地形情報処理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 地形情報処理
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 PDFやPPT等で資料を配布します。
担当教員 脇中 康太

到達目標

1.緯度経度高度で指定された場所を電子地図で表示でき、また、電子地図から緯度・経度・高度を求めることができる。
2.同一地点の座標値を異なる座標系で表記するために、数値計算で導出できる。
3.GISを利用して、デジタル地図上に記号や図形等を描画することができる。
4.GPSの測位原理を説明でき、GPS測位での誤差要因について説明できる。
5.写真測量の原理を説明できる。
6.リモートセンシングの原理を説明でき、データを加工できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.緯度経度高度で指定された場所を電子地図で表示でき、また、電子地図から緯度・経度・高度を求めることができる。指定された緯度経度高度を電子地図で表示でき、電子地図から緯度経度高度を求めることができる。電子地図で指定された場所の緯度経度高度を求めることができる。電子地図を用いて緯度経度高度を求めることができない。
2.同一地点の座標値を異なる座標系で表記するために、数値計算で導出できる。座標系の変換式をExcelシートに記述することができ、任意の地点の座標系を変換するための計算式をつくることができる。任意の地点の緯度経度と高さから、Excelシートを使って、世界測地図のXYZ値を求めることができる。世界測地系と地球の重心と地軸の関係を説明できない。
3.GISを利用して、デジタル地図上に記号や図形等を描画することができる。Google Earth上に、住所リストから任意の記号や説明文を記すことができる。建築構造物などを描くことができる。Google EarthなどのGISツールをつかって、任意の地点の位置、2点間の距離や面積を算出することができる。Google Earthを使って任意の位置の緯度経度を調べることができない。
4.GPSの測位原理を説明でき、GPS測位での誤差要因について説明できる。GNSSの仕組みとGNSS測量を説明できる単独測位に加え、相対測位に必要な情報を全て挙げることができる単独測位の測位に必要な情報を全て挙げることができない
5.写真測量の原理を説明できる。空中写真測量に必要な機器と、画像の座標変換について説明できるステレオ写真から距離を求めることができる写真測量を説明できない
6.リモートセンシングの原理を説明でき、データを加工できる。リモートセンシングデータから緑地を抽出できるリモートセンシングの原理を説明できるリモートセンシングを説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 この科目では、GIS(Geographic Information System)や、人工衛星を用いた位置計測システムであるGPS(Global Positioning System)や、写真測量やリモートセンシングについて学びます。コンピューター上で位置情報を利用するために必要な知識を身に着けましょう。
※実務との関係
この科目は企業で測量・設計業務を担当していた教員が、その経験を活かし、地形情報処理測量について授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
 地図とその取り扱い方を学び、GISに関する基本的な技術や法律を扱う。また、GPSによる測位と写真測量による測量技術およびリモートセンシングによるGIS情報の利用方法を扱う。講義と並行してパソコンを使った確認作業を行う。なお、本講義では各ソフトウェアを利用した演習を行う。
注意点:
 演習課題は他人のデータを真似したり、データコピーせず、自身で取り組むようにしましょう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 地形情報処理ガイダンス (GISとGPS/GNSS)、地図の分類と地図の歴史 科目ガイダンス。地図の分類と地図の歴史について学ぶ。
2週 地球の形と地球上の高さ、測量で使う座標系の変換 準拠楕円体、ジオイド、標高、ジオイド高などの言葉の意味を理解する。地図などに使われる座標系の違いと誓い方を学ぶ。
3週 GISソフトウェアを使った演習1-1(地理院地図) GISソフトウェアの使い方を知る。
4週 GISソフトウェアを使った演習1-2(地理院地図) GISソフトウェアの使い方を知る。
5週 GISソフトウェアを使った演習2-1(Google Earth) GISソフトウェアの使い方を知る。
6週 GISソフトウェアを使った演習2-2(Google Earth) GISソフトウェアの使い方を知る。
7週 GISソフトウェアを使った演習2-3(Google Earth) GISソフトウェアの使い方を知る。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説 講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
10週 写真測量 空中写真測量に必要な機器、画像の座標変換について学ぶ。
11週 GPSの基本原理 測距信号と測位計算の原理を学ぶ。測位誤差を及ぼす原因と大きさを学ぶ。
12週 GNSS(GPS以外を含む衛生測位) GNSSとDOPについて学ぶ。
13週 測位計算演習 測位計算について演習を行う。
14週 リモートセンシング リモートセンシングの原理について学ぶ。
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説 講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量光波・電波による距離測量を説明できる。3前2,前3,前4
写真測量の原理や方法について、説明できる。3前2,前3,前4
GNSS測量の原理を説明できる。4前10,前11,前13,前14
水理河川の分類と流域について、説明できる。1前5
製図CADソフトウェアの機能を説明できる。3
図形要素の作成と修正について、説明できる。3
画層の管理を説明できる。3
建築系分野環境・設備建設地と太陽位置について説明できる。1前7
設計・製図ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。3前5,前6,前7
分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】建築生産で利用されている測量(例えば、レベル、トランシット、トータルステーション、GPS測量など)について機器の取り扱いができる。3前11,前12,前13,前14
測量の結果を整理できる。3前11,前12,前13,前14

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力2525000050
専門的能力2525000050
分野横断的能力0000000