土木構造設計

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 土木構造設計
科目番号 0017 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎土木工学シリーズ8 「橋梁工学[上]」中井 博/北田俊行 共著,森北出版株式会社
担当教員 岩坪 要

到達目標

1.橋梁の種類と役割を説明することができる。
2.構造設計手法の考え方を説明することができる。
3.構造物に作用する荷重の種類や材料特性を説明できる。
4.設計量の計算ができる。
5.断面設計を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1橋梁の種類と特徴を説明することができる。橋梁の種類と役割が説明できる。橋梁の違いが解らない。
評価項目2許容応力度設計法と他の設計方法の違いが説明できる。許容応力度の計算ができる。許容応力度設計法が説明できない。
評価項目3構造設計に用いる荷重と使用材料の説明と設定ができる。構造物に作用する荷重と,使用する材料の種類が説明することができる。構造物に作用している荷重と使用する材料の種類が答えられない。
評価項目4構造部材の設計で用いる設計量の計算ができる。構造部材の設計で用いる設計量を指定できる。構造部材設計の設計量を特定できない。
評価項目5短スパンのプレートガーダー橋の設計ができる。設計の流れが説明できる。構造設計の流れが説明できない。

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 6-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土木構造物は,鋼材やコンクリートなどの材料特性を踏まえながら,様々な規定や考え方に基づいて設計されている。さらに今後はインフラの老朽化対応が必要であり,そのためには設計の基本を學必要がある。本科目では,橋梁を代表構造物として構造設計の一般事項を中心に学ぶ科目である。
授業の進め方・方法:
テキストを中心に授業を進める。講義の中では最近の話題提供や実際の橋梁見学を適宜(条件が合えば)行い,演習問題を通じて構造物の設計について理解を深めることとする。また,本科目は学修単位であるため,自学としてプレートガーダー橋の断面設計の設計課題を課すこととする。
注意点:
・前半は,土木構造物の種類や特徴,性能を調べる時間とし,設計上の考え方などを整理する時間とする。設計課題では,設計計算と最終的な図面を付すなど,報告書の形式でまとめるものとする。
・まずはテキストをしっかりと読みこなすこと。その中で専門用語の使い方を理解し,演習問題に取り組むことが必要である。また,身
近な構造物やその構造物に考えなければならない荷重を自分なりに考えていくと理解は深まる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義ガイダンス 本科目の学習目標が理解できる。
2週 鋼・合成橋梁の種類 橋梁の種類と役割,構造設計の概略を説明することができる。
3週 構造設計の基礎 構造設計手法の考え方と違いを説明することができる。
4週 構造設計の基礎 構造設計手法の考え方と違いを説明することができる。
5週 荷重と材料と維持管理 構造物に作用する荷重の種類や材料特性を説明できる。
6週 荷重と材料と維持管理 構造物の老朽化問題を説明できる。
7週 前期中間試験 これまでの講義内容をまとめる
8週 試験の返却と解説 試験のまとめ
2ndQ
9週 構造物の断面力・たわみの解析法 部材に作用している軸力,曲げモーメントなど断面力の計算ができる。
10週 構造物の断面力・たわみの解析法 部材に作用している軸力,曲げモーメントなど断面力の計算ができる。
11週 構造物の断面力・たわみの解析法 部材に作用している軸力,曲げモーメントなど断面力の計算ができる。
12週 構造部材の断面設計 設計部材力に対し,断面設計を行うことができる。
13週 構造部材の断面設計 設計部材力に対し,断面設計を行うことができる。
14週 構造部材の断面設計 断面設計のレポート課題をまとめる
15週 学年末試験 これまでの講義内容をまとめる
16週 試験の返却と解説 講義のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料の特徴・分類を説明できる。3前3,前4
材料の力学的性質及び物理的性質を説明できる。3前3,前4
金属材料の分類を説明できる。3前3,前4
金属材料の一般的性質を説明できる。3前3,前4
鉄鋼製品の用途・規格を説明できる。3前3,前4
コンクリート構造物を構成する材料の性質を説明できる。3前2,前3,前4
鉄筋コンクリートの特徴を説明できる。3前3,前4
複合材料としてのコンクリート構造を説明できる。3前3,前4
一般構造細目を説明できる。3前3,前4
限界状態設計法と許容応力度設計法を説明できる。3前3,前4
使用限界状態を説明できる。3前3,前4
コンクリート構造物の設計方法を理解している。3前3,前4
コンクリート構造物の設計方法を説明できる。3前3,前4
単鉄筋コンクリートはりを説明できる。3
複鉄筋コンクリートはりを理解している。3
曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態)を説明でき、計算できる。3
曲げモーメントを受ける部材(終局限界状態)を説明でき、計算できる。3
T形はりを理解している。3
せん断を受ける部材を説明でき、計算できる。3
せん断応力(終局限界状態)を説明できる。3
軸力を受ける部材を説明できる。3
偏心を受ける部材を説明できる。3
柱の構造細目について説明できる。3
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。3前3,前4
プレストレストコンクリートの基礎(使用限界状態・終局限界状態など)を理解している。3前3,前4
プレストレストコンクリートの設計を理解している。3前3,前4
コンクリート及び鋼材の劣化を説明できる。3前6
構造構造物の種類やその安定について理解している。3前1,前2,前4,前5,前6
構造物に作用する荷重の種類について理解している。3前3,前4,前5,前6
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。3前3,前4,前5,前6
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。3前3,前4,前5,前6,前12,前13,前14
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。3前3,前4,前5,前6,前12,前13,前14
はりの支点の種類、対応する支点反力を理解し、はりの種類やその安定性について説明できる。3前9,前12,前13,前14
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。3前9,前12,前13,前14
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。3前9,前12,前13,前14
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。3前9,前12,前13,前14
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。3前9,前12,前13,前14
はりに生じる応力から、簡単なはりの設計ができる。3前9,前12,前13,前14
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。3前9
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。3前9
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。3前3,前5,前6,前9,前10
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。3前3,前5,前6,前9,前10
ラーメンやその種類について理解している。3
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。3
鋼材の力学的性質について理解している。3前12,前13,前14
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。3前12,前13,前14
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。3前12,前13,前14
垂直応力とせん断応力について説明できる。3前12,前13,前14
主応力と主軸について説明できる。3前12,前13,前14
モールの応力円を利用して、構造物内部の応力状態を説明できる。3前12,前13,前14
平面応力と平面ひずみについて説明できる。3前12,前13,前14
弾性・塑性の概念について説明できる。3前12,前13,前14
はりのたわみの微分方程式を理解している。3前9,前10
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。3前9,前10
弾性荷重法を理解し、はりのたわみやたわみ角を計算できる。3前9,前10
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念を理解している。3前9,前10
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。3前9,前10
仮想仕事の原理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。3前9,前10
カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の解法を理解している。3前9,前10
カスティリアノの定理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。3前9,前10
最小仕事の原理を用いた不静定構造物の解法を理解している。3前9,前10
最小仕事の原理を活用して、不静定構造物を解くことができる。3前9,前10
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3前9,前10
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。3前9,前10
応力法による不静定構造物の解法を理解している。3前9,前10
応力法を活用して、不静定構造物を解くことができる。3前9,前10
変位法による不静定構造物の解法を理解している。3前9,前10
変位法を活用して、不静定構造物を解くことができる。3前9,前10
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6
耐震設計に関する基本的な考え方(震度法など)について説明できる。3前3,前4,前5,前6,前12,前13,前14
振動解析モデルについて理解している。3前3,前4,前5,前6
1自由度系の自由振動について理解している。3前5,前6
1自由度系の強制振動について理解している。3前5,前6
減衰を持つ振動について理解している。3前5,前6
計画性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6
設計速度、車線数、車線幅員の標準値を理解している。3前2,前3,前4,前5,前6
道路の機能と幾何構造について理解している。3前2,前3,前4,前5,前6
製図製図用具の種類を理解している。3
線と文字の種類を説明できる。3
平面図形と投影図の描き方について、説明できる。3
CADソフトウェアの機能を説明できる。3
図形要素の作成と修正について、説明できる。3
画層の管理を説明できる。3
図面の出力(印刷)ができる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000