建築設計演習II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築設計演習II
科目番号 0092 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通期 週時間数 12
教科書/教材 プリント、建築設計資料集成(日本建築学会編)/「新建築」、「a+u」、「住宅特集」(以上新建築社)、「GA JAPAN」(A.D.A.EDITA Tokyo)ほか
担当教員 勝野 幸司,森山 学,川口 彩希

到達目標

1.グループ内で自分の役割を認識し、スケジュールに従って作業を推進できる。
2.地域住民とのコミュニケーションや実測調査により必要な情報を得て、調査結果から問題点を発見し、設計条件を整理することができる。
3.論理的で魅力的なテーマとコンセプトを考え、周辺環境、地域の風土・歴史・文化を配慮した企画・設計(外構を含む)ができる。
4.模型、CAD、スケッチパース等を活用し、魅力的なプレゼンテーションシート、パワーポイントを作成できる。
5.与えられた条件のもと,決められた期限内に計画案を作成し図面を描くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1グループワークにおいてグループ内の詳細な方針までメンバ全員が共有し、計画通りにプロジェクトを推進することができる。グループワークにおいてグループ内の基本的な方針をメンバが共有できており、スケジュールを大きく逸脱することなく進めることができる。グループワークにおいてグループ内の方針を全員が全く共有できておらず、スケジュール通りに進めることができない。
評価項目2調査結果をもとに与えられた設計条件を見直し,調査内容を分析することで問題や課題を明確にし、再度設計条件を設定することができる.調査結果をもとに与えられた設計条件を見直し,分析過程に問題を残しつつも再度設定することができる.調査結果を設計条件の見直しに活かすことができない.
評価項目3魅力的なテーマとコンセプトを提案し、地域の風土・歴史・文化に配慮した設計ができる。テーマとコンセプトを提案し、地域の風土・歴史・文化について配慮が不足しつつも設計に反映することができる。テーマとコンセプトを設定できず、地域の風土・歴史・文化を配慮した設計ができない。
評価項目4CAD等を用いて適切な図面を書くことができ、魅力的な模型、スケッチパースを制作できる。また、それらを活用し、構想を的確に伝えるプレゼンテーションシート、パワーポイントを作成できる。CAD等を用いて図面を書くことができ、模型、スケッチパースを制作できる。また、それらを活用したプレゼンテーションシート、パワーポイントを作成できる。図面を書くことができず、模型、スケッチパースを制作できない。従ってプレゼンテーションシート、パワーポイントが作成できない。
評価項目5与えられた条件を全て満たし,期限内に計画案の図面を描くことができる。重要な条件は満たした図面を描くことができる。条件を満たしていない。図面が完成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまでに習得してきた知識の集大成として取り組むべき科目である。設計課題に基づいて機能的で、しかも独創性に富んだ建築を計画・設計できる能力を養うことを目標とする。具体的には与えられた設計課題についての様々な調査やデータの分析をおこない、設計についての要求条件を自らの手で整理する。さらにはデータを設計に展開し提案していくことでより高度な設計能力を養う。
授業の進め方・方法:
課題内容は各課題の最初の講義でプリントとして配布する。授業は4年生の「建築設計演習Ⅰ」と同時に進め教員毎にグループを構成するスタジオ形式で進める。適宜PBL(Problem Based Learning)的手法を用いる。
全国高専デザコンのテーマとする。与えられた課題に従って現実社会で何が問題となっているのか等をグループで調査しコンセプトを設定する。建築単体の設計に終始するのではなく、まず計画地周辺地域を理解するための現地調査から始める。また地元の人々や行政担当者の意見を聞き計画に反映する。
注意点:
調査から感じとったものを設計コンセプトとしてまとめ、建築を作り上げるのであり、現地や住民に対する調査の重要性を認識し取り組む必要がある。課題Bは短時間で発想をまとめあげ、図面として完成させる練習でありこれを達成するには十分な事前準備が必要である。
エスキス段階でのコンタクトは非常に重要です。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史モデュールについて説明できる。3
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。3
建築計画・設計の手法一般について説明できる。4
設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。4
線の描き分け(3種類程度)ができる。4
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。4
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。4
図面の種類別の各種図の配置を理解している。4
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。4
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。4
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。4
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。4
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。4
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。4
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。4
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。4
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。4
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。4
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。4
建築における形態(ものの形)について説明できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

グループ評価個人評価合計
総合評価割合7030100
専門的能力7030100