設計製図III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 設計製図III
科目番号 0085 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての建築製図(学芸出版社)、建築設計資料集成(日本建築学会編)、「新建築」、「a+u」、「住宅特集」(以上新建築社)、「GA JAPAN」(A.D.A.EDITA Tokyo)ほか
担当教員 吉海 雄大

到達目標

1. グループワークで発言したり他人の意見を聞いたりしながら、テーマやコンセプトについて論理的に意見を集約することができる。
2. 手書き及びCADによる図面を製図規約等に沿って正確に書くことができる。
3. 図面、模型、CG等を活用し、プレゼンテーションシートを作成できる。
4. 施設の機能、ユニバーサルデザイン、利用者のアクティビティ等を考慮した設計ができる。
5. 口頭発表にて他者に構想を適切に表現できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1グループワークで発言したり他人の意見を聞いたりしながら、テーマやコンセプトについて論理的に意見を集約することができる。グループワークで発言したり他人の意見を聞いたりしながら、テーマやコンセプトについて論理的に意見をまとめることができる。グループワークで発言したり他人の意見を聞くことができなかったり、自分の意見に固執し、テーマやコンセプトについて論理的に意見を集約することができない。
評価項目2製図規約・製図記号を的確に活用し,様々な表現を用いることができる。製図規約・製図記号を的確に活用し図面を書くことができる。製図規約・製図記号が理解できず、建築図面としての表現ができない。
評価項目3設計意図を十分に反映した図面、模型、CG等を作成することができ、それらを活用した魅力的なプレゼンテーションシートを作成することができる。図面、模型、CG等を作成することができ、それらを活用したプレゼンテーションシートを作成することができる。図面、模型、CG等を作成することができず、プレゼンテーションシートを作成できない。
評価項目4施設の設計のポイントを押さえ、機能的なゾーニング、配置計画、動線計画、UD、周辺環境などを考慮した設計ができる。施設の設計のポイントを部分的に押さえ、ゾーニング、配置計画、動線計画等について部分的に配慮した設計ができる。施設の設計のポイントを理解できず、ゾーニング、配置計画、動線計画等に配慮した設計ができない。
評価項目5設計意図が伝わる口頭発表をし、質疑応答ができる。口頭発表をすることができる。口頭発表青することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年次の設計製図の主要テーマは次の3点である。
① 手書きの図面の完成度を向上させること。
② CAD(Computer Aided Design)による製図やプレゼンテーション手法の技術を向上させること。
③ グループワークを通して、テーマに関する問題点を把握し、関連情報を収集し、コンセプトを設定し解決方法を探って行くといったPBL(Problem Based Learning)の一連のプロセスに必要な基本的な力を身につけること。
授業の進め方・方法:
設計製図Ⅲはユニットワーク(2人組)による2年次の成果物のレビュー(批評・評価)から始める。レビューを行った後,2年次に取り組んだ敷地+αの与条件含んだ再設計に取り組む。設計製図Ⅲでは、CADやプレゼンテーション技術を向上を目的とし,手描きに加えてCADやプレゼンテーションソフトなどを積極的に扱い、より高度な計画・設計・表現を目指す。
注意点:
・ より高いレベルを達成するためには授業時間だけでは時間不足である。放課後や家庭・寮での時間を有効に使う必要がある。
・ デザインをしていく際には、事例を参考にしながら発想を展開していくことも有効な手法であり、雑誌等で日常的に刺激を受けることが重要である。
・ 授業時間内は集中して課題に取組むこと。
・ 質問やエスキスチェックなどでの来室(可能な限り)+teamsなどのオンラインでの相談を歓迎する。
・ 建築雑誌や作品集等を普段から読む習慣を身につけること。
・ 身近な建築物を見学すること。これまで意識して見ていなかった建築物も学んだことを参考にしながら意識的に見ることで発見がある。
・ そこに立つとどう見えるか、人がそこでどういう過ごし方をするか、その時何を感じるか、を想像し検討しながら設計することで設計力が大きく伸びる。
・ 設計力は習うことで身につくのではなく、主体的に探求することで身につく。
・ (学内での演習が可能になったら)多目的演習室はきれいに使用すること。特に課外使用後は片付け、清掃を徹底すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス ( 授業内容 / ユニット設計について ) + グループ編成 ユニットワークについて理解し,ユニットを編成することができる。
2週 ユニットワーク(1):図面読み取り/模型作成 メンバー作品の図面を読み取り,立体的に表現することができる。
3週 ユニットワーク(2):図面読み取り/模型作成 メンバー作品の図面を読み取り,立体的に表現することができる。
4週 ユニットワーク(3):図面読み取り/模型作成 メンバー作品の図面を読み取り,立体的に表現することができる。
5週 ユニットワーク(4):図面読み取り/模型作成 メンバー作品の図面を読み取り,立体的に表現することができる。
6週 ユニットワーク(5):作品レビュー/ブラッシュアップ提案 メンバーの作品を講評し,具体的な改善案を指摘することができる。
7週 ユニットワーク(6):作品レビュー/ブラッシュアップ提案 メンバーの作品を講評し,具体的な改善案を指摘することができる。
8週 定期試験
2ndQ
9週 ユニットワーク(7):ユニット設計(1) ユニットで改善案を加味した提案を進め,改訂案を計画・設計することができる。
10週 ユニットワーク(8):ユニット設計(2) ユニットで改善案を加味した提案を進め,改訂案を計画・設計することができる。
11週 ユニットワーク(9):ユニット設計(3) ユニットで改善案を加味した提案を進め,改訂案を計画・設計することができる。
12週 ユニットワーク(10):ユニット設計(4) ユニットで改善案を加味した提案を進め,改訂案を計画・設計することができる。
13週 製図 設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。
14週 製図 設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。
15週 定期試験
16週 講評会 講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野製図線と文字の種類を説明できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
CADソフトウェアの機能を説明できる。3
図形要素の作成と修正について、説明できる。3
画層の管理を説明できる。3
建築系分野設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
線の描き分け(3種類程度)ができる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
図面の種類別の各種図の配置を理解している。2前8,前9,前10,前11,前12,前13
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。3
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。3
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。3前1,前2,前3,前4,前5
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。3前5,前6,前7
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。3前7,前16
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。2前5,前6,前7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
合意形成のために会話を成立させることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前1,前2,前3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前1,前2,前3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前1,前2,前3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2前1,前2,前3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前1,前2,前3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前1,前2,前3,前4,前14,前16
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前1,前2
複数の情報を整理・構造化できる。3前3,前4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前14,前15

評価割合

調査・コンセプト計画・図面プレゼンテーション発表・グループワーク合計
総合評価割合20402020100
基礎的能力00000
専門的能力1540202095
分野横断的能力50005