設計製図III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 設計製図III
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての建築製図(学芸出版社)、建築設計資料集成(日本建築学会編)、「新建築」、「a+u」、「住宅特集」(以上新建築社)、「GA JAPAN」(A.D.A.EDITA Tokyo)ほか
担当教員 冨久 亜以

到達目標

1. グループワークで発言したり他人の意見を聞いたりしながら、テーマやコンセプトについて論理的に意見を集約することができる。
2. CADによる図面を製図規約等に沿って正確に書くことができる。
3. 図面、CG、模型等を活用し、プレゼンテーションシートを作成できる。
4. 施設の機能、ユニバーサルデザイン、利用者のアクティビティ等を考慮した設計ができる。
5. 様々な視点から地域や世の中の課題や問題に目を向け、それについて自分なりの考えを持つことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1グループワークで発言したり他人の意見を聞いたりしながら、テーマやコンセプトについて論理的に意見を集約することができる。グループワークで発言したり他人の意見を聞いたりしながら、テーマやコンセプトについて論理的に意見をまとめることができる。グループワークで発言したり他人の意見を聞くことができなかったり、自分の意見に固執し、テーマやコンセプトについて論理的に意見を集約することができない。
評価項目2製図規約・製図記号を的確に活用し,様々な表現を用いることができる。製図規約・製図記号を的確に活用し図面を書くことができる。製図規約・製図記号が理解できず、建築図面としての表現ができない。
評価項目3設計意図を十分に反映した図面、CG、模型等を作成することができ、それらを活用した魅力的なプレゼンテーションシートを作成することができる。図面、CG、模型等を作成することができ、それらを活用したプレゼンテーションシートを作成することができる。図面、CG、模型等を作成することができず、プレゼンテーションシートを作成できない。
評価項目4施設の設計のポイントを押さえ、機能的なゾーニング、配置計画、動線計画、UD、周辺環境などを考慮した設計ができる。施設の設計のポイントを部分的に押さえ、ゾーニング、配置計画、動線計画等について部分的に配慮した設計ができる。施設の設計のポイントを理解できず、ゾーニング、配置計画、動線計画等に配慮した設計ができない。
評価項目5地域や世の中の問題について理解し、自分の考えを持っている。地域や世の中の問題について理解している。地域や世の中の問題について理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 4-4 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
設計製図Ⅲでは、1-2年時に習得した設計技術をもとに小中規模施設の設計を行う。
グループワークにより、テーマに関する問題点を把握し、関連情報を収集し、コンセプトを設定し解決方法を探って行くといったPBL(Problem Based Learning)の一連のプロセスを体験する。グループワークの手法は4-5年時の建築設計演習でより深める。設計は個人で行う。製図はCAD演習で修得したCAD(Computer Aided Design)、CGにより行う。プレゼンテーションシートの作成では各自、各種プレゼンテーションソフトにチャレンジする。
授業の進め方・方法:
グループワークでは、教員が指導し、フィールドワーク、ブレインストーミング、KJ法などを実施する。設計では教員がエスキスチェックを通して設計上の考え方や手法を教授する。製図は各自のパソコンでCADやプレゼンテーションソフトを使用して行う。
デザイン分野で多用されるプレゼンテーションソフトを紹介し、必要に応じてソフトの使用方法やプレ全テーションシート作成の基礎的な技術を教授する。最後に講評会を実施する。優秀作品はクライマックス講評会に出場するとともに、学内外で展示する。
注意点:
・ より高いレベルを達成するためには授業時間を有効に使う必要がある。
・グループワークでは積極的な発言、メンバーの意見の尊重、よりよいワークとなるためのファシリテーターとしての意識をもつこと、を念頭に取り組む。
・ デザインをしていく際には、事例を参考にしながら発想を展開していくことも有効な手法であり、雑誌等で日常的に刺激を受けることが重要である。
・ 質問やエスキスチェックなどでの来室+teamsなどのオンラインでの相談を歓迎する。
・ 建築雑誌や作品集等を普段から読む習慣を身につけること。
・ 身近な建築物を見学すること。これまで意識して見ていなかった建築物も学んだことを参考にしながら意識的に見ることで発見がある。
・ そこに立つとどう見えるか、人がそこでどういう過ごし方をするか、その時何を感じるか、を想像し検討しながら設計することで設計力が大きく伸びる。
・ 設計力は習うことで身につくのではなく、主体的に探求することで身につく。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス ( 授業内容・スケジュール・達成目標 等)
導入
達成目標について理解している。
2週 グループワーク(敷地調査) 現地の状況、問題を把握する。
3週 グループワーク メンバーの発表を聞き、意見交換が行える。
4週 個人作業(エスキス) 設計課題に即したエスキスを行うことができる。
5週 個人作業(エスキス) 設計課題に即したエスキスを行うことができる。
6週 個人作業(エスキス) 設計課題に即したエスキスを行うことができる。
7週 個人作業(エスキス) 設計課題に即したエスキスを行うことができる。
8週 個人作業(図面提出) 設計課題に即したエスキスを行うことができる。
2ndQ
9週 個人作業(製図) 自分の計画案についてプレゼン資料(図面・パース・模型)を作成できる。
10週 個人作業(製図) 自分の計画案についてプレゼン資料(図面・パース・模型)を作成できる。
11週 個人作業(製図、CGなど) 自分の計画案についてプレゼン資料(図面・パース・模型)を作成できる。
12週 個人作業(製図、CGなど) 自分の計画案についてプレゼン資料(図面・パース・模型)を作成できる。
13週 個人作業(製図、CG、プレゼンテーションシートなど) 自分の計画案についてプレゼン資料(図面・パース・模型)を作成できる。
14週 個人作業(製図、CG、プレゼンテーションシートなど) 自分の計画案についてプレゼン資料(図面・パース・模型)を作成できる。
15週 (定期試験期間)
16週 講評会 プレゼンテーションができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野製図線と文字の種類を説明できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
CADソフトウェアの機能を説明できる。3
図形要素の作成と修正について、説明できる。3
画層の管理を説明できる。3
建築系分野設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
線の描き分け(3種類程度)ができる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
図面の種類別の各種図の配置を理解している。2前8,前9,前10,前11,前12,前13
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。3前11,前12,前13
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。3前9,前10,前11,前12,前13
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。3前11,前12,前13
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。3前1,前3,前4,前5,前6,前7
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。3前5,前6,前7
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。3前11,前12,前13
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。3前15
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。2前5,前6,前7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3前3,前4
合意形成のために会話を成立させることができる。3前3,前4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前3,前4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前1,前2,前3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前1,前2,前3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前1,前2,前3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前13,前14,前15,前16
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2
複数の情報を整理・構造化できる。3前3,前4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2前3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前13,前14,前15,前16

評価割合

調査・コンセプト計画・図面プレゼンテーションシート合計
総合評価割合2060200100
基礎的能力00000
専門的能力156020095
分野横断的能力50005