設計製図IV

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 設計製図IV
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての建築製図(学芸出版社)、建築設計資料集成(日本建築学会編)、「新建築」、「a+u」、「住宅特集」(以上新建築社)、「GA JAPAN」(A.D.A.EDITA Tokyo)ほか
担当教員 川口 彩希,森山 学

到達目標

1. 必要な調査を行い、計画に反映できる。
2. CADによる図面を製図規約等に沿って正確に書くことができる。
3. 図面、CG等を活用し、プレゼンテーションシートを作成できる。
4. 施設の機能、ユニバーサルデザイン、環境や場所への配慮、利用者のアクティビティ等を考慮した豊かな暮らしの場を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1必要な調査を十分に行い、計画に反映できる。十分とは言えないまでも調査を行い、計画に反映できる。調査結果を計画に反映できない。
評価項目2CADによる図面を製図規約等に沿って正確に書くことができる。CADによる図面を製図規約等に沿ってある程度正確に書くことができる。製図規約が理解できていない、またはCADによる作図ができない。
評価項目3図面、CG等を活用し、設計意図を十分に表現した魅力的なプレゼンテーションシートを作成できる。図面、CG等を活用し、プレゼンテーションシートを作成できる。図面、CG等を活用したプレゼンテーションシートを作成できない。
評価項目4施設の設計のポイントを押さえ、機能的なゾーニング、配置計画、動線計画、UD、環境や場所、アクティビティ等を考慮した豊かな暮らしの場を設計できる。施設の設計のポイントを部分的に押さえ、ゾーニング、配置計画、動線計画等について部分的に配慮した設計ができる。施設の設計のポイントを理解できず、ゾーニング、配置計画、動線計画等に配慮した設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
小規模な公共施設の設計を通し、①施設計画上の基礎を理解し、②機能性とともに豊かな生活の場を創造的に発想し、③場所の魅力を引き出し自然環境を活用し配慮すること、ができる設計力を養う。
また計画の過程で、①課題に対する必要な調査、②CAD(Computer Aided Design)による製図やプレゼンテーション、の能力を養う。
授業の進め方・方法:
設計に必要な調査、事例見学を経て、テーマ・コンセプトを発案しつつ、手書きによるエスキスを行う。教員、ティーチングアシスタントがエスキスの指導を行う。
各自のパソコンで製図し、それを提出する。次にCG、プレゼンテーションシートを作成する。
授業の最後に講評会を実施し、優秀作品はクライマックス講評会にクラス代表として選抜される。
注意点:
・授業時間を有効に活用する。深く繊細にいろんな視点から考えるには時間が必要。
・設計力は習うのではなく、主体的に探求することで身につく。
・そこに立つとどう見えるか、そこでどう過ごすか、その時何を感じるか、を想像しながら設計することで設計力が伸びる。
・エスキスは何度も何度も見せてください。自分が考えもしなかったアドバイスをもらい、ハッと気づくことが大切。教員室への来室、teamsによる相談歓迎。
・締切を守ることがとても重要。締切を過ぎると60点満点での評価。
・多目的演習室はきれいに使用すること。特に課外使用後は片付けを徹底すること。
・日ごろの生活の中でたくさん感動すること、その感動の場をどうやって作るか、を常に創造的に発想すること。その積み重ねがとても大切。
・実際の建物や建築系雑誌などで、いい事例を見ましょう。考えながら見ましょう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 課題概要説明 課題の内容について、理解できる。
2週 調査 対象敷地とその周辺を調査し、写真やメモ等の記録をとることができる。
3週 見学 現地調査の内容を視覚的にまとめることができる。課題概要を理解して設計をはじめることがでる。
4週 エスキス 与えられた条件のもと、グループあるいは個人での基本コンセプトや計画を図表を用いてまとめられる。
5週 エスキス 与えられた条件のもと、グループあるいは個人での基本コンセプトや計画を図表を用いてまとめられる。
6週 エスキス 与えられた条件のもと、グループあるいは個人での基本コンセプトや計画を図表を用いてまとめられる。
7週 エスキス 相手に自分の考えをわかりやすい表現を工夫して発表することができる。
8週 最終エスキスチェック
4thQ
9週 製図 手描きやCADを用いての図面作成や3DCADによる三次元表現、模型製作をすることができる。
10週 製図 手描きやCADを用いての図面作成や3DCADによる三次元表現、模型製作をすることができる。
11週 製図 手描きやCADを用いての図面作成や3DCADによる三次元表現、模型製作をすることができる。
12週 モデリング 手描きやCADを用いての図面作成や3DCADによる三次元表現、模型製作をすることができる。
13週 モデリング 手描きやCADを用いての図面作成や3DCADによる三次元表現、模型製作をすることができる。
14週 プレゼンシート プレゼンシートを作成できる。
15週 プレゼンシート プレゼンシートを作成できる。
16週 講評会 相手の提案を理解し,自分の考えで話すことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野製図線と文字の種類を説明できる。3
CADソフトウェアの機能を説明できる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13
図形要素の作成と修正について、説明できる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13
画層の管理を説明できる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13
設計した物をCADソフトで描くことができる。3
建築系分野設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。3
線の描き分け(3種類程度)ができる。3
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。3
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。3
図面の種類別の各種図の配置を理解している。2
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。3
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。3後14
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。3後2,後3,後4,後5,後6
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。3後5,後6,後7
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。3後8,後9,後10,後11,後12,後13
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。3後7,後16
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。2後5,後6,後7
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。3
建築における形態(ものの形)について説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
合意形成のために会話を成立させることができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2後1,後2,後3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2後1,後2,後3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2後1,後2,後3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2後1,後2,後3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2後1,後2,後3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2後1,後2,後3,後4,後16
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後1,後2
複数の情報を整理・構造化できる。3後3,後4
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2後2,後3,後4,後5,後6,後7
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7
事実をもとに論理や考察を展開できる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7,後14,後15

評価割合

調査・コンセプト正確さプレゼンシート計画内容合計
総合評価割合201010600100
基礎的能力000000
専門的能力10101060090
分野横断的能力10000010