到達目標
前期(遠山)は、日本の政治を中心とした政治学の分野、後期(時松)は、経済学の分野を扱う。
(1)政治の分野では、日本の政治体制である現代のデモクラシーを支えるしくみを次にあげる諸点から、原理的に理解することを目的とする。①現代デモクラシーを支える政治思想(三権分立や立憲主義、基本的人権など)、②現代デモクラシーを支える我が国の諸制度と戦後日本の政治史(選挙制度、政党、内閣、国会など)。今年度は、上記①、②の内容をふまえて、参院選をテーマにNIE(「教育に新聞を」)活動を行う。
(2)経済学の分野では、現代経済の仕組みを理解するとともに、政府が行う経済政策について市民の視点から考えることを目的とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
公共の基礎的な語句(新聞の内容程度)について知識を得て試験で正確に答えることができる。 | 政治経済の基礎的な語句(新聞の内容程度)について知識を得て試験で正確に説明できる。 | 政治経済の基礎的な語句(新聞の内容程度)について知識を得て試験で答えることができる。 | 政治経済の基礎的な語句(新聞の内容程度)について語彙を覚えていない。 |
現代デモクラシーの基本的な考え方およびそれを支える基本的な制度について理解できる。 | 現代デモクラシーの基本的な考え方およびそれを支える基本的な制度について正確に説明できる。 | 現代デモクラシーの基本的な考え方およびそれを支える基本的な制度について知識を得て試験で答えることができる。 | 現代デモクラシーの基本的な考え方およびそれを支える基本的な制度に関する語彙を覚えていない。 |
新聞を中心に主体的にメディアを活用して現代社会を理解できる。 | 新聞を中心に主体的にメディアを活用して現代社会を理解できる。 | 新聞を中心に主体的にメディアを活用できる。 | 新聞を中心に主体的にメディアを活用できない。 |
現代経済の基本的な仕組みについて理解できる。 | 現代経済の基本的な仕組みについて正確に説明できる。 | 現代経済の基本的な仕組みについて知識を得て試験で答えることができる。 | 現代経済の基本的な仕組みについて基本的な用語を覚えていない。 |
政府が行う金融財政政策について理解できる。 | 政府が行う金融財政政策について正確に説明することができる。 | 政府が行う金融財政政策について知識を得て試験で答えることができる。 | 政府が行う金融財政政策について基本的用語を覚えていない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【前期】現代の我が国を取り巻く政治状況について、「現代日本の政治」のしくみの理解に重点を置きながら、特にデモクラシーが成立するための諸条件の理解をめざす。
毎週の授業の残り50分を使用して、NIE発表会に向けた準備作業を行う。発表会では、新聞やインターネットの情報を活用しながら、現代の政治問題を取り上げて、選択したテーマについて自分の考えをまとめ発表する。
【後期】現代経済の仕組みと政府の金融財政政策の理解を目指す。政府が行う政策について、貨幣とモノの流れをみながらその効果について考える。
授業の進め方・方法:
【前期】配付プリントを中心に、教科書を補足的に使用しながら「講義」を進める。また、講義内容のより十全な理解のために、映画などの視聴覚資料を用いることもある。また、NIE(Newspaper in Education)を採り入れて、各自で政治問題について情報を収集・分析して報告会で発表を行う。
【後期】教科書を中心に講義を進める。必要に応じて資料を配布する。学生に課題を与えて、数分議論してもらい、発表させる。
注意点:
・中学校での「公民」の知識を「前提に」講義を進めるので復習しておくこと。
・配付のプリントに沿って講義を進めます。しかし、テストに出るのは、プリントに書かれているものだけではなく、口頭で伝えるもののありますので、講義のポイントや論理的な展開を押さえながら、きちんとメモをとること。
・試験対応という点では、知識に習得を問うものが8割程度を占めるため、講義で紹介された「言葉を覚える」ことが主要な作業になる。そのため、学習時間をしっかりと確保できている者ほど、高得点を獲得できる。試験直前に知識を無理矢理詰め込むことのないよように、早めに学習習慣を身に着けること。
・講義内容をノートにとること。「経済学」の分野では、講義ノートも評価の対象とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス(授業の進め方) NIE実践ガイダンス
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本講義の進め方、ねらいについて理解する。NIE実践課題の進め方について理解する。
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2週 |
視聴覚教材「1984」① |
視聴覚教材を鑑賞する。
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3週 |
視聴覚教材「1984」解説、「選挙と議会」①―日本の国会と選挙制度 |
日本の選挙制度を学んで、選挙制度から衆参両院の役割を理解する。
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4週 |
「選挙と議会」①/NIE実践①
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日本の選挙制度を学んで、選挙制度から衆参両院の役割を理解する。NIE実践の作業を行う。
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5週 |
「選挙と議会」②―日本の国会と選挙制度 |
日本の選挙制度を学んで、選挙制度から衆参両院の役割を理解する。
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6週 |
「選挙と議会」②―日本の国家と選挙制度/NIE実践② |
日本の選挙制度を学んで、選挙制度から衆参両院の役割を理解する。NIE実践の作業を行う。
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7週 |
「選挙と議会」③―選挙と国民 |
公職選挙法などを学んで、選挙に対する国民の関わり方を理解する。
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8週 |
「選挙と議会」③―選挙と国民/NIE実践③ |
公職選挙法などを学んで、選挙に対する国民の関わり方を理解する。NIE実践の作業を行う。
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2ndQ |
9週 |
政党―政党の役割と性格、政党システム |
代議制民主主義における政党の役割や保守、革新などの特色、政党システムについて理解する。
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10週 |
政党―政党の役割と性格、政党システム/NIE実践④ |
代議制民主主義における政党の役割や保守、革新などの特色、政党システムについて理解する。/NIE実践の作業を行う。
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11週 |
戦後日本の政党政治史①―五五年体制の形成 |
自民党を中心とした戦後の政党政治の歴史を学んで、現在の日本の政治が抱えている問題を理解する。
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12週 |
NIE実践プレ報告会 |
NIE実践発表会のためのプレ報告会を行う。
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13週 |
戦後日本の政党政治史②―「改革」の時代としての21世紀 |
自民党を中心とした戦後の政党政治の歴史を学んで、現在の日本の政治が抱えている問題を理解する。
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14週 |
NIE実践発表会
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NIE実践発表会を行う。
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15週 |
NIE実践のふり返り |
NIE実践のふり返りを行い、ふり返りシートを作成する。
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16週 |
前期期末試験 |
これまでの授業の理解を問う。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
イントロダクション 経済とは何か・経済活動の3つの主体 |
本講義の進め方、ねらいを理解し、経済という基本的な定義を説明できる。
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2週 |
市場の働きと限界 |
市場での価格決定とその限界について説明できる。
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3週 |
寡占市場 |
寡占市場の弊害と独禁法の考え方について説明できる。
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4週 |
現代の企業 |
株式会社と株式市場について基本的な用語で説明できる。
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5週 |
経済循環 |
景気変動の種類とその要因について説明できる。
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6週 |
GDPと成長率 |
GDPの構成要素を説明できる。また各国GDPの大きさと成長率について説明できる。
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7週 |
金融市場と金融機関 |
銀行の種類と機能について説明できる。
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8週 |
中央銀行の働きと金融政策 |
日本銀行の働きについて説明できる。また金融政策の方法について説明できる。
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4thQ |
9週 |
財政の機能と財政政策 |
財政政策の方法とその効果について説明できる。
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10週 |
国債発行と財政について |
国債の発行と償還について説明できる。また日本の財政事情も説明できる。
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11週 |
貿易について |
自由貿易と保護貿易の理論について説明できる。
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12週 |
為替について |
為替が貿易に与える影響について説明できる。
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13週 |
戦後の国際経済体制について |
ブレトンウッズ体制の基本的枠組みについて説明できる。
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14週 |
GATTとWTO、地域経済協定 |
自由貿易体制に向けての仕組みづくりや現代の地域経済協定について説明できる。
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15週 |
日本の農業問題 |
自由貿易進展と日本の農業問題を絡めて説明できる。
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16週 |
後期定期試験 |
これまでの講義内容の理解を問う。
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評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 75 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 70 |
専門的能力 | 25 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |