物理I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理I
科目番号 0110 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「総合物理①②」 國友正和他著 数研出版  「リードLightノート物理基礎」「リードLightノート物理」 数研出版  「フォローアップドリル物理基礎(運動の表し方・力・運動方程式)」 「フォローアップドリル物理基礎(仕事とエネルギー・熱)」 数研出版
担当教員 岩尾 航希

到達目標

1. 加速度について理解し,さまざまな物体の運動に適応できる。
2. 力の概念と力のつり合いについて,正しく理解し適用することができる。
3. 運動の法則を理解し、物体の運動に対してこの法則を的確に応用できる。
4. 仕事とエネルギーについて明確な概念を持ち、力学的エネルギー保存の法則を適用できる。
5. 熱とエネルギーの概念を用いて簡単な問題を解くことができる。
6. 波動について正しく理解し、波の色々な性質(反射、屈折、回折、干渉)を問題に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 加速度について理解し,さまざまな物体の運動に適応できる。さまざまな問題に加速度運動の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な加速度運動の問題を解くことができる。基本的な加速度運動の問題を解くことができない。
2. 力の概念と力のつり合いについて、正しく理解し適用することができる。さまざまな問題に力のつりあいの概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な力のつりあいの問題を解くことができる。基本的な力のつりあいの問題を解くことができない。
3. 運動の法則を理解し、この法則を的確に応用できる。さまざまな問題に運動の法則の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な運動の法則の問題を解くことができる。基本的な運動の法則の問題を解くことができない。
4. 仕事とエネルギーについて明確な概念を持ち、力学的エネルギー保存の法則を適用できる。さまざまな問題にエネルギー保存の法則の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な力学的エネルギー保存の法則の問題を解くことができる。基本的な力学的エネルギー保存の法則の問題を解くことができない。
5. 熱とエネルギーの概念を用いて簡単な問題を解くことができる。さまざまな問題に熱とエネルギーの概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な熱とエネルギーの問題を解くことができる。基本的な熱とエネルギーの問題を解くことができない。
6. 波動について正しく理解し、波の色々な性質を問題に適用できる。さまざまな問題に波動の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な波動の問題を解くことができる。基本的な波動の問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理は自然現象を観察し,物体のもつ色々な物理量の間に成り立つ関係をしらべる学問であり,工学の基礎となる重要な科目である。各種の物理量について正しく理解し,その間に成り立つ関係や法則を的確に応用できる力を身につける。
授業の進め方・方法:
毎回の授業は,説明,問題演習,確認テストで構成される。まず短い説明をした後,グループで問題演習をし,学生間で教えあいながら理解してもらう。そして授業の最後に確認テストを行い,学んだことを確認してもらう。また,単元ごとに適宜小テストを実施する。
注意点:
物理は積み上げ型の理解が要求される科目なので,復習を欠かさず行うことが大切です。その日理解できなかった点は家で復習・整理し,次の授業に備えてください。また毎回,学んだ範囲に相当する問題集の問題を示すので,自分で解くとさらに理解が深まります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 速度と等速直線運動 平均の得度と瞬間の速度,また等速直線運動について,問題を解くことができる。
2週 速度の合成と相対速度 速度の合成と相対速度について理解し,問題に適応できる。
3週 加速度 加速度について理解し,計算することができる。
4週 等加速度運動 さまざまな等加速度運動について,式を用いて運動のようすを計算することができる。
5週 落下運動 等加速度運動の例として落下運動を理解し,運動の様子を計算できる。
6週 平面運動 2次元の運動を,速度の合成と分解を用いて表すことができる。
7週 放物運動 2次元の落下運動(水平投射,斜方投射)について理解し,問題を解くことができる。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。
10週 いろいろな力 重力,垂直抗力,摩擦力,張力,弾性力,摩擦力を理解し,その値を算出できる。
11週 力の合成・分解とつりあい 力を合成・分解することができ,力のつりあいの式を立てて問題を解くことができる。
12週 作用・反作用の法則 作用・反作用の法則について理解し,つりあいと区別できる。
13週 圧力と浮力 圧力(大気圧,水圧)と浮力について理解し,その値を算出できる。
14週 運動の法則 さまざま問題について,運動方程式を立てて計算ができる。
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。
後期
3rdQ
1週 剛体に働く力と重心 剛体にはたらく力のモーメントを計算でき,その合成や物体の重心を計算できる。
2週 剛体のつりあい 剛体にはたらく力について,つりあいの式を立て問題を解くことができる。
3週 仕事と仕事率 仕事と仕事率について,その値を算出できる。
4週 運動エネルギーと位置エネルギー 運動エネルギーと位置エネルギーについて,計算できる。
5週 力学的エネルギー保存の法則 さまざまな問題について力学的エネルギー保存の法則の式を立て,問題を解くことができる。
6週 熱とエネルギー 比熱や熱量量について理解し,熱力学第一法則・第二法則についても簡単な問題が解ける。
7週 ボイル・シャルルの法則 ボイル・シャルルの法則や気体の状態方程式を利用し,簡単な問題を解くことができる。
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 波のグラフ 波の要素(振幅,波長,周期,速さ)について理解し問題を解くことができる。
10週 縦波・横波と定常波 縦波・横波,また波の重ね合わせ・定常波について説明できる。
11週 波の反射,干渉,屈折,回折 波の反射,干渉,屈折,回折について理解し,問題を解くことができる。
12週 音の速さと伝わり方 音の性質を理解し,波の問題として解くことができる。
13週 共鳴(共振),ドップラー効果 固有振動と共鳴(共振),ドップラー効果について理解し,問題を解くことができる。
14週 光の速さと伝わり方 光の性質を理解し,波の問題として解くことができる。
15週 〔後期学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前6
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前6
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前5
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前7
物体に作用する力を図示することができる。3前10
力の合成と分解をすることができる。3前11
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前13
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前10
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前11
慣性の法則について説明できる。3前14
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前12
運動方程式を用いた計算ができる。3前14
運動の法則について説明できる。3前14
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前10
最大摩擦力に関する計算ができる。3前10
動摩擦力に関する計算ができる。3前10
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後5
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3後9
力のモーメントを求めることができる。3後1
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後2
重心に関する計算ができる。3後1
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後6
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後6
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後6
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後6
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後6
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3後7
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後7
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後7
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後6
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後6
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後6
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3後9
横波と縦波の違いについて説明できる。3後10
波の重ね合わせの原理について説明できる。3後10
波の独立性について説明できる。3後10
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3後11
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3後10
ホイヘンスの原理について説明できる。3後11
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3後11
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3後13
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3後13
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3後13
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後13
自然光と偏光の違いについて説明できる。3後14
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3後14
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3後14
物理実験物理実験力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前10
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後7
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後10
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後14

評価割合

試験確認テストその他合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000