構造力学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 構造力学I
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 「構造力学」 監修:PEL編集委員会 編著:岩坪要 実教出版
担当教員 岩坪 要

到達目標

1.力の合成・分解ができる。
2.自由物体の釣り合い式が立てられる。
3.構造物の支点反力を求めることができる。
4.構造物の断面力の計算が出来る。
5.静定トラスの部材力の計算が出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.力の合成・分解ができる。複数の力のベクトル表示から,力の合成・分解ができる。ある点に作用する力のベクトル表示が出来る。作用している力のベクトル表示ができない。
2.自由物体の釣り合い式が立てられる。様々な構造形式の自由物体図からつり合い式を立てられる。単純はりの自由物体図からつり合い式が立てられない。自由物体図が立てられない。
3.構造物の支点反力を求めることができる。様々な構造形式の支点反力を求めることが出来る。単純はりの支点反力が求められる。支点反力の計算ができない。
4.構造物の断面力の計算が出来る。断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)の式からそれぞれの断面力図を書くことができる。断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)のつり合い式が立てられる。断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)が分からない。
5.静定トラスの部材力の計算が出来る。節点法と断面法を使い分けて部材力の計算ができる。節点法により部材力の計算ができる。トラスの自由物体図がかけない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各種構造物の設計には,外力(荷重)に対して構造物がどのように抵抗するかなど,基礎的な力学の知識が必要になる。構造力学では,このような実構造物の設計に必要となる自由物体の力の釣り合いを中心に,静力学の基礎事項について学ぶ。
授業の進め方・方法:
構造物に働く力の作用を思い描けるように,実際の構造物の挙動や設計と関連付けながら,構造物に作用する外力の扱いや静定構造物における反力,断面力について講義する。力の合成,自由物体を切り出し見えない力のベクトル表示,力の釣合いの理解を中心に,演習等を通して自力で問題を解く力を養い,目に見えない力の作用について深く理解する。
注意点:
・毎日の復習を欠かさないこと。
・練習問題は必ず取り組むこと

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義ガイダンス,構造力学と構造物と構造設計 科目の目的が理解できる。構造物の種類を覚える。
2週 力の合成と分解,力の釣り合い式 力のベクトル表記の意味が分かる
3週 力の合成と分解,力の釣り合い式 力の合成,分解が出来る
4週 力の合成と分解,力の釣り合い式 力の合成,分解が出来る
5週 構造物を支える力(支点反力) 支点と反力が理解できる
6週 構造物を支える力(支点反力) 支点反力の計算が出来る
7週 構造物を支える力(支点反力) 支点反力の計算が出来る
8週 中間試験 これまでの内容について試験で確認する
4thQ
9週 構造物内部に作用する力(断面力) 断面力が理解できる
10週 構造物内部に作用する力(断面力) 断面力の計算が出来る
11週 構造物内部に作用する力(断面力) 断面力の計算が出来,各図がかける
12週 構造物内部に作用する力(断面力) 断面力の計算が出来,各図がかける
13週 静定トラス トラスの部材力が理解できる
14週 静定トラス 節点法で計算できる
15週 学年末試験 中間試験以降の内容について確認する
16週 期末試験の返却と講義のまとめ 答案返却とまとめをする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3後2,後3,後4
力の合成と分解をすることができる。3後2,後3,後4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3後2,後3,後4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。2後9,後10,後11,後12
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。2後13,後14
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。2後13,後14
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。2後9,後10,後11,後12
建築系分野構造建築構造の成り立ちを説明できる。1後1
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。1後1
力の定義、単位、成分について説明できる。2後2,後3,後4
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。2後3,後4
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。2後5,後6,後7,後9
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。2後9,後10,後12,後13,後14
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。2後13,後14
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。2後5,後6
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。2後9,後10,後11,後12
ラーメンやその種類について説明できる。2後5,後6,後7
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。2後9,後10,後11,後12
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。1後5,後6,後7
設計・製図ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。2
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。2
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。2
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。2
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。2
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。2
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。2
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。3

評価割合

試験その他合計
総合評価割合1000100
基礎的能力30030
専門的能力70070
分野横断的能力000