建築施工法I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 建築施工法I
科目番号 0101 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 プリント配布,「建築施工」鯉田和夫 著,技報堂出版
担当教員 浦野 登志雄

到達目標

1. 請負工事の実施方法、競争入札・随意契約など発注・入札制度について説明できる。
2. 施工計画に関して、バーチャート工程表、ネットワーク工程表が理解でき、管理計算をすることができる。
3. 建築基準法による法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について説明できる。
4. 建物を地盤に対して安全な構造とするための各種地盤調査法について説明できる。
5. 仮設工事に関して、仮囲い・仮設建物・構台・足場などの法的規制について説明できる。
6. 土工事・山留め工事・地業工事に関して、各種工法の特徴を比較説明できる。
7. 鉄筋工事・コンクリート工事・鉄骨工事に関して、建築学会建築工事標準仕様書(JASS)の基本的項目に
ついて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.請負工事の実施方法、監理者の業務など、請負契約約款の内容について説明できる。請負工事の実施方法、請負契約約款の内容について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。請負工事の実施方法、請負契約約款の内容について、テキストに記載された要点を説明することができる。請負工事の実施方法、請負契約約款の内容について、要点を説明することができない。
2.施工計画に関して、各種工程表を理解し、ネットワーク工程表の計算ができる。バーチャート工程表、ネットワーク工程表について、その特長が説明でき、さらにネットワークの管理日数の計算をすることができる。バーチャート工程表、ネットワーク工程表について、その特長を説明することができる。バーチャート工程表、ネットワーク工程表について、その特長を説明することができない。
3.法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について説明できる。法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について、テキストに記載された要点を説明することができる。法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について、要点を説明することができない。
4.各種躯体工事に関する工法および施工上の留意事項について説明できる。各種躯体工事に関する工法および施工上の留意事項について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。各種躯体工事に関する工法および施工上の留意事項について、テキストに記載された要点を説明することができる。各種躯体工事に関する工法および施工上の留意事項について、要点を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 5-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築施工法は他の科目と関連が深い。例えば、躯体工事では「建築構造」と「構造力学」の知識が必要であり、仕上げ工事では「建築材料」についての知識が必要である。また、土工事・地業工事については「土質力学」に関する知識が要求される。本科目では、建設業法、施工計画、地盤調査、仮設工事、土工事、地業工事、躯体工事(主として鉄筋工事・鉄筋コンクリート工事)について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書による講義だけでなく、建築施工に関する最新の事例などを紹介しながら、工事の安全性・経済性についても述べる。教科書の他、理解を深めるためにビデオ教材を活用する。また、資格試験への対応力を養うために、過去に出題された建築士および建築施工管理技士試験の問題演習を行う。
注意点:
・建築士試験などの資格試験と本科目内容は共通している。従って、直接受験に役立つ科目として意識して自学自習を行うこと。
・計算問題がほとんどないため、単なる専門用語の暗記科目と捉えている学生が多い、定期試験の直前の学習では全ての理解は困難である。講義終了毎に復習を十分行なうこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目ガイダンス,請負契約
2週 施工計画①(監理と管理,材料管理)
3週 施工計画②(工程表,ネットワークの計算)
4週 安全管理,地盤調査
5週 仮設工事
6週 土工事,山留め工事
7週 地業・基礎工事
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 答案の返却と解説,鉄筋工事①(鉄筋加工,配筋)
10週 鉄筋工事②(定着,接合形式,施工全般)
11週 型枠工事,鉄筋コンクリート工事①(材料特性・配合)
12週 鉄筋コンクリート工事②(運搬・打設・養生)
13週 鉄骨工事①(高力ボルト・溶接接合)
14週 鉄骨工事②(施工全般)
15週 〔後期学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説・まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料セメントの種類・特徴について説明できる。1後11
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。1後11
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。1後11
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。2後11,後12
乾燥収縮について理解している。2後12
中性化現象と鉄筋の腐食の関係について説明できる。2後12
凍害現象と抑制方法について説明できる。2後12
塩害現象と抑制方法について説明できる。2後12
アルカリ骨材反応現象と抑制方法について説明できる。2後12
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。2後12
鋼材の性質について説明できる。1後9
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。1後13
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。1後13
施工・法規建設業法、建築基準法、労働基準法、労働安全衛生規則、建築士法等について説明できる。1後1
請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。2後1
現場組織の編成について説明できる。2後2
設計図書と施工図の関係について説明できる。1後2
仮設計画図の役割を理解している。1後5
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。2後2
品質管理(施工計画書)について説明できる。1後2,後3
原価管理(調達)について理解している。1後2
工程管理について理解している。2後3
ネットワーク工程表の計算ができる。2後3
バーチャート工程表について説明できる。2後3
安全管理(災害防止)について理解している。2後4
環境管理について理解している。1後4
地盤調査について理解している。2後4
敷地調査について理解している。1後4
ボーリング調査について説明できる。1後4
掘削・根切りについて理解している。2後6
山留め壁・支保工について理解している。2後6
基礎の種類(直接・各種杭(既成コンクリート杭・鋼杭・場所打ちコンクリート杭)など)および特徴について説明できる。1後7
鉄筋材料種類・性質について説明できる。2後9
鉄筋の加工について説明できる。2後9
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。2後10
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。2後10
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。2後10
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。2後10
品質管理・検査について説明できる。2後10
型枠の材料、種類をあげることができる。1後11
型枠の組立て手順について説明できる。1後11
せき板の存置期間について説明できる。2後11
支保工の存置期間について説明できる。2後11
コンクリートの材料について説明できる。2後11
使用材料の試験・管理値について説明できる。2後11,後12
生コンの発注について説明できる。1後12
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。2後12
養生の必要性について説明できる。2後12

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00