健康科学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 健康科学
科目番号 0125 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じ資料を配布または掲示するが、ニュースや新聞、インターネット及びテレビ放映を活用し、自学自習すること。
担当教員 川尾 勇達,四宮 一郎

到達目標

1.自分の体力を把握することができる。
2.スポーツ活動や運動が人に与える効果について理解し、自身の心身健康と円滑なコミュニケーションを実現するために取り組むことができる。
3.日常生活における身体活動水準を理解し、健康維持増進のために日常に運動を取り入れることができる。
4.各年代が抱える健康問題が理解できる。
5.健康と運動の関係を理解し、説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
健康分野生涯にわたり健康な生活を送るための知識を身につけ、健康を害する行動や環境への対処方法を理解し、総合的な考察を説明(記述)することができる。生涯にわたり健康な生活を送るための知識を身につけ、健康を害する行動や環境への対処方法を理解し、試験で答えることができる。生涯にわたり健康な生活を送るための知識や、健康を害する行動や環境への対処方法を理解したり、試験で答たりすることができない。
実技基本的な技術を身につけ、ルールを覚え他者と協力し、積極的に練習や試合を運営することができる。 経験者は、チームやクラスメイトに技能向上に関する適切な指導を行い、被指導者の技能を向上させることができる。基本的な技術を身につけ、ルールを覚え他者と協力し、練習や試合に参加できる。 経験者はチームやクラスメイトに技能向上に関する指導をすることができる。基本的な技術やルールを身につけたり、ルールを覚えたりすることが殆どできず、練習や試合に 対して消極的な態度で参加している。 経験者でありながら、チームメイトやクラスメイトに技能向上に関する指導や競技、ゲーム運営及び補助を行わない。
健康増進活動自分の体力に応じて、健康維持・体力増進のための行動を計画し、継続的に実施することができる。自分の体力を把握し、健康維持・体力増進のための行動を行うことができる。自分の体力を把握できず、健康維持・体力増進のための行動をとることができない。
取り組み・安全配慮・協力授業や各種目のルールに則って安全に行動ができる。また、授業で使う道具や施設の準備を行ったり、それらを安全に配置したりすることができる。 他者と協力・強調してチームのために参加・応援・補助をする活動ができる。時にリーダーとしてグループに提案や指示を出したり、意見や場面の取りまとめができる。 授業・実技実施上の安全性、ルール(競技・校則)に則った場面にふさわしい身なり、服装、態度を判断し、自己を律した選択ができる。授業や各種目のルールに則って安全に行動ができる。また、授業で使う道具や施設を適切に使用することができる。 自分本位な活動にならないように、参加・応援・補助をすることができる。 授業・実技実施上の安全性、ルール(競技・校則)に則った場面にふさわしい身なり、服装、態度を判断できる。授業や各種目のルールに則った行動や安全に配慮したプレー・活動ができない。また、授業で使う道具や施設を安全に適切に使用しない。 個人活動の割合が多くなったり、自分本位の活動ばかり行ったりする。 授業・実技実施上の安全性、ルール(競技・校則)に則った身なり、服装、態度ができない。場面にふさわしい判断ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生涯にわたり健康な生活を送るためには、運動は欠かせないものである。生活習慣病が社会問題となっている今日、運動を日常生活の一部として行っている人も少なくない。そこで健康科学では、生涯スポーツの見地から、健康に関する知識を土台とし、年齢に応じたスポーツやゲームを取り入れ、余暇の善用と運動の必要性を学び、日常生活に役立てるようにする。
授業の進め方・方法:
授業は講義と実技からなり、授業前半を講義、後半を実技とする。
講義については、本授業で身につけた知識を高専時代に留まらせず、将来の生活における健康や安全に活用する態度を養う。
実技については4つのコースを用意している、(1)ゴルフコース、(2)スポーツ・レクリエーション運営コース,(3)クリエイト&クラフト・ニュースポーツ、(4)学内実装(健康分野,スポーツ分野)
安全を第一に効率よく技術を身につけ、運動・スポーツの楽しさを味わい、ルールやマナー、指導法についても理解する。
補足
(1)ゴルフコース:ゴルフのルールや基本技術の学習、練習方法等を実技練習を通して学ぶ
(2)スポーツ・レクリエーション運営コース:スポーツを使ってレクリエーション活動を企画運営する。コース内で運営当番グループを持ち回り運営(企画・運営・反省)と参加者(参加・アンケートフィードバック)という形式で活動を行う
(3)クリエイト&クラフト・ニュースポーツ:現在営まれているニュースポーツを調査し①(前期)模造品の作成(クラフト)を行ったり,②(後期)新たに考案(クリエイト)し身近な材料で作成(クラフト)する。作ったニュースポーツを学生会の球技大会などに提案していくこともできる。
(4)学内実装:学内の学生・教職員向けに健康やスポーツに関する困りごとの解決や,新しい価値観の提案などを行う。健康分野では,学内の現存施設を有効活用して身体活動の見える化や学生生活で健康科学的知識を活用できる掲示(看板や表示,ポスター,啓発)などを行う。スポーツ分野では,体育館に電光掲示板を作成してもらうチームを募集している(7segLEDなど材料はある程度用意あり)。他にも,アプリ(体力テスト関連,下級生の実技授業支援)作成や体力テストデータの集計システム構築など、スキルとアイデアを工学分野を超えて発揮してもらいたい。
注意点:
授業中に配布した資料を読み、よく理解しておくこと。また、授業で取り扱ったスポーツに関する資料を図書館やインターネットを利用し、収集しておくこと。
授業を安全に展開するために、指定した品位ある身なりと態度・マナーで受講すること。授業で配布する資料以外にも、図書館に関連図書をそろえているので、自分で資料を集め理解を深めたり、方法を学んだり、技術の向上に努めてもらいたい。
受講者が運動や健康、命の大切さ、生命活動の神秘を再認識し、授業で学んだことを日常生活で実践できるようになってもらいたい。
実験実習科目と同様、場面にふさわしい身なり、服装、態度を自ら判断し、時に律して選択をしていくこと。学生生活全体を通してエンジニアとしての安全・安心への意識や他者との関わりを通して自己を成長させていく過程の一助となることを願っている。
授業内容や健康づくり、体力づくり及びスポーツ関係の質問、相談については、昼休みと放課後に教員室及び第一体育館教員控室にて受ける。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(全体)
グループごとのオリエンテーション
授業の進め方や評価方法を確認する。

2週 QOL(生活の質)と運動について学ぶ。
新体力テスト、体組成の測定
QOLについて理解する。自身の体組成を測定し現状を把握する。
3週 現代の健康問題(生活習慣病)
新体力テスト
生活習慣病についてまなび、現代の健康問題について理解する。
4週 健康ブームの背景
新体力テスト
健康ブームがおこった背景を理解する。
5週 形態の意味 形態を表すものは何かを学ぶ。
6週 脂肪蓄積のメカニズム
脂肪蓄積のメカニズムを理解し、その影響について学ぶ。
7週 健康と運動
適切な栄養・食事摂取


体組成の測定
健康と運動の関わりについて理解する。
適切な食事とは何か、理想的な食事の摂取について理解する。
体組成を測定し現状を把握する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 実技試験① 授業の中で随時実施
10週 健康と運動
適切な栄養・食事摂取
健康と運動の関わりについて理解し、摂取エネルギー量と消費エネルギー量の計算法を学び自身の現状を把握する。
11週 健康と運動
ストレス論
健康と運動の関わりについて理解する。
ストレスが人に与える影響とその解消法について学ぶ。
12週 健康と運動
嗜好と依存症
健康と運動の関わりについて理解する。
嗜好と依存症の違いについて理解する。
13週 適切な運動のための運動強度設定方法
体組成の自己測定
適切な運動強度設定の方法を学ぶ。
体組成を測定し現状を把握する。
14週 生活習慣病と運動・食事
体組成の自己測定
生活習慣病を予防するには、適切な運動と食事が重要であることを理解する。
体組成を測定し現状を把握する。
15週 前期末試験
16週 筆記試験① 授業の中で実施
後期
3rdQ
1週 新体力テスト 新体力テストの測定を行い、自身の体力を把握する。5年間の体力測定データをまとめ、社会人になってから必要な活動を自身の体力特徴をもとに考える。
2週 運動とエネルギー
体組成の自己測定
運動をするためのエネルギー獲得機構について理解する。
体組成を測定し現状を把握する。
3週 生活習慣病と運動・食事
酸素摂取量の仕組み
酸素摂取がどのように行われているのかを理解する。
4週 有酸素運動がもたらす効果 適切な有酸素運動が人にもたらす効果を理解する。
5週 運動量の計算
(カロリーとメッツ)
適切な有酸素運動
運動量の計算方法を学ぶ。
それぞれに合った有酸素運動の方法を知る。
6週 運動量の計算
(カロリーとメッツ)
基礎代謝の計算
エネルギー消費量の計算方法を学ぶ。
基礎代謝の計算方法を学ぶ
7週 栄養素と食事とカロリー
体組成の自己測定
食事に含まれる栄養素の量とエネルギー(カロリー)について理解する。
体組成を測定し現状を把握する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 筆記試験② 授業の中で実施
10週 栄養・身体活動量 エネルギーバランスから、適切なエネルギー摂取と消費および体組成との関わりについて理解する。
11週 飲酒と健康
飲酒と健康の関わりについて理解する。
12週 喫煙と健康
喫煙と健康のかかわりについて理解する。
13週 喫煙と健康
実技試験②
喫煙と健康のかかわりについて理解する。
14週 疾病(感染症とその予防)
体組成の自己測定
感染とその予防法について学ぶ。
体組成を測定し現状を把握する。
15週 学年末試験 筆記試験③ 授業の中で実施
16週

評価割合

実技(1)前期実技(2)後期健康科学理論新体力テスト・健康増進活動持久力・健康増進活動取り組み・態度合計
総合評価割合202010101030100
基礎的能力10101055040
専門的能力0000000
分野横断的能力10100553060