内の方針を全員が全く共有できておらず、スケジュール通りに進めることができない。
評価項目2調査結果をもとに与えられた設計条件を見直し,調査内容を分析することで問題や課題を明確にし、再度設計条件を設定することができる.調査結果をもとに与えられた設計条件を見直し,分析過程に問題を残しつつも再度設定することができる.調査結果を設計条件の見直しに活かすことができない.
評価項目3魅力的なテーマとコンセプトを提案し、地域の風土・歴史・文化に配慮した設計ができる。テーマとコンセプトを提案し、地域の風土・歴史・文化について配慮が不足しつつも設計に反映することができる。テーマとコンセプトを設定できず、地域の風土・歴史・文化を配慮した設計ができない。
評価項目4CAD等を用いて適切な図面を書くことができ、魅力的な模型、スケッチパースを制作できる。また、それらを活用し、構想を的確に伝えるプレゼンテーションシート、パワーポイントを作成できる。CAD等を用いて図面を書くことができ、模型、スケッチパースを制作できる。また、それらを活用したプレゼンテーションシート、パワーポイントを作成できる。図面を書くことができず、模型、スケッチパースを制作できない。従ってプレゼンテーションシート、パワーポイントが作成できない。

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 6-1 説明 閉じる
本科到達目標 6-2 説明 閉じる
本科到達目標 6-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまでに習得してきた知識の集大成として取り組むべき科目である。設計課題に基づいて機能的で、しかも独創性に富んだ建築を計画・設計できる能力を養うことを目標とする。具体的には与えられた設計課題についての様々な調査やデータの分析をおこない、設計についての要求条件を自らの手で整理する。さらにはデータを設計に展開し提案していくことでより高度な設計能力を養う。
授業の進め方・方法:
課題内容は各課題の最初の講義でプリントとして配布する。授業は4年生の「建築設計演習Ⅰ」と同時に進め教員毎にグループを構成するスタジオ形式で進める。適宜PBL(Problem Based Learning)的手法を用いる。
課題Aは全国高専デザコンのテーマとする。与えられた課題に従って現実社会で何が問題となっているのか等をグループで調査しコンセプトを設定する。建築単体の設計に終始するのではなく、まず計画地周辺地域を理解するための現地調査から始める。また地元の人々や行政担当者の意見を聞き計画に反映する。課題Bは時間制限を付けた設計課題である。与えられた設計条件を充たし、機能や法規を満足し、かつ優れたデザインを限られた時間内に提案する。
注意点:
課題Aでは、調査から感じとったものを設計コンセプトとしてまとめ、建築を作り上げるのであり、現地や住民に対する調査の重要性を認識し取り組む必要がある。課題Bは短時間で発想をまとめあげ、図面として完成させる練習でありこれを達成するには十分な事前準備が必要である。
エスキス段階でのコンタクトは非常に重要です。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 課題A:科目ガイダンス、テーマ説明
課題B:課題B-1説明、資料収集、エスキス、添削
2週 課題A:現地ウオッチング
課題B:エスキス、添削
課題A:調査によって地域の問題等を発見し計画につなげることができる
3週 課題A:現地ウオッチングまとめコンセプト策定
課題B:製図作業(制限90分)
課題B:締め切りまでに作品を完成させることができる
4週 課題A:現地ウオッチングとコンセプトの発表
課題B:課題B-2説明、資料収集、エスキス、添削
課題A:調査結果等を踏まえてコンセプトを提示することができる
5週 課題A:エスキス
課題B:エスキス、添削
6週 課題A:エスキス
課題B:製図作業(制限180分)
7週 課題A:中間発表1
課題B:製図作業(制限180分)
課題A:コンセプトを踏まえてエスキスをまとめることができる
課題B:締め切りまでに作品を完成させることができる
8週 課題A:基本構想案作成
課題B:課題B-3説明、資料収集、エスキス、添削
2ndQ
9週 課題A:基本構想案作成
課題B:エスキス、添削
10週 課題A:中間発表2
課題B:エスキス、添削
課題A:基本構想を図面や模型等によってまとめることができる
11週 課題A:製図作業、模型製作
課題B:製図作業(制限270分)
12週 課題A:製図作業、模型製作
課題B:製図作業(制限270分)
13週 課題A:製図作業、模型製作
課題B:製図作業(制限270分)
課題B:締め切りまでに作品を完成させることができる
14週 課題A:プレゼンテーション作業
課題B:講評
課題B:作品の考え方や特徴についてわかりやすく説明することができる
15週 (定期試験)
16週 課題A:最終報告会
課題B:課題手直し
課題A:締め切りまでに作品を完成させ、作品の考え方や特徴についてわかりやすく説明することができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史モデュールについて説明できる。3
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。3前11,前12,前13
建築計画・設計の手法一般について説明できる。4
計画の立案ができる。4前3,前4,前5
企画の手法について理解できる。4
動線について説明できる。4前8,前9
ゾーニングについて説明できる。4前8,前9
設計・製図ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。4前11,前12,前13,前14
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。4前11,前12,前13,前14
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。4前3,前4
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。4前5,前6
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。4前11,前12,前13,前14
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。4
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などが描ける。4
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる4
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。4
講評会等において、設計趣旨などをまとめ、プレゼンテーションができる。4

評価割合

調査まとめグループ作品発表・プレゼン個人合計
総合評価割合10405450100
課題A:基礎的能力000000
課題A:専門的能力104050055
課題A:分野横断的能力00015015
課題B:基礎的能力000505
課題B:専門的能力00025025
課題B:分野横断000000