土木設計演習I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 土木設計演習I
科目番号 0019 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 プリント配布
担当教員 岩部 司,橋本 淳也

到達目標

1. 道路構造令に定められる項目の根拠を理解し,道路設計に生かすことができる。
2. 地理的条件を整理し、その条件を踏まえた道路線形を描くことができる。
3. 設計課題を通して、道路の設計手順を理解し、基本的な図面、資料を作成できる。
4. 舗装厚の算定や路盤や路床の強度の評価に必要な土質試験(締め固め試験,CBR試験)を理解する。
5. 土質試験の結果を使ってアスファルト舗装の構造設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 道路構造令に定められる項目の根拠を理解し,道路設計に生かすことができる。道路構造令の規定とその根拠について説明ができ、道路幾何構造設計に適用することができる。道路構造令の規定が説明でき、道路幾何構造設計に適用することができる。道路構造令の規定が説明できず、道路幾何構造設計への適用ができない。
2. 地理的条件を整理し、その条件をふまえて道路線形を描くことができる。地形図から地形を読み取り、地勢から道路の役割を設定することができる。あわせて、それに基づいた道路線形を描くことができる。地形や地勢などの地理的条件を整理することができ、それに基づいた道路線形を描くことができる。地形や地勢などの地理的条件を整理することができない。または、条件にもとづいた道路線形を描くことができない。
3. 設計課題を通して、道路の設計手順を理解し、基本的な図面、資料を作成できる。道路の設計手順に沿って、設計に必要な計算、資料の作成等ができる。製図規則に則した設計図面を描くことができる。道路の設計手順に沿って、製図規則に則した設計図面を描くことができる。製図規則に則した設計図面を描くことができない。
4.締め固め試験,CBR試験を説明し,データを整理することができる。締め固め試験,CBR試験の概要とその必要性が説明でき,それぞれについてデータ整理を行うことができる。締め固め試験,CBR試験の概要を説明し,それぞれについてデータ整理を行うことができる。締め固め試験,CBR試験のデータ整理ができない。
5. アスファルト舗装の構造設計ができる。各種条件を考慮したアスファルト舗装の構造設計を行い,その標準断面図を正確に製図することができる。アスファルト舗装の構造設計ができ,その標準断面図を製図することができる。アスファルト舗装の構造設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 6-1 説明 閉じる
本科到達目標 6-2 説明 閉じる
本科到達目標 6-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
社会資本整備に欠かせない“道路”の設計や施工に関する課題に取り組む。まず,道路を計画し,施工するまでに必要な法令や概略設計の進め方を学んだ後,実際に地形図上に道路を設計する。次に,舗装の構造や土質試験,舗装の構造設計法などを学び,概略設計を行った道路について舗装厚の設計を行う。
授業の進め方・方法:
地形図をもとに道路の概略設計,道路標準断面の構造設計(アスファルト舗装)を行う。これらの設計演習を行う際には,関連の専門知識を事前に確認し,不足する場合は必要に応じて講義しながら実施する。また,設計作業に必要な現場調査や現場見学等を適宜実施する。

* 測量学や土質試験の知識を活用する。事前に指示するので復習すること。
* 設計課題は授業だけではなく,放課後等の時間を確保して課題に取り組み,完成度を上げること。
* 道路を走った時感じたことを覚えておこう。そしてそれを道路設計に生かしてみよう。
注意点:
評価方法は以下の3通りである。
a)到達目標の1,2は前期中間試験で評価
b)到達目標の1~3は図面・レポートで評価
c)到達目標の4,5は演習・レポートで評価
評価点は,評価方法a),b),c)の重みをそれぞれ25%,50%,25%として算出し,60点以上を合格とする。

演習内容は既に学んだ測量学や土質工学の知識を活用することから,事前に復習する時間を確保すること。また,演習課題が示された後は,より良い成果が得られるように,参考書や関連する専門書を読みながら主体的に取り組むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 道路の機能と段階構成について説明できる。
2週 道路構造令の解説と運用① 道路構造令の主な条文の内容とその目的や運用について説明できる。
3週 道路構造令の解説と運用② 同上
4週 道路構造令の解説と運用③ 同上
5週 道路構造令の解説と運用④ 同上
6週 地形図の見方 地形図から地形を想定し、地形に応じた路線案を示すことができる。
7週 道路の設計手順 計画の形成段階について説明できる。
8週 〔前期中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
10週 設計課題① 路線の概略設計 地理・地勢や沿線環境に応じた路線案を示す。
11週 現地調査 設計課題の現地を確認し、問題点の抽出し整理する。
12週 現地調査 同上
13週 設計課題② 代替案検討のための資料作成 代替案を示し、長所や短所について説明する。
14週 設計課題③ 代替案の比較・検討 複数の代替案を客観的視点から比較・決定する。
15週 設計課題④ 代替案の決定 同上
16週 設計課題⑤ 平面線形の設計 平面線形を図面に描く。
後期
3rdQ
1週 設計課題⑥ 平面線形の設計 同上
2週 設計課題⑦ 平面線形の設計 同上
3週 設計課題⑧ 縦断線形の設計 計画高を算出し、縦断線形を図面に描く。
4週 設計課題⑨ 縦断線形の設計 同上
5週 設計課題⑩ 横断断面図の作図 道路横断面を図面に描く。
6週 設計課題⑪ 横断断面図の作図 同上
7週 設計課題⑫ レポートの整理 設計図等をとりまとめ、整理する。
8週 道路舗装概論
4thQ
9週 アスファルト舗装(構造設計)
10週 アスファルト舗装(設計演習)
11週 砕石場・アスファルトプラント見学
12週 突き固めによる土の締め固め試験
13週 CBR試験
14週 設計課題⑬ 舗装厚の設計
15週 設計課題⑭ 舗装標準断面の製図
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の締固め特性を説明できる。2後12
計画道路網整備:道路の機能と段階構成について理解している。1前1,前10
道路の種類と管理について理解している。2前1,前10
道路構造の設計基準と路面の横断構成について理解している。2前5,後5,後6
表層・基層の最小厚さ、路盤材料の最小厚さについて理解している。2後9,後10
性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。2前2,前16,後1,後2,後3,後4,後8
設計速度、車線数、車線幅員の標準値を理解している。2前2,後15
道路の機能と幾何構造について理解している。2前3,前4,前6,前16,後1,後2,後3,後4
施工・法規建設機械の概要を説明できる。1後8
土工の目的と施工法について、説明できる。1後8
掘削と運搬および盛土と締固めの方法について、説明できる。1後8
製図CADソフトウェアの機能を説明できる。2後15
図形要素の作成と修正について、説明できる。2後15
図面の出力(印刷)ができる。2後15
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。2後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合25000075100
基礎的能力0000000
専門的能力25000075100
分野横断的能力0000000