応用数学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0110 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 工学系数学テキストシリーズ 確率統計 / 上野健爾 / 森北出版
担当教員 橋本 淳也

到達目標

1.確率の基本的な事項を理解し、和・積・余事象、独立事象や条件付きなど、簡単な現象の確率を求めることができる。
2.一次元および二次元のデータの平均・分散・標準偏差などを求めることができる。
3.様々な確率変数に対し適切な確率分布を適用し、事象の確率を求めることができる。
4.標本確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる。
5.二次元のデータの相関・回帰などを求めることができる。
6.データに対して、表計算ソフト等を利用し、確率統計処理等を行い、客観的に考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.確率の基本的な事項を理解し、和・積・余事象、独立事象や条件付きなど、簡単な現象の確率を求めることができる。確率の基本的な事項を理解し、和・積・余事象、独立事象や条件付きなどを適宜組み合わせて、簡単な現象の確率を求めることができる。確率の基本的な事項を理解し、和・積・余事象、独立事象や条件付きなどを用いて、簡単な現象の確率を求めることができる。 確率の基本的な事項を理解し、和・積・余事象、独立事象や条件付きなどを用いた簡単な現象の確率を求めることができない。
2.一次元および二次元のデータの平均・分散・標準偏差などを求めることができる。一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差などが計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる。一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差などが計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる。一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差などが計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない。
3.様々な確率変数に対し適切な確率分布を適用し、事象の確率を求めることができる。様々な確率分布の特徴を理解し,確率変数に対して適切な確率分布を適用することができる。さらに事象に対する確率や期待値などを求めることができる。基本的な確率分布の特徴を理解し,確率変数に対して適切な確率分布を適用することができる。さらに事象に対する確率や期待値などを求めることができる。二項分布や正規分布など代表的な確率分布の特徴を理解できず、確率や期待値などを求めることができない。
4.標本確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる。標本確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について自ら考えることができる。標本確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について例示することができる。標本確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行えず,工学分野での応用についても例示できない。
5.二次元のデータの相関・回帰などを求めることができる。二次元のデータの相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる。二次元のデータの相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる。二次元のデータの相関・回帰などが計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない。
6.データに対して、表計算ソフト等を利用し、確率統計処理等を行い、客観的に考察することができる。自分の知識を活かし,適切な手法を用いて確率統計処理等を行うことができる。また、その結果をもとに考察や知見を述べることができる。自分の知識を活かし,指定された手法を用いて確率統計処理等を行うことができる。また、その結果をもとに考察や知見を述べることができる。自分の知識を活かしたり、指定された手法を用いて確率統計処理等を行うことができない。または、その結果をもとに考察や知見を述べることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は、データの分析手法の学習を行う科目である。
工学では実験や調査において様々なデータを取り扱う。特に、研究や開発は、実験や調査により得られたデータから客観的な結論を示す作業である。そのためには、データを適切に取り扱い、分析を通して新たな知見を見いだすことが求められる。データ分析は、工学において不可欠なスキルの1つであるといえる。
ここでは、前半でデータ分析の基礎理論である確率について学び、後半では代表的な分析手法に触れる。
■関連科目 1~3年:数学Ⅰ~Ⅲ 2年:プログラミング入門 3年:応用情報処理 4年:課題研究 5年:卒業研究 など
授業の進め方・方法:
この科目では、データ分析に関する学習を取り扱うので、理論と演習により構成する。
データ分析に必要となる理論は「講義」を中心に、データを取り扱う演習については「課題」を中心に体得していく。
したがって、授業の教科書に従って概念や理論の理解が進むように指導する.
さらに.課題に取り組むことで、確率。統計の概念の理解と適用例の定着とあわせて、データから分析を通して知見を示す一連の作業の習得を図るものとする。
データ分析は,データへのアプローチ、切り口に対していくつもの解法がある.自分なりの好きな方法・やり方を発見して欲しい.
そのためには多くの演習を自主的に取り組んでほしい。
授業時間外の疑問・質問は,随時受けつける。
注意点:
2回の定期試験および課題により到達度を評価する.
定期試験を 80% 、 課題を 20%で評価し,60点以上を合格とする。
上式での評価が60点に満たない者については,試験期ごとの再試験を実施 または 課題の再提出 を課す。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、確率の基礎 確率の基礎的な事項(事象、余事象、和事象、積事象)を理解し、それらを用いて確率を求めることができる。
2週 確率の基礎 独立事象、条件付確率、同時確率、大数の法則等を理解し、それらを用いて確率を求めることができる。
3週 データの整理 データの種類、ヒストグラム、平均、分散、中央値などを理解し、それらの値を求めることができる。
4週 確率分布(離散型) 二項分布、ポアソン分布 など 離散型確率変数の代表的な確率分布の 確率 および 確率分布の期待値と分散 を 求めることができる
5週 確率分布(連続型) 連続型確率変数の代表的な確率分布である正規分布において、標準化と標準正規分布表を用いて確率を求めることができる、
6週 確率分布(確率密度関数) 連続型確率変数の汎用的な確率分布である確率密度関数における確率と期待値と分散を求めることができる。
7週 確率分布(様々な分布) 指数分布、確率分布の近似、変数変換と正規分布の再生性、同時確率 を用いて、確率を求めることができる。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 推定と検定(標本分布) 標本分布の代表的な、t分布,χ2分布,F分布について、それぞれの違いや役割を説明することができる。
10週 推定と検定(推定) 母平均、母比率、母分散の区間推定ができる。
11週 推定と検定(検定) 母平均、母分散、母比率の検定ができる。
12週 推定と検定(違いの検定) 母平均の差、母分散の比、母比率の差の検定ができる。
13週 推定と検定(その他の検定) 適合度の検定、独立性の検定ができる。
14週 回帰分析(最小二乗法) 最小二乗法を用いて、相関係数と回帰係数を求めることができる。
15週 回帰分析(回帰分析) 重回帰分析により推定式を求めることができる。
16週 前期末試験の解説他

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前1
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000