鉄筋コンクリート工学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 鉄筋コンクリート工学I
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 プリント配布
担当教員 浦野 登志雄

到達目標

1.コンクリート構造に関する用語や記号を理解し、説明することができる。
2.RC構造物設計のためのコンクリートと鉄筋の基本事項が説明できる。
3.RC部材の断面内の応力分布およびひずみ分布について説明できる。
4.RC部材の応力計算、断面算定ができる。
5.RC部材の曲げ破壊やせん断破壊などの破壊メカニズムが説明できる。
6.許容応力度設計法など各種設計法の概要を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
RC構造物設計のためのコンクリートと鉄筋の基本事項が説明できる。コンクリートおよび鉄筋の基本事項について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。コンクリートおよび鉄筋の基本事項について、テキストに記載された要点を説明することができる。コンクリートおよび鉄筋の基本事項について、説明することができない。
RC部材の応力計算および断面算定ができる。RC部材の応力計算および断面算定について、計算できること以外に計算過程を理解し、説明することができる。RC部材の応力計算および断面算定について、計算を行うことができる。RC部材の応力計算および段名算定について、計算を行うことができない。
RC部材の破壊メカニズムを説明することができる。RC部材の破壊メカニズムについて、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。RC部材の破壊メカニズムについて、テキストに記載された要点を説明することができる。RC部材の破壊メカニズムについて、説明することができない。
許容応力度設計法など各種設計法の概要を説明できる。許容応力度設計法など各種設計法について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。許容応力度設計法など各種設計法について、テキストに記載された要点を説明することができる。許容応力度設計法など各種石鹸法について、説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建設構造物に使用されるコンクリートと鉄筋の材料特性、複合材料である鉄筋コンクリート(RC)部材の力学的特性および断面設計について学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講義は、コンクリート構造物を構成する部材の応力計算および断面算定について学び、理解を深める目的で項目ごとに問題演習を行う。また、本科開講科目「建設材料」および「建築構法」に関連して、鉄筋コンクリート構造の構法および施工の要点についても補足する。
注意点:
本科目は2単位科目であるため、規定授業時数は60時間である。
鉄筋コンクリートを学ぶにあたっては、単に公式を暗記するのではなく、公式が理論的あるいは実験的に導かれている過程について理解することが重要である。
講義内容に関する質問は、オフィスアワーを利用して教員室に来室すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 受講上の注意、1stQ概要説明
鉄筋コンクリート概論
鉄筋コンクリートの構成材料と役割、力学の基本概念についてについて説明できる。
2週 鉄筋とコンクリートの付着
許容応力度と材料強度
コンクリートと鉄筋の付着応力と付着強度、付着に影響を及ぼす要因について説明できる。
3週 鉄筋コンクリート梁の曲げ挙動
(荷重-変形関係、梁の許容応力度設計、梁の構造制限、
終局曲げモーメント)
平面保持の仮定と断面内ひずみ分布および許容応力度設計法の概要について説明できる。終局曲げ強度算定のための基本仮定および断面の変形能力について説明できる。
4週 鉄筋コンクリート柱の曲げ挙動
(柱の許容応力度設計、柱の構造制限、
柱の終局曲げモーメントと変形能力)
RC柱部材の曲げ挙動を理解し、軸力と終局曲げモーメントの関係について説明できる。
5週 鉄筋コンクリート梁のせん断挙動とせん断補強
(せん断破壊形式、設計理論)
RC部材のせん断挙動を理解し、せん断破壊の種類について説明できる。
6週 耐震壁・スラブ・壁式構造
耐震壁・スラブ・壁式構造について、それぞれの種類、断面設計の概要について説明できる。
7週 問題演習
演習問題の解答解説
演習問題について60%以上解答し、その内容について説明することができる。
8週 【中間試験】
2ndQ
9週 中間試験の答案返却・解説、2stQ概要説明 講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
10週 プレストレストコンクリート プレストレストコンクリート部材の使用性・安全性を理解し、説明することができる。
11週 基礎構造・地業
(杭の支持形式、既製コンクリート杭、
場所打ちコンクリート杭)
基礎構造・鉄筋コンクリート杭の設計上の留意事項について説明できる。
12週 鉄筋コンクリート構造物の配筋設計 鉄筋コンクリート部材の配筋設計の要点について説明できる。
13週 鉄筋コンクリート構造物の型枠設計 型枠の設計概要について説明できる。
14週 鉄筋コンクリート構造物の施工管理 コンクリート打設後の維持管理について説明できる。
15週 【定期試験】
16週 定期試験の答案返却・解説 講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。4前1
鋼材の種類、形状を説明できる。4前3
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。4前3
コンクリートの長所、短所について、説明できる。4前1
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。4前1
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。4前3
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。4前12
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。4前14
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。4前14
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。4前2
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。4前2
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。4前4,前10
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。4前5,前6,前7,前13
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。4前11
構造橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4前4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4前2
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4
建築系分野構造鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。4前4
断面内の応力の分布について説明できる。4前5,前6
許容曲げモーメントを計算できる。4前5,前6
主筋の算定ができる。4前5,前6
釣合い鉄筋比について説明ができる。4前5,前6
中立軸の算定ができる。4前5,前6
許容せん断力を計算できる。4前5,前6
せん断補強筋の算定ができる。4前11
終局曲げモーメントについて説明できる。3前10
終局剪断力について説明できる。3前11
断面内の応力の分布について説明できる。4
許容曲げモーメントを計算できる。4
MNインターラクションカーブについて説明できる。4
主筋の算定ができる。4
釣合い鉄筋比について説明ができる。4
中立軸の算定ができる。4
許容せん断力を計算できる。4
せん断補強筋の算定ができる。4
終局曲げモーメントについて説明できる。3
終局剪断力について説明できる。3
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。4
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合1000100
基礎的能力000
専門的能力1000100
分野横断的能力000