建築社会工学実験III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築社会工学実験III
科目番号 0108 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (参考書)建設材料実験法,建設材料教育研究会編,鹿島出版会
担当教員 浦野 登志雄,岩坪 要,松家 武樹,森下 功啓,後藤 勝彦

到達目標

1. 建設構造部材や材料の力学特性を説明できる。
2. 使用する実験機器の名称や役割などを理解し、適切に操作することができる。
3. 実験結果のデータを指示通りに整理し、グラフ作成などを行い、まとめることができる。
4. 得られたデータを工学的に分析し、考察を行うことができる。
5. 実験結果を検証するための理論計算を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.建設構造部材や材料の力学特性を説明できる。テキスト以外に、4年次までに履修した構造力学や建設材料などの科目の達成目標をレポートに反映することができる。資料に沿ってレポートを作成することができる。資料に記載された必要な項目についてレポートを作成することができない。
2. 実験結果のデータを指示通りに整理し、グラフ作成などを行い、まとめることができる。実験データの傾向を的確に表すような、分かりやすいグラフの作成ができる。指示通りにデータを整理し、グラフを作成することができる。得られたデータをグラフ作成することができない。
3. 得られたデータを工学的に分析し、考察を行うことができる。データの分析に対して、配付資料以外の参考文献を使って考察を行うことができる。配付資料に従って考察を行うことができる。配布された資料が理解できず、考察を行うことができない。
4. 実験結果を検証するための理論計算を行うことができる。 配付された資料以外に、参考文献を提示し、理論計算を行うことができる。配付された資料を参考に理論計算を行うことができる。配布された資料が理解できず、理論計算を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は、複数の専門科目に関連した総合科目であり、3年から5年まで開講する科目である。5年前期では建設部材と材料の力学的特性を実験的に確認し学んできた理論計算との対応を確認する.5年後期では,住環境に関する実験を行う.
授業の進め方・方法:
前期は,建設部材と材料力学挙動に関する実験を行い特性を理解することを目的としている。後期は,住環境に関する実験を行い私たちの身の回りの住環境について深く考察する.データ整理の手法や工学的な見地による考察手法を学び、工学レポートを作成する能力を養う。実験は班に分かれ実施する。
注意点:
・実験結果の整理は各自で行い、考察は各自で考えた内容を工学的に表現することに努める。
・実験を円滑に実施できるように、予定課題については事前にプリントなどを熟読しておくこと。
・実験は、講義で学んだことを目で確認する良い機会であるので、積極的に取り組むこと。
・実験機器の取り扱いや安全については、各自で留意すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ラーメンに生じる歪計測 到達目標1,2
2週 ラーメンに生じる歪計測 到達目標3,4
3週 ラーメンに生じる歪計測 到達目標3,4
4週 レポート作成 到達目標1-5
5週 単純梁のたわみ計測 到達目標1,2
6週 単純梁のたわみ計測 到達目標3,4
7週 単純梁のたわみ計測 到達目標3,4
8週 レポート作成 到達目標1-5
2ndQ
9週 住環境1 到達目標1,2
10週 住環境1 到達目標3,4
11週 住環境2 到達目標1,2
12週 住環境2 到達目標3,4
13週 住環境3 到達目標1,2
14週 住環境3 到達目標3,4
15週 レポート作成 到達目標1-5
16週 レポートの返却と解説 到達目標1-5

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前10,前11,前13,前14,前16
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前10,前11,前13,前14,前16
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前10,前11,前13,前14,前16
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前14,前16
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前14,前16
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前14,前16
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前14,前16
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前14
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の規格・要求性能について説明することができる。2
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。2前3
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。2前9,前10
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。2前9,前10
構造弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。2前14,前16
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。2前14,前16
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。2前14,前16
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。2前14,前16
断面内の応力の分布について説明できる。2前14,前16
許容曲げモーメントを計算できる。2前14,前16
主筋の算定ができる。2前14,前16
釣合い鉄筋比について説明ができる。2前14,前16
中立軸の算定ができる。2前14,前16
許容せん断力を計算できる。2前14,前16
せん断補強筋の算定ができる。2前14,前16
終局曲げモーメントについて説明できる。2前14,前16
終局剪断力について説明できる。2前14,前16
分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。3前10,前11,前13
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。4前10,前11,前13
実験結果を整理し、考察できる。3前14,前16
実験の目的と方法を説明できる。4前10,前11,前13
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。4前13
実験結果を整理し、考察できる。4
実験の目的と方法を説明できる。3
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。3
実験結果を整理し、考察できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合0100100
基礎的能力05050
専門的能力05050
分野横断的能力000