リベラルアーツ実践 II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 リベラルアーツ実践 II
科目番号 0070 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 特に指定しない。適宜配布する。
担当教員 池田 翼,川尾 勇達,宇ノ木 寛文,岩尾 航希,遠山 隆淑

到達目標

①一般科目・専門科目の複数の分野に渡る知識を総合し、問題解決に向けた方策を検討することができる。
②社会協働やグループ活動・ディスカッションで求められるコミュニケーションスキルの基礎を身に着けたうえで、自分の特性を発揮することができる。
③批判的思考(クリティカル・シンキング)と分析的思考について理解し,自分の問題に置き換えて応用することができる。また、そのような思考に基づいた文章作成ができる。
④分野横断的能力(リテラシー・コンピテンシー)に関する自分の特性の経年的変化を把握することができ、その開発に向けて目標を立てることができる。
⑤リーダーシップ・チームワークを発揮しながら問題解決に向けたソリューションを提案し、試行的に実践することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①知識の統合と問題解決に向けての方策検討問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,さまざまな知識,情報を統合的に活用し,より質の高い成果に貢献することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,さまざまな知識や情報を統合して問題解決に取り組んだ自分の活動状況を点検することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークの中で,知識や情報の統合などを試みることができない。
②コミュニケーションスキルの自覚と発現問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,チーム内またはチーム外の人と良好な関係を構築し,より質の高い成果に貢献することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,自分の特性に応じたコミュニケーションスキルを発揮した活動状況や,自分に必要とされるコミュニケーションスキルを点検することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,自分の特性に応じたコミュニケーションスキルの発揮を試みることができない。もしくは自分に必要とされるコミュニケーションスキルを自覚できない。
③批判的・分析的思考の応用とそれに基づいた表現問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,批判的思考・分析的思考などのスキルを活かし,より質の高い成果に貢献することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,批判的思考,分析的思考などのスキルを発揮した活動状況などを点検することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,批判的思考,分析的思考などのスキルの発揮を試みることができない。
④分野横断能力の自己分析と目標の立案問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,自分の特性や強みを発揮し,より質の高い成果に貢献することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,自分の特性や強みを発揮した活動状況について点検することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,自分の特性や強みの発揮を試みることができない。
⑤リーダーシップ・チームワークの発揮とソリューションの提案および実践問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,チームの活動を活性化させ,より質の高い成果に貢献することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,チームの活動を活性化させるための自分の活動状況などを点検することができる。問題解決,課題達成を目指すグループワークなどを通して,チームの活動成果を活性化させる,あるいは成果の質を高めるために関わることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「リベラルアーツ」関連科目においては、答えが与えられていない問いに対して、新たな解を探求する力を育成する。そのためには、アカデミックスキルやジェネリックスキルに関する知識を有している必要があり、また、必要な情報を組み合わせて利活用する能力、ものごとを分析して論理的・批判的に考察する能力、解を得る過程や解を共有する際に必要な表現力・協働力・コミュニケーション力が求められる。下位科目の「リベラルアーツ実践Ⅰ」まででは、以上の能力に関する理解を深め、それらを伸長させるための体験学習を実施してきている。本科目では2年生までに獲得してきた知識・スキルをベースに、実際に問題解決に取り組む。
授業の進め方・方法:
基本的に、グループによるPBL活動を行う。各グループで設定したテーマに基づき、問題解決に向けたソリューションを提案・実装することを最終目的とする。グループごとに毎週ディスカッションやソリューションの検討、実装の準備を進め、授業の中間時点では中間発表、終了時点では最終成果プレゼンを実施し、その成果を確認する。4~5グループあたりに1人の教員がアドバイザーを担当し、進行状況や検討内容について相談に乗る。必要に応じて、上級生メンターにもアドバイザーを担当してもらう。毎週の活動については、「活動実施報告書」をグループ担当教員に提出することによって確認する。
注意点:
学生諸君の主体的な活動を前提とした科目です。難しく考えずに積極的な授業参加をお願いします。

成績については、下記三点の成果物をもとに評価します。いずれも提出にあたっては、毎回の活動を反省的に振り返り記録しておく必要があります。日頃の取り組みを疎かにしないようにしてください。
①グループでPBLの「実践成果」(グループごとに評価)
②グループでの活動を反省的に振り返るための「振り返り報告書―グループ版―」(グループごとに評価)
③自分自身の活動状況について振り返り、行動の分析や自身の課題設定についてまとめた「振り返り報告書―個人版―」(個人を評価)

以上について、各成果物をS~Cランクにて評価のうえ、総合成績を判定します。
また、日々の活動状況については「活動状況報告」を提出してもらいます。これは直接成績評価に影響しませんが、適切に提出されていなければ成績評価の対象になりません。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自分の分野横断能力(生きる力)を見極め、プランニングを行う 2年次までの自己点検結果を照査し、自分自身の変化を振り返る。また、今後の自己開発に向けて具体的なプランを立てる。
2週 PBL学習に向けたテーマ設定とグループ割り 最終的に実装を目指すPBL学習のテーマを各自設定する。また、協働で検討を進めていくグループを割り振る。
3週 「わたしたちのソリューション」検討① グループごとに、実践Ⅰまでで身につけた知識・スキルを活用しながら検討を進める。また、分野横断能力開発のプランを意識した行動を目標にしながら協働作業に参画する。
4週 「わたしたちのソリューション」検討②
5週 「わたしたちのソリューション」検討③
6週 「わたしたちのソリューション」検討④
7週 「わたしたちのソリューション」検討⑤
8週 中間発表 これまでの検討内容を発表し、意見交換を行う。
2ndQ
9週 実装を目指したソリューション実践① 検討を行ったソリューションについて、実装を目指した作業を行う。順次、実装を試行する。
10週 実装を目指したソリューション実践②
11週 実装を目指したソリューション実践③
12週 実装を目指したソリューション実践④
13週 実装を目指したソリューション実践⑤
14週 最終成果発表会① ソリューションの実装について報告会を実施する。
15週 最終成果発表会②
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合020003050100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力020003050100