建設材料

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 建設材料
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 武田雄二ほか著 図説建築材料 学芸出版社 
担当教員 浦野 登志雄

到達目標

1.建設材料の性質に関する基本用語やその特性を理解し、説明することができる。
2.セメント、骨材、混和材料などの基礎事項を理解し、説明することができる。
3.コンクリートの配合計算を行うことができる。
4.フレッシュコンクリートや硬化コンクリートの基礎的特性を理解し、説明することができる。
5.鋼材の種類や用途を説明できる。
6.鋼材の力学的特性を理解し、説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
セメント、骨材、混和材料などの基礎事項を理解し、説明することができる。セメント、骨材、混和材料などの基礎事項について、教科書以外に講義で取り扱った内容についても説明できる。セメント、骨材、混和材料などの基礎事項について教科書の内容を説明することができる。セメント、骨材、混和材料などの基礎事項について、説明することができない。
コンクリートの配合計算を行うことができる。コンクリートの配合計算について、現場補正の意味や計算の過程を理解し、計算することができる。コンクリートの配合計算を規準書に従って計算することができる。コンクリートの配合計算を行うことができない。
フレッシュコンクリートや硬化コンクリートの基礎的特性を理解し、説明することができる。フレッシュコンクリートや硬化コンクリートの基礎的特性について、教科書以外に講義で取り扱った内容についても説明することができる。フレッシュコンクリートや硬化コンクリートの基礎的特性について、教科書の内容を説明することができる。フレッシュコンクリートや硬化コンクリートの基礎的特性について、説明することができない。
鋼材の種類や用途の説明ができる。鋼材の種類や用途について、教科書以外に講義で取り扱った内容についても説明することができる。鋼材の種類や用途について、教科書の内容を説明することができる。鋼材の種類や用途について、説明することができない。
鋼材の力学的特性を理解し、説明することができる。鋼材の力学特性について、教科書以外に講義で取り扱った内容についても説明することができる。鋼材の力学特性を理解し、教科書の内容を説明することができる。鋼材の力学特性について、説明することができない。
コンクリート・鋼材以外の建築材料(石材,木材,ガラス,セラミックス,石膏,プラスチック,塗料,防水材料など)について、その特性及び用途について説明できる。コンクリート・鋼材以外の建築材料について、教科書以外に講義で取り扱った内容についても説明することができる。コンクリート・鋼材以外の建築材料について、それらの特性及び用途を理解し、教科書の内容について説明できる。コンクリート・鋼材以外の建築材料の特性及び用途について説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建設構造物は様々な材料を用いて建設される。耐久性に優れた構造物を設計・施工するためには、建設材料の基本的な性質を十分に把握しておく必要がある。本科目では、コンクリートや鉄筋などの主要材料の基礎を学ぶ。また、木材や石材など鋼材・コンクリート以外の建築材料について、それらの特性及び用途についての基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業計画に対応して事前学習を促すために、基本事項に関する予習課題を毎週示す。プリントやビデオなどを使用してわかりやすい授業を行う。また、建設技術者を目指す受講学生の学びの意欲を高める取り組みを行う。
注意点:
本科目は2単位科目であるため、規定授業時数は60時間である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目ガイダンス
材料力学の基礎(1)
 力と応力
引張応力、圧縮応力、せん断応力、曲げモーメントについて理解し、説明することができる。
2週 材料力学の基礎(2)
 強度、ひずみ度、ヤング係数
引張強度、圧縮強度、せん断強度、曲げ強度、ひずみ度、ヤング係数を算出することができる。
3週 概 論
木 材(1) 
 木材の種類・性質
建築材料に要求される性能について説明できる。木材の種類・性質について説明できる。
4週 木 材(2) 
 木材の耐久性
木質材料 
 合板・集成材・繊維板など
木材の耐久性について説明できる。木質材料の製造方法、材料特性、用途について説明できる。
5週 石 材 
 一般的性質、石材の分類
石材の力学的性質、火成岩・堆積岩、変成岩など石材の種類と特徴および用途について説明できる。
6週 鉄鋼材
 鋼材の種類
 鋼材の力学的特性
JIS規格に示されている鋼材の分類について説明できる。また、強度・伸び・溶接性と含有炭素量の関係について説明できる。
7週 鉄鋼材(2)
 鋼材の物理的特性
非鉄金属
 アルミニウム、ステンレス、銅
 
鋼材の腐食および温度特性について説明できる。また、アルミニウム、ステンレス、銅など非鉄金属の特性について説明できる。
8週 【中間試験】
2ndQ
9週 中間試験の答案返却・解説 講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
10週 ガラス
 建築用板ガラスの種類・用途
タイル
 内装用・外装用タイル 
建築用板ガラスの種類および用途、さらにタイルの種類および用途について説明できる。
11週 防水材料
 アスファルト防水、シート防水、塗膜防水、シーリング材
アスファルト防水、シート防水、塗膜防水など防水材料の種類および用途について説明できる。
12週 塗 料
 水性塗料、油性塗料
塗料の分類、適用可能な素地(塗装可能な材料)について説明できる。
13週 内装材料
 床材、壁材、天井材
カーペット、じゅうたん、フローリング材などの床材、石膏ボード、繊維板などの壁・天井材など内装材料の種類および用途について説明できる。
14週 断熱・防音材料、耐火被覆材料
  
断熱・防音材料、耐火被覆材料の種類および用途について説明できる。
15週 【定期試験】
16週 定期試験の答案返却・解説 講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
後期
3rdQ
1週 建設材料序論 本科目と建設業との関わりについて理解し、説明することができる。
2週 コンクリートの構成材料(1) コンクリートの構成材料(水、セメント、混和材料、骨材)を理解し、説明することができる。
3週 コンクリートの構成材料(2) コンクリートの構成材料(水、セメント、混和材料、骨材)を理解し、説明することができる。
4週 フレッシュコンクリートの性質 フレッシュコンクリートの性質を理解し、説明することができる。
5週 コンクリートの配合設計(示方配合) コンクリートの示方配合を算出することができる。
6週 レディーミクストコンクリートと施工 レディーミクストコンクリートの要求性能とコンクリートの基本的な施工方法をを理解し、説明することができる。
7週 コンクリートの配合設計(現場配合) コンクリートの現場配合を算出することができる。
8週 【中間試験】
4thQ
9週 中間試験の答案返却・解説 講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
10週 特殊な配慮を要するコンクリート 特殊な配慮を要するコンクリート(暑中・寒中など)を理解し、説明することができる。
11週 硬化コンクリートの物理的・力学的性質 硬化コンクリートの物理的・力学的性質を理解し、説明することができる。
12週 コンクリートの耐久性 コンクリートの耐久性に影響する物理的・化学的な劣化機構を理解し、説明することができる。
13週 コンクリート構造物の変状 コンクリート構造物に現れる変状を理解し、説明することができる。
14週 鋼材の種類と力学的性質 鋼材の種類と力学的性質を理解し、説明することができる。
15週 【定期試験】
16週 定期試験の答案返却・解説 講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。4後1
鋼材の種類、形状を説明できる。4後14
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。4後14
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。3後3
各種セメントの特徴、用途を説明できる。4後3
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。4後2
骨材の種類、特徴について、説明できる。4後2
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。4後3
コンクリートの長所、短所について、説明できる。4後1
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。4後10
配合設計の手順を理解し、計算できる。4後5,後7
非破壊試験の基礎を説明できる。3
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。4後4,後6
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。4後11
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。4後12,後13
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。4後10
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。3
構造応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。2後10
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。2
建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。3
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。4
木材の種類について説明できる。4前3
傷(節など)について説明できる。4前3
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。4前4
耐火性について説明できる。4前4
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。4前4
木材の成長と組織形成から、物理的性質の違いについて説明できる。4前3
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。3後3
セメントの種類・特徴について説明できる。4後3
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。4後2
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。4後3
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。4後5
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。4後12
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4後11
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。3後10
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。3
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。4後12,後13
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。4後14
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。4後14
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。4前7
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。4前6
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。4前2,後1,後14
石材の種類・性質について説明できる。4前5
石材の使用方法について説明できる。4前5
屋根材(例えば和瓦、洋瓦、金属、アスファルト系など)の特徴をあげることができる。3前11
タイルの種類、特徴をあげることができる。4前10
ガラスの製法、種類をあげることができる。4前10
塗料の種類に応じた下地、使用環境などの適合性について説明できる。4前12
下地材の種類(例えば繊維板、パーティクルボード、石こうボードなど)をあげることができる。4前13
床の仕上げ材料(カーペット、フローリング、レベリング、長尺シート等)をあげることができる。4前13
内装材料(壁・天井)として(モルタル、しっくい、クロス、珪藻土、合板、ボードなど)をあげることができる。4前13
施工・法規継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。1後13

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00