数学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 数学II
科目番号 0042 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 6
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 6
教科書/教材 [微積]LIBRARY 工学基礎&高専TEXT 微分積分 数理工学社 [ベクトル]LIBRARY 工学基礎&高専TEXT 基礎数学 及び 線形代数 数理工学社
担当教員 小鉢 暢夫,濵田 さやか,磯谷 政志

到達目標

[微  積]
1.基本的な数列の一般項や部分和に関する基本的な問題が解ける。また、無限数列の極限および和に関する基本的な問題が解ける。
  (項目)等差数列/等比数列/いろいろな数列の和/無限数列の極限/無限数列の和
2.関数の極限および微分に関する簡単な計算ができる。また、増減と極値を調べて基本的な関数が表すグラフをかくことができる。
  (項目)関数の極限/導関数の計算/接線/関数の極大極小/積と商の導関数/合成関数の導関数
3.いろいろな関数の導関数に関する基本的な問題が解ける。
  (項目)対数関数の導関数/指数関数の導関数/三角関数の導関数/逆三角関数の導関数
4.不定積分および定積分に関する基本的な問題が解ける。
  (項目)定積分/置換積分法/部分積分法/不定積分
[ベクトル]
1.点と直線における簡単な問題を解くことができる。
  (項目)内分点/距離の公式/直線の方程式/円
2.2次曲線、不等式の表す領域に関する基本的な性質について取り扱うことができる。また、平面ベクトルの簡単な計算ができる。
  (項目)2次曲線(楕円・双曲線・放物線)/不等式の表す領域/ベクトルの演算
3.成分表示された平面ベクトルに関する基本的な問題が解ける。
  (項目)平面ベクトルの成分と計算/直線の方程式(方向ベクトル・法線ベクトル)
4.ベクトルの内積に関する簡単な計算ができる。また、空間図形に関する基本的な問題を解くことができる。
  (項目)ベクトルの内積/空間図形(直線・平面・球)の方程式

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 [微積]基本的な数列の一般項や部分和に関する基本的な問題が解ける。また、無限数列の極限および和に関する基本的な問題が解ける。 [ベクトル]点と直線における簡単な問題を解くことができる。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
評価項目2 [微積]いろいろな関数の導関数に関する基本的な問題が解ける。 [ベクトル]2次曲線、不等式の表す領域に関する基本的な性質について取り扱うことができる。また、平面ベクトルの簡単な計算ができる。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
評価項目3 [微積]いろいろな関数の導関数に関する基本的な問題が解ける。 [ベクトル]成分表示された平面ベクトルに関する基本的な問題が解ける。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
評価項目4 [微積]いろいろな関数の導関数に関する基本的な問題が解ける。 [ベクトル]ベクトルの内積に関する簡単な計算ができる。また、空間図形に関する基本的な問題を解くことができる。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
[微   積]本科目は、数列、極限、1変数の基本的な微分積分を取り扱い、数学Ⅰで学んだ知識全般を基礎としている。また、数学Ⅲ(3年)で学ぶ微分積分さらには多変数の微分積分学(4年)を学ぶための基礎となる。
[ベクトル]本科目は、直線、2次曲線、不等式の表す領域、そして平面および空間のベクトルについて取り扱い、数学Ⅰで学んだ知識全般を基礎としている。また、数学Ⅲ(3年)で学ぶ行列・1次変換と行列式と行列の応用(4年)の基礎にあたる科目である。
授業の進め方・方法:
(授業方針)本講義は教科書を中心に進め、次の達成目標に関する解説と演習を行う。また、適宜授業内容を確認するための試験を実施する。[微積]では、数列および極限を導入とし、微分積分における基本的な知識の修得と簡単な計算ができるようになることを目標とする。また、直線と円についても学ぶ。[ベクトル]では、2次曲線、不等式の表す領域、図形の性質、平面および空間のベクトルにおける基本的な知識の修得と簡単な計算ができるようになることを目標とする。
(評価方法)4回の定期試験の成績(80%)と、適宜実施する小テストまたは課題レポートの成績(20%)によって目標項目の達成度を評価する。尚、数学Ⅱ(微積)の成績と数学Ⅱ(ベクトル)の成績を2:1の比で算出したものを数学Ⅱの成績とする。評価の低い学生に対しては、再評価を行うこともある。
注意点:
(学習方法)講義で取扱った授業内容は、教科書や問題集等を解くことにより復習を行う。また、次回の講義に該当する箇所について、教科書を一読し予習してくる。
(連絡事項)基本問題を何回も正確に解くことが大切です。また、講義や演習に関する質問は、数学科全員で対応しています。放課後を利用し気軽に声をかけてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 [4H]数列/等差数列
[2H]直線上の点の座標
□等差数列の一般項を求める問題
□等差数列の和を求める問題
2週 [4H]等比数列
[2H]平面上の点の座標
□等比数列の一般項を求める問題
□等比数列の和を求める問題
□平面上の2点間の距離を求める問題
□線分を内分する点の座標を求める問題
□三角形の重心を求める問題
3週 [4H]いろいろな数列
[2H]直線の方程式
□総和の記号を用いた問題
□通る点と傾きから直線の方程式を求める問題
□2点を通る直線の方程式を求める問題
4週 [4H]数列の極限
[2H]2直線の関係
□数列の極限の収束・発散に関する問題
□2つの平行な直線に関する問題
□2つの垂直な直線に関する問題
5週 [4H]級数とその和
[2H]円
□級数の収束・発散に関する問題
□等比級数の収束・発散に関する問題
□円の方程式を求める問題
□円の中心の座標と半径を求める問題
6週 [4H]数列の漸化式/数学的帰納法
[2H]円
□漸化式に関する問題
□数学的帰納法に関する問題
□円と直線の関係に関する問題
7週 [4H]関数の収束と発散
[2H]2次曲線
□関数の極限の収束・発散に関する問題
□基本的な楕円を表す方程式から、その概形をかく問題[焦点]
8週 (前期中間試験) 評価項目1
2ndQ
9週 [4H]関数の連続性/平均変化率と微分係数
[2H]2次曲線
□導関数の定義に関する問題
□基本的な双曲線を表す方程式から,その概形をかく問題[焦点,漸近線]
10週 [4H]平均変化率と微分係数/導関数
[2H]2次曲線
□導関数を求める問題[整関数の微分公式]
□基本的な放物線を表す方程式から,その概形をかく問題[焦点,準線]
11週 [4H]合成関数と関数の積の導関数
[2H]2次曲線と直線
□導関数を求める問題[積の微分公式,合成関数の微分公式]
□不等式の表す領域を図示する問題
12週 [4H]関数のグラフの接線/導関数の符号と関数の増減
[2H]不等式の表す領域
□曲線上の点における接線を求める問題
□連立不等式が表す領域を図示する問題
13週 [4H]導関数の符号と関数の増減
[2H]領域における最大値・最小値
□増減表を作成し曲線の概形を描く問題
□領域の最大値・最小値を求める問題
14週 [4H]関数の最大値・最小値/分数関数の導関数
[2H]ベクトルとその演算
□指定された範囲での関数の最大値及び最小値を求める問題
□導関数を求める問題[商の微分公式]
□ベクトルの定義に関する問題
15週 [微積]無理関数の導関数/対数関数の導関数
[ベクトル]ベクトルとその演算
□導関数を求める問題[基本的な微分公式]
□対数を含む関数の導関数を求める問題
□ベクトルの基本的な計算に関する問題(和・差および実数倍)
16週 (前期末試験) 評価項目2
後期
3rdQ
1週 [4H]指数関数の導関数/三角関数の導関数
[2H]点の位置ベクトル
□指数関数,三角関数を含む関数の導関数を求める問題
□位置ベクトルに関する問題(内分)
2週 [4H]逆三角関数の導関数
[2H]座標と距離
□逆三角関数の値を求める問題
□逆三角関数の導関数を求める問題
3週 [4H]微分法の応用II
[2H]ベクトルの成分表示と大きさ
□曲線上の点における接線を求める問題
□ベクトルの成分表示における基本的な計算問題(和・差および実数倍)
4週 [4H]関数の増減と変曲点/関数の最大値・最小値
[2H]ベクトルの成分表示と大きさ
□増減表を作成し曲線の概形を描く問題
□指定された範囲での関数の最大値及び最小値を求める問題
□第2次導関数を計算する問題
□第2次導関数を用い極値を判定する問題
□ベクトルの大きさに関する問題
□増減及び凹凸表を作成して、曲線の概形を描く問題
5週 [4H]微分と近似/いろいろな変化率
[2H]方向ベクトルと直線
□1次近似に関する問題
□2つのベクトルの平行条件に関する問題
6週 [4H]定積分
[2H]方向ベクトルと直線
□区分求積法に関する問題
7週 [4H]定積分の計算と面積
[2H]方向ベクトルと直線
□微分積分学の基本定理に関する問題
□定積分の値を求める問題[基本公式]
8週 (後期中間試験) 評価項目3
4thQ
9週 [4H]定積分の置換積分法
[2H]ベクトルの内積
□定積分の値を求める問題[置換積分法]
□ベクトルの内積を計算する問題
10週 [4H]定積分の部分積分法
[2H]ベクトルの内積
□定積分の値を求める問題[部分積分法]
□2つのベクトルのなす角を求める問題
11週 [4H]いろいろな定積分
[2H]ベクトルの内積
□部分積分法の応用に関する問題
□2つのベクトルの垂直条件に関する問題
12週 [4H]面積/長さ/体積
[2H]直線または平面の方程式
□図形の面積を求める問題
□曲線の長さを求める問題
□図形をx軸のまわりに回転してできる立体の体積を求める問題
□空間座標の直線の方程式を求める問題
13週 [4H]速度と位置/不定積分
[2H]直線または平面の方程式
□不定積分の定義に関する問題
□不定積分を求める問題[基本公式]
□空間座標の平面の方程式を求める問題
14週 [4H]不定積分の置換積分
[ベクトル]直線または平面の方程式
□不定積分を求める問題[置換積分法]
□平面と直線の交点の座標を求める問題
15週 [2H]不定積分の部分積分
[ベクトル]円または球の方程式
□不定積分を求める問題[部分積分法]
□空間座標の球面の方程式を求める問題
□球面の中心の座標と半径を求める問題
16週 (後期末試験) 評価項目4

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2点間の距離を求めることができる。3前2
内分点の座標を求めることができる。3前2
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3前4
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3前5
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3前7,前9,前10
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3前11,前12
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3前1,前2
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3前3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3前4
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3前5
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前14,前15
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3後1,後3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3後9
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3後5,後11
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3後12,後13,後15
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前7
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前9
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前11,前14
合成関数の導関数を求めることができる。3前11
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前15,後1
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3後2
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3前13
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3前14
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3前12,後3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3後4
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後13
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後14,後15
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後6
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後7,後13
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3後12
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3後12
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3後12
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000