河川海岸工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 河川海岸工学
科目番号 0014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「河川工学」 川合 茂著、コロナ社
担当教員 上久保 祐志

到達目標

1.河川の流れを分類し,説明することができる.
2.開水路流の基礎方程式を導くことができる.
3.各種の流出解析法の特徴を理解し、流出解析ができる。
4.河川計画を分類し,説明することできる。
5.海における災害と抱えている環境問題について説明することができる。
6.海における物理的現象と性質を理解し説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.河川の流れを分類し,説明することができる.河川の流れの分類として,定常流・非定常流,等流・不等流,常流・射流の流れを理解し,水路床勾配,フルード数との関係を説明することができる.河川の流れの分類として,定常流・非定常流,等流・不等流,常流・射流の流れを理解し,それぞれを説明することができる.河川の流れの分類として,定常流・非定常流,等流・不等流,常流・射流の流れを分類できず,それぞれを説明することができない.
2.開水路流の基礎方程式を導くことができる.開水路流の定常流と非定常流の基礎方程式を導くことができ,さらに不等流の水面形状の変化を説明することができる.開水路流の定常流と非定常流の基礎方程式を導くことができ,さらに不等流の水面形状の変化を説明することができる.開水路流の定常流と非定常流の基礎方程式を導くことができない
3.各種の流出解析法の特徴を理解し、流出解析ができる。流出解析法である単位図法,タンクモデルの特徴を十分に説明でき,流出解析を行うことができる.流出形跡法である単位図法,タンクモデルの特徴を説明でき,流出解析を行うことができる.流出形跡法である単位図法,タンクモデルの特徴を説明できず,流出解析を行うことができない.

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 6-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
河川工学は私たちと河川との共生を経験的・理論的・技術的に体系づけた工学であり、流域における河道およびその周辺の災害の防御(治水)、水資源の確保と有効利用(利水)、および水域の環境保全を取り扱う科目である。一方、海岸工学のベースとなる「波」の基本的な性質や発生メカニズムを理解し、防災と環境の両面から必要とされる知識を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義の内容は、河川の水理および河川の地形学、河川の水文学、流砂、河川計画、河川構造物である。講義は各項目について説明を行い、時間のとれる限り演習を行い、理解を深めていく。この科目は、自然との関わりを考慮したうえで、河川計画を行える能力を養うことが最終目標である。また,海岸工学の基礎となる事柄について詳細に解説しながら講義を進める。特に、沿岸域の防災と環境の調和を目指せる知識を学ぶ。
注意点:
授業後は内容や背景等を調べると共に、実施内容がいろいろな場面で活用できるように定着を図ること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 開水路の定常流れ(不等流の基礎方程式) モデルコアカリキュラムと対応
2週 開水路の定常流れ(不等流と背水曲線) モデルコアカリキュラムと対応
3週 河川と社会(文明社会と河川の利用) モデルコアカリキュラムと対応
4週 河川と社会(河川の管理と整備) モデルコアカリキュラムと対応
5週 河川の地形学(河川の分類と流域) モデルコアカリキュラムと対応
6週 河川の地形学(流れ作用と河川形状) モデルコアカリキュラムと対応
7週 前期中間試験
8週 試験の返却と解説
2ndQ
9週 水の循環(降雨特性) モデルコアカリキュラムと対応
10週 水の循環(流出過程と流況曲線) モデルコアカリキュラムと対応
11週 水の循環(水文量の観測方法と流域平均雨量)) モデルコアカリキュラムと対応
12週 流出解析法(1) モデルコアカリキュラムと対応
13週 流出解析法(2) モデルコアカリキュラムと対応
14週 水文統計学(1) モデルコアカリキュラムと対応
15週 水文統計学(2) モデルコアカリキュラムと対応
16週 試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 河川と治水(水害の特性とその変遷,内水処理) モデルコアカリキュラムと対応
2週 河川と治水(河川計画の策定および洪水対策) モデルコアカリキュラムと対応
3週 河川と利水(渇水状況と降水の変化) モデルコアカリキュラムと対応
4週 河川と利水(日本および世界の水資源の現状) モデルコアカリキュラムと対応
5週 河川と環境(河川における生態系の保全と復元) モデルコアカリキュラムと対応
6週 河川構造物(河川堤防,護岸,水制の役割) モデルコアカリキュラムと対応
7週 後期中間試験
8週 試験の返却と解説
4thQ
9週 気象・海象(海岸工学の歴史と背景) モデルコアカリキュラムと対応
10週 気象・海象(波の諸元と微少振幅波理論) モデルコアカリキュラムと対応
11週 気象・海象(浅水変形,砕波,潮汐) モデルコアカリキュラムと対応
12週 気象・海象(風波の発生と発達) モデルコアカリキュラムと対応
13週 海岸防災(海岸における災害と対処方法) モデルコアカリキュラムと対応
14週 海岸防災(海岸構造物に作用する波圧と波力) モデルコアカリキュラムと対応
15週 海岸防災(海岸構造物の安定計算) モデルコアカリキュラムと対応
16週 試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3後13
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理開水路不等流の基礎方程式について理解している。2前1
開水路不等流の基礎方程式について説明できる。3前1
一様水路における不等流と背水曲線について理解している。3前2
一様水路における不等流と背水曲線について説明できる。2前2
文明社会と河川の利用について理解している。3前3
河川の管理と整備について説明できる。3前4
河川の分類と流域について、説明できる。3前5,前6
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。3前9
流出過程、流況曲線について理解している。3前10,前11
流出解析法について理解している。3前12,前13
水文量の統計的性質について理解している。3前14,前15
河道計画の策定について理解している。3後1
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。3後1,後2
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。3後2
日本の水資源の現況について、説明できる。3後3,後4
河川における生態系の保全と復元について理解している。3後5
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。3後6
波の基本的性質について理解している。3後10,後11,後12
波の基本的性質について説明できる。3後10,後11,後12
津波と高潮の特徴を説明できる。3後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0000000
専門的能力90100000100
分野横断的能力0000000