情報処理II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 情報処理II
科目番号 0096 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 配布資料(Web資料・プリントなど)
担当教員 森下 功啓

到達目標

1. 数式をパソコンで計算できる。
2. 微分と積分を計算機で解くことができる。
3. 連立方程式を解くことができる。
4. フーリエ変換や関数近似など、実用的な計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
数式をパソコンで計算できる数式のグラフを描画できる数式をプログラムで表し、少なくとも1つの解を得ることができる数式を読めない
微分と積分を計算機で解くことができるニュートン法を利用し、方程式を解けるプログラムを用いて、任意の方程式の微分と積分を計算できる微分・積分を理解できない
連立方程式を解くことができる最小二乗法を用いて、未知数以上の数からなる連立方程式を解ける行列計算を用いて連立方程式を解ける連立方程式を手計算で解けない
フーリエ変換や関数近似など、実用的な計算ができるFFT(高速フーリエ変換)を利用して信号に含まれる周波数を特定できる信号にsinとcosを掛け合わせて、相対的な相関量を計算できる信号に含まれる波の周波数を求めるアイデアを説明できない

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 2-1 説明 閉じる
本科到達目標 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本科目は、コンピュータを用いた計算手法のアルゴリズムやプログラミングを学ぶ科目である。土木・建築系技術者に必要となる数値計算の実例を取り上げ、その理論(アルゴリズム)の理解およびプログラミング能力の向上を目指す。
授業の進め方・方法:
 本科目では、基礎的な数値計算手法の基礎およびアルゴリズム,数値計算上の注意点,プログラムへの実装方法を学習します。具体的には、数式のプログラミングでの表現,数値微分,数値積分,ベクトル,行列,最小2乗法,表形式の観測データの処理手法について学びます。一部の講義は動画として配信するので、事前に視聴し、授業時間中は演習に取り組んで下さい。なお、講義ではPythonというプログラミング言語を利用します。PythonはWindows,Mac,LinuxどのOSでも無料で使えますので、個人のパソコンにPythonのインタプリタをインストールして、さらにIDE(プログラムを記述・デバッグするためのツール)としてPyCharmをインストールすれば自学自習環境を作れます。是非やってみて下さい。
注意点:
*この科目は、授業を聞いただけで理解できる人は存在しない科目分野です。
*Pythonそのものや、アルゴリズムをプログラムで表現することに慣れることがまず大事です。
*とにかく書いて実行してみてください。デバッグ(ミスの発見)方法の習得が上達への近道です。
*どんどん遠慮せずに質問して欲しい。メールや来室などで質問に対応します。
*授業では毎回初めに小テストを実施します。授業の前にはしっかりと前回の復習をしましょう。
*試験の実施直後にノートを確認しますので、ノートを持参して提出してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,Pythonの変数型と基本構文と開発方法 講義の進め方を把握し、Pythonの概要と学び方について理解する
2週 Pythonのオブジェクト指向とライブラリの使い方 Pythonのオブジェクトの扱い方とライブラリの使い方を理解する
3週 数式の表現,グラフの描画 数式を関数で表現でき、数式をグラフに表すことができる
4週 数値微分,数値計算上の注意 理論値と計算機による計算値の違いについて理解し、プログラムを用いて数値微分ができる。
5週 ニュートン法 ニュートン法を用いてf(x)=0という方程式の解を求めることができる
6週 数値積分 数値積分のアルゴリズムについて理解する
7週 掃き出し法 掃き出し法を用いて連立方程式を解くことができる
8週 ベクトルと行列 プログラムを用いてベクトルと行列の計算ができる
4thQ
9週 中間試験
10週 中間試験の返却と解説
11週 pandasを用いた表データの処理 表形式のデータの読み込みと加工と保存を行うことができる
12週 最小二乗法 未知数以上の連立方程式を解く方法を理解する
13週 データの関数近似 2変数のデータの関係を任意の関数で近似する事ができる
14週 フーリエ変換 例えば温度の変化などのグラフが実は三角関数の合成で表現できる事を理解する
15週 期末試験
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な連立方程式を解くことができる。3後11,後12
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。2後7,後8
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3後11,後12
行列の和・差・数との積の計算ができる。3後11,後12
行列の積の計算ができる。3後11,後12
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後11,後12
工学基礎情報リテラシー情報リテラシー数値計算の基礎が理解できる5後1,後2,後4,後5,後6,後7,後8,後12,後13,後14
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。4後3
データの型とデータ構造が理解できる4後11
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3後1,後2,後3,後5,後6,後8,後12,後14
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3後1,後2,後3,後5,後6,後8,後12,後14

評価割合

試験小テストノート合計
総合評価割合603010000100
基礎的能力30201000060
専門的能力3010000040
分野横断的能力0000000