到達目標
1. 道路構造令に定められる項目の根拠を理解し,道路設計に生かすことができる。
2. 地理的条件を整理し、その条件を踏まえた道路線形を描くことができる。
3. 設計課題を通して、道路の設計手順を理解し、基本的な図面、資料を作成できる。
4. 舗装厚の算定や路盤や路床の強度の評価に必要な土質試験(締め固め試験,CBR試験)を理解する。
5. 土質試験の結果を使ってアスファルト舗装の構造設計ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
1. 道路構造令に定められる項目の根拠を理解し,道路設計に生かすことができる。 | 道路構造令の規定とその根拠について説明ができ、道路幾何構造設計に適用することができる。 | 道路構造令の規定が説明でき、道路幾何構造設計に適用することができる。 | 道路構造令の規定が説明できず、道路幾何構造設計への適用ができない。 |
2. 地理的条件を整理し、その条件をふまえて道路線形を描くことができる。 | 地形図から地形を読み取り、地勢から道路の役割を設定することができる。あわせて、それに基づいた道路線形を描くことができる。 | 地形や地勢などの地理的条件を整理することができ、それに基づいた道路線形を描くことができる。 | 地形や地勢などの地理的条件を整理することができない。または、条件にもとづいた道路線形を描くことができない。 |
3. 設計課題を通して、道路の設計手順を理解し、基本的な図面、資料を作成できる。 | 道路の設計手順に沿って、設計に必要な計算、資料の作成等ができる。製図規則に則した設計図面を描くことができる。 | 道路の設計手順に沿って、製図規則に則した設計図面を描くことができる。 | 製図規則に則した設計図面を描くことができない。 |
4.締め固め試験,CBR試験を理解し,データを整理することができる。 | 締め固め試験,CBR試験の概要とその必要性が説明でき,それぞれについてデータ整理を行うことができる。 | 締め固め試験,CBR試験の概要を説明し,それぞれについてデータ整理を行うことができる。 | 締め固め試験,CBR試験のデータ整理ができない。 |
5. アスファルト舗装の構造設計ができる。 | 各種条件を考慮したアスファルト舗装の構造設計を行い,その標準断面図を正確に製図することができる。 | アスファルト舗装の構造設計ができ,その標準断面図を製図することができる。 | アスファルト舗装の構造設計ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
社会資本整備に欠かせない“道路”の設計や施工に関する課題に取り組む。まず,道路を計画し,施工するまでに必要な法令や概略設計の進め方を学んだ後,実際に地形図上に道路を設計する。次に,舗装の構造や土質試験,舗装の構造設計法などを学び,概略設計を行った道路について舗装厚の設計を行う。
※実務との関係
全30週のうち、後期第7週から第15週の授業は道路設計を演習形式の授業で行うものである。この講義は企業で道路設計に従事していた者が担当する。
授業の進め方・方法:
地形図をもとに道路の概略設計,道路標準断面の構造設計(アスファルト舗装)を行う。これらの設計演習を行う際には,関連の専門知識を事前に確認し,不足する場合は必要に応じて講義しながら実施する。また,設計作業に必要な現場調査や現場見学等を適宜実施する。
* 測量学や土質試験の知識を活用する。事前に指示するので復習すること。
* 設計課題は授業だけではなく,放課後等の時間を確保して課題に取り組み,完成度を上げること。
* 道路を走った時感じたことを覚えておこう。そしてそれを道路設計に生かしてみよう。
注意点:
評価方法は以下の3通りである。
a)到達目標の1,2は前期中間試験と小テストで評価
b)到達目標の1~3は図面・レポートで評価
c)到達目標の4,5は演習・レポートで評価
評価点は,評価方法a),b),c)の重みをそれぞれ25%,50%,25%として算出し,60点以上を合格とする。
演習内容は既に学んだ測量学や土質工学の知識を活用することから,事前に復習する時間を確保すること。また,演習課題が示された後は,より良い成果が得られるように,参考書や関連する専門書を読みながら主体的に取り組むこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 道路ができるまで |
道路の機能、道路できるまでの過程、ならびに道路法や道路構造令の概要を説明できる。
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2週 |
道路構造令の解説と運用① 道路の構成 |
道路構造令の主な条文の内容とその目的や運用について説明できる。
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3週 |
道路構造令の解説と運用② 単路部 |
同上
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4週 |
道路構造令の解説と運用③ 交差部 |
同上
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5週 |
コントロールポイントと地形図 |
地形図から考慮すべき点を想定し、それに応じた路線案を示すことができる。
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6週 |
平面曲線・縦断曲線 |
平面曲線・縦断曲線の計算ができる。
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7週 |
幾何構造設計 課題① 設計手順・課題説明 |
設計の手順を理解する。
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8週 |
〔前期中間試験〕 |
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験の返却と解説 |
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10週 |
幾何構造設計 課題② ルート選定と概略設計 |
地理・地勢や沿線環境・条件に応じた路線案を示す。
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11週 |
幾何構造設計 課題③ ルート選定と概略設計 |
同上。
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12週 |
幾何構造設計 課題④ 代替案の比較・検討 |
代替案を示し、長所や短所について説明する。
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13週 |
幾何構造設計 課題⑤ 代替案の決定 |
複数の代替案を客観的視点から比較・決定する。
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14週 |
幾何構造設計 課題⑥ 平面線形の設計 |
平面線形を確定し、曲線諸量を求める。
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15週 |
幾何構造設計 課題⑦ 平面図の作成 |
平面面図を描く。
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16週 |
幾何構造設計 課題⑧ 平面図の作成 |
同上。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
幾何構造設計 課題⑨ 平面図の作成 |
同上。
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2週 |
幾何構造設計 課題⑩ 平面図の作成 |
同上。
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3週 |
幾何構造設計 課題⑪ 縦断線形の設計 |
勾配を決定し、計画高を算出する。
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4週 |
幾何構造設計 課題⑫ 縦断面図の作成 |
縦断面図を描く。
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5週 |
幾何構造設計 課題⑬ 縦断面図の作成 |
同上。
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6週 |
幾何構造設計 課題⑭ 横断面図の作成 |
横断面図を描く。
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7週 |
道路舗装概論 |
鋪装の構造,鋪装構成,施工方法などを理解し,説明できる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
道路舗装概論 |
鋪装の構造,鋪装構成,施工方法などを理解し,説明できる。
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10週 |
アスファルト舗装(構造設計) |
鋪装を構成する材料の種類やその厚さの計算方法などを理解する。
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11週 |
アスファルト舗装(設計演習) |
同上。
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12週 |
砕石場・アスファルトプラント見学 |
砕石場・アスファルトプラントを見学する。
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13週 |
突き固めによる土の締め固め試験 |
締め固め試験を理解し,データを整理することができる。
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14週 |
CBR試験 |
CBR試験を理解し,データを整理することができる。
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15週 |
設計課題-舗装① 舗装厚の設計 |
決められた条件で鋪装厚の計算ができる。
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16週 |
設計課題-舗装② 舗装標準断面の製図 |
CADを使い,道路の標準断面を作成する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 計画 | 性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8 |
施工・法規 | 土工の目的と施工法について、説明できる。 | 1 | 後8 |
掘削と運搬および盛土と締固めの方法について、説明できる。 | 1 | 後8,後12 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 75 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 75 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |