概要:
本科目では,材料試験,土質試験,構造実験を行う。力学現象や物理試験などを実際に手掛けて,目で見ることにより,理解を深めることを目的としている。また,実験・試験の結果データを整理し,レポートを作成することで,データ整理の手法や工学的な見地での考察などを学び,工学レポートを作成する訓練を行う。
※実務との関係
全32週のうち、第7週・8週・12週・13週は、室内土質試験を実習形式の授業で行うものである。この講義は企業で室内土質試験に従事していた者が担当する。
授業の進め方・方法:
工学分野では理論を理解した上で,力学現象や数々のデータを分析して,その中から結論を導き出す能力が要求される。本科目は,実際に土質に関する試験や,コンクリート供試体を作成し,強度試験などを行うことで,理論と実現象を結びつけ,関連する専門科目の理解を深めることを目的として行うものである。材料・土質・構造に関する実験を班別で行う。各実験テーマを終了した後にレポート作成に入り,実験データの結果を整理し,レポートを提出して実験が完結する。
注意点:
・実験を行う際は服装に注意する。実習服の上下を着用の上,スリッパ履きなどは禁止する。
・実験機器は丁寧に扱い,準備,後片付けをしっかりすること。
・安全には十分留意し,むやみに実験室にある機材を扱わないこと。
・レポートの提出期限は守り、必ず提出すること。
・質問はいつでも担当教員を尋ねること。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | 前1,後1,後16 |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | 前1,後1 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 前1,後1,後16 |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | 前6,前14,前16,後4,後7,後16 |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | 前6,前14,前16,後4,後7,後16 |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 後5 |
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 後6 |
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5 |
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5 |
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前10,前11,後2,後3 |
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。 | 4 | 前10,前11,後12,後13 |
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前7 |
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前8 |
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前13,前14 |
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前12,前13 |
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 後4,後5 |
建築系分野【実験・実習能力】 | 建築系【実験実習】 | 実験の目的と方法を説明できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。 | 4 | 前10,前11,後2,後3 |
実験結果を整理し、考察できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
実験の目的と方法を説明できる。 | 4 | |
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。 | 4 | 前10,前11,後2,後3 |
実験結果を整理し、考察できる。 | 4 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 2 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 2 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 2 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 2 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 2 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 2 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 2 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 2 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 2 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 2 | |