防災工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 防災工学
科目番号 0110 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 防災工学」渕田邦彦,疋田 誠,檀 和秀 他著 コロナ社
担当教員 岩坪 要

到達目標

1.発生メカニズムなど地震の基礎的事項が説明できる。
2.耐震設計の基本を理解して設計水平震度の計算ができる。
3.各種構造物の地震時被害の特徴の概略を説明できる。
4.各種自然災害の内容とその対策が説明できる。
5.自然災害に対する公的機関の役割について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.発生メカニズムなど地震の基礎的事項が説明できる。地震のメカニズムと防災上の災害状況を説明できる。地震のメカニズムを説明できる。地震のメカニズムを説明できない。
2.耐震設計の基本を理解して設計水平震度の計算ができる。耐震設計の基本に基づき,設計水平震度の計算ができる。耐震設計の基本を説明できる。耐震設計を説明できない。
3.各種構造物の地震時被害の特徴の概略を説明できる。構造物の被災状況と構造的なダメージを説明できる。構造物の被災状況を説明できる。構造物の被災状況を説明できない。
4.各種自然災害の内容とその対策が説明できる。各種災害とその対策を説明できる。各種災害を説明できる。各種災害を説明できない。
5.自然災害に対する公的機関の役割について説明できる。日本における災害に関する法律と官公庁・自治体の活動について説明できる。防災計画と災害発生時の公的機関の役割が説明できる。防災計画と公的機関の役割について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 5-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半は地震災害と耐震設計について,振動工学の内容も含めながら学習する。後半はグループ学習の中で,その他の自然災害について学習する。
授業の進め方・方法:
前半は地震災害について,地震工学,耐震設計,振動工学について学習する。後半では,様々な自然災害から防災基本計画についてグループ学習を通じて学習する。
注意点:
防災がキーワードであるが,技術者としての防災への関わりについて学ぶ。日本の構造物は災害対応で設計荷重や安全基準が決定されていると言っても過言ではない。当たり前のように毎年発生する自然災害についての知識を学びあいの中から増やす。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義ガイダンス、自然災害概論
2週 地震の発生メカニズムと規模(マグニチュード)、震度階、地震波の性質 プレートテクトニクス理論に基づいた発生メカニズムとその大きさ(震度階級)、及び地震波の性質を理解する。
3週 地震動特性、地震計・地震観測 表層地盤の固有周期、地震計の簡単な原理を理解する。
4週 耐震設計基準の基礎事項1 
震度法、設計震度
震度法および設計震度の基礎的な考え方を理解する。
5週 耐震設計基準の基礎事項2
地震時保有水平耐力法、設計水平震度算定演習
地震時保有水平耐力法の基礎的な考え方を理解し、設計水平震度を算定する。
6週 振動工学(1) 物体の自由振動
7週 振動工学(2)、グループ学習の説明 物体の減衰振動と後半のガイダンス
8週 後期中間試験 到達目標1~3を確認する試験を実施する
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説
グループ学習(1)河川・土石流災害
後期中間試験答案の返却と解説を行う
担当となる自然災害について講義をする
10週 グループ学習(2)海岸災害 担当となる自然災害について講義をする
11週 グループ学習(3)地盤災害 担当となる自然災害について講義をする
12週 グループ学習(4)火山災害 担当となる自然災害について講義をする
13週 グループ学習(5)災害計画と防災計画 災害発生時の行政対応と関連法などを知る
14週 グループ学習(6)都市の防災構造化 都市計画上の防災対応について知る
15週 後期末試験 到達目標4~5の確認をする試験を実施する
16週 後期末試験の返却と解説 後期末試験の返却と解説,まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3後3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3後1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3後3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3後1
力の合成と分解をすることができる。3後1
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3後1,後2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3後1,後2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3後2
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3後2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3後1,後2,後3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3後2,後3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3後3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3後1,後2
横波と縦波の違いについて説明できる。3後2
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3後1,後11
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3後1,後10
マグマの生成と火山活動を説明できる。3後12,後13
地震の発生と断層運動について説明できる。3後1,後2,後4,後5,後12
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3後1,後4,後5,後10,後13
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3後1,後4,後5,後13
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。3
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。3
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。3
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。3
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。3
橋の構成、分類について、説明できる。3
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。3後5
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。3後2,後5
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。3後5
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。3
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。3
水理津波と高潮の特徴を説明できる。1
計画国土と地域の定義を説明できる。3後14
都市の防災構造化を説明できる。3後14,後15
建築系分野計画・歴史都市・地区・地域・建築物の規模に応じた防災に関する計画、手法などを説明できる。3後14,後15
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

後期中間試験後期末試験グループ学習その他合計
総合評価割合4040200100
専門的能力4040200100