地盤工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 地盤工学
科目番号 0104 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 地盤地質学 今井,福江,足立著 コロナ社
担当教員 岩部 司

到達目標

1.地質時代区分,岩石と土の生成について説明できる。
2.日本列島の地質構造の特徴および地盤と地形との関連が説明できる。
3.低地の建設工学上の問題(地盤沈下,掘削斜面の安定,液状化等)の現象を説明できる。
4.ランキン土圧,クーロン土圧公式を使って,擁壁に作用する土圧を計算することができる。
5.台地・丘陵地,山地,火山の形成過程と建設工学上の問題を説明できる。
6.地盤内増加応力および基礎の支持力を計算することができる。
7.斜面の安定解析手法を理解し,安全率を算定することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.地質時代区分,岩石と土の生成について説明できる。地質時代の新旧の順序や区分名をすべて挙げることができ,また,岩石や土の生成について,その種類ごとに説明できる。地質時代の新旧の順序や区分名を挙げ,また,岩石や土の生成について,名称を挙げて説明できる。地質時代区分,岩石と土の生成について,名称を挙げて説明することができない。
2.日本列島の地質構造の特徴および地盤と地形との関連が説明できる。日本列島の地質構造の特徴と特異性を説明することができ,また地盤と地形との関連を具体的に説明することができる。日本列島の地質構造の特徴を説明することができ,また地盤と地形との関連が説明できる。日本列島の地質構造の特徴および地盤と地形との関連を説明することができない。
3.低地の建設工学上の問題(地盤沈下,掘削斜面の安定,液状化等)の現象を説明できる。低地の地盤で発生する建設工学上の問題現象を挙げて説明することができ,その対策方法を挙げることができる。低地の地盤で発生する建設工学上の問題現象を挙げて説明することができる。低地の地盤で発生する建設工学上の問題現象を挙げることができない。
4.ランキン土圧,クーロン土圧公式を使って,擁壁に作用する土圧を計算することができる。土圧公式を使って,様々な条件下にある擁壁に作用する土圧を計算することができる。土圧公式を使って,擁壁に作用する土圧を計算することができる。土圧公式を使って擁壁に作用する土圧を計算することができない。
5.台地・丘陵地,山地,火山の形成過程と建設工学上の問題を説明できる。台地・丘陵地,山地,火山の形成過程を説明し,それぞれに建設工学上の問題を指摘し,説明することができる。台地・丘陵地,山地,火山の形成過程を説明し,それぞれに建設工学上の問題を指摘することができる。台地・丘陵地,山地,火山の形成過程と建設工学上の問題を説明することができない。
6.地盤内増加応力および基礎の支持力を計算することができる。様々な条件下にある地盤内増加応力および基礎の支持力を計算することができる。地盤内増加応力および基礎の支持力を計算することができる。地盤内増加応力および基礎の支持力を計算することができない。
7.斜面の安定解析手法を理解し,安全率を算定することができる。幾つかの斜面安定解析手法を理解し,それぞれ安全率を算定することができる。斜面の安定解析手法を理解し,安全率を算定することができる。斜面の安定解析手法にて安全率を算定することができない。

学科の到達目標項目との関係

本科到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
地盤が長い歳月を掛けてどのような作用を受けて現在の地形や地質を形成してきたのかを理解することで,建設工事や地盤災害への対策や対策に取り組むために必要な基礎知識を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に講義をすすめるが,実際の地盤の様子や地盤災害などは写真やビデオを使ってわかりやすい資料を提供する。また,地盤改良や環境地質のことも取り扱いながら,地盤工学の今後の果たす役割を考える。
注意点:
・地盤の形成過程から地盤の工学的な諸問題まで,広範囲な知識を習得しなければならない。毎回,予習して講義に臨むとともに,講義後の復習に努めること。
・講義後に達成目標の各項目について,各自点検すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 地質時代区分と岩石・土の種類 地質時代区分,岩石と土の生成について説明できる。
3週 地盤と地形との関連 地盤と地形との関連を説明できる。
4週 地形の種類と地形の読み方 地形の種類と地形の読み方を説明できる。
5週 平野部の土地利用 平野部の土地利用状況について説明できる。
6週 平野の形成 平野の形成過程や特徴的な地形(扇状地,自然堤防,三角州,後背湿地など)を説明できる。
7週 低地の地盤1(地盤と土) 地盤の工学的分類,土粒子の生成と種類,堆積土,強度発現などを説明できる。
8週 〔前期中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
10週 低地の地盤2(地盤沈下,側方流動,ネガティブフリクション) 地盤沈下,側方流動,ネガティブフリクションなどの原因や仕組みを説明できる。
11週 低地の地盤3(液状化,地盤改良) 液状化の発生条件や対策,その他,軟弱な地盤に対する地盤改良について説明できる。
12週 地盤の調査方法 地盤調査方法の名称や調査項目などを説明できる。
13週 土圧論1(ランキン土圧) ランキン土圧を理解し,土圧を算定できる。
14週 土圧論2(クーロン土圧) クーロン土圧を理解し,土圧を算定できる。
15週 前期末試験の返却と解説
16週 台地・丘陵地の地盤1(地盤の形成) 台地・丘陵地の形成を説明できる。
後期
3rdQ
1週 台地・丘陵地の地盤2(工学的問題) 台地・丘陵地の地盤の工学的問題を説明できる。
2週 山地の地盤1(風化土層,崖錐,地すべり) 風化土層,崖錐の形成と工学的問題を説明できる。
3週 山地の地盤2(地すべり,膨張性岩) 地すべり,膨張性岩の形成と工学的問題を説明できる。
4週 山地の地盤3(不整合,断層) 不整合,断層の形成と工学的問題を説明できる。
5週 火山地帯の地盤1(分布,地形,地質) 火山の分布やそれらの地形,地質の特徴を説明できる。
6週 火山地帯の地盤2(工学的問題) 火山地帯の地盤の工学的問題を説明できる。
7週 〔後期中間試験〕
8週 後期中間試験の返却と解説
4thQ
9週 地盤内応力1 盛土による地盤内の増加応力が計算できる。
10週 地盤内応力2 ニューマーク法による地盤内の増加応力が計算できる。
11週 地盤の支持力(基礎形式・極限支持力) 基礎の種類について説明できる。
12週 浅い基礎(直接基礎)の支持力計算 浅い基礎の支持力について理解し,計算できる。
13週 深い基礎(杭基礎)の支持力計算 深い基礎の支持力について理解し,計算できる。
14週 斜面安定 簡便分割法による安全率を理解し,計算できる。
15週 学年末試験の返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。2前2,前7,後4
地盤改良について説明できる。2前11
液状化について説明できる。2前11
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。2前13,前14
基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。2後11,後12,後13
基礎の種類や基礎の支持力について説明できる。2前10,後11,後12,後13
ネガティブフリクションについて理解している。2前10
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。2前11
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。2前11
N値について理解している。2前12
原位置試験および室内試験の内容ついて説明できる。2前12

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00