構造力学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 構造力学II
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 PEL「構造力学」 監修:PEL編集委員会 編著:岩坪 要  実教出版
担当教員 岩坪 要

到達目標

1.静定構造物に外力が作用した場合の断面力図(N図,Q図,M図)を書くことができる.
2.部材断面に作用する応力度が算定できる.
3.断面性能の計算(図心の算定,断面2次モーメント)ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 静定構造物に外力が作用した場合の断面力図(N図,Q図,M図)を書くことができる.様々な制定構造物の断面力図を書くことができる.静定ラーメン構造物の断面力図を書くことができる.外力が作用する静定構造物の断面力図を書くことができない.
評価項目2 フックの法則を理解し,部材断面に作用する応力度の計算ができる.断面力図から各部材の最大応力度の計算ができる.部材力からフックの法則を用いて応力とひずみの計算ができる.フックの法則が理解できずに,応力とひずみに関する計算ができない.
評価項目3 断面性能の計算(図心の算定,断面2次モーメント)ができる.様々な断面形状について,図心と断面2次モーメントの計算ができる.代表的な断面の図心と断面2次モーメントの計算ができる.図心や断面2次モーメントの計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造力学では,構造物の設計に必要な静力学の基礎の修得を目的としている。構造力学Ⅱでは,ラーメン構造物の断面力の計算,部材断面の断面性能の計算,フックの法則による応力度の計算を学習する。
授業の進め方・方法:
講義では,理論・考え方の説明をしたのち,解法の説明を行う。その後は練習問題に取り組むことで定着を目指す。解き方と同時に,実際の構造物の変形状態などをイメージしながら学習をすること。
注意点:
〇自学について
授業以外の部分で,日々の学修に取り組むこと。必ず手を動かして勉強するように。
(事前学習)
前回の講義内容や計算手順を復習しておくこと。構造力学は図化と計算が重要。考え方に一貫性がある。
(事後学習)
授業の中で取り組んだ練習問題などを再度ノートを見ずに解くこと。また空き時間に練習問題に取り組むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本科目の位置付けを理解できる
2週 はりの断面力やトラスの部材力を求める(復習) 梁の断面力を求めることができる
3週 ラ-メンの断面力を求める ラーメンやその種類について理解している
4週 ラーメンのN図、Q図、M図を描く ラーメンのN図、Q図、M図がかける
5週 材料の性質・応力とひずみ 材料の性質・応力とひずみ
6週 フックの法則 フックの法則が理解できる
7週 フックの法則と変形 材料の性質・応力とひずみ・フックの法則が理解できる
8週 〔前期中間試験〕 これまでの確認試験を行う
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
断面性能とは?
試験の返却と解説,及び次のテーマへの導入
断面性能の概説と重要なポイントを説明する。
10週 断面1次モ-メントと図心 断面1次モ-メントと図心が計算できる
11週 断面2次モ-メント 断面2次モ-メントが計算できる
12週 曲げ応力度の導入と算定 曲げ変形と応力度について,理論上の説明を行う
曲げ応力度の計算の説明をする。
13週 内部応力度(曲げ応力度,せん断応力度,主応力度)を学ぶ 内部応力度の計算ができる
14週 荷重が作用している梁の断面の応力分布図 断面に作用する応力分布が書ける
15週 〔前期定期試験〕 前期中間試験以降の確認試験を行う。
16週 試験返却と解説,まとめ 試験の返却と解説を行う。
構造力学Ⅲへの継承の説明をする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前10,前11
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4前10,前11,前12,前13
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4前3,前12,前13
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。3
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。3
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。3前4,前5
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3前6,前7,前9
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。3前6,前7,前10,前12,前13
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4前12
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。4前1
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。4前1
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前10,前11,前12
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。4前10,前11,前12
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。4前6,前7,前11,前12
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4前6,前7,前11,前12,前13,前14,前15
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。4前6,前7,前11,前12,前14,前15
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。4前1
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。4
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。4前2
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。4前3,前12
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。4
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。3
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。4前2
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3前11
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。3前11
ラーメンやその種類について説明できる。4前4,前5
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。4前5
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。2
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。2
曲げ材の設計の計算ができる。2

評価割合

前期中間試験前期定期試験合計
総合評価割合5050100
専門的能力5050100