構造力学III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 構造力学III
科目番号 0144 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 後藤 勝彦

到達目標

1. 節点変位が生じない場合の不静定ラーメンを解くことができる。
2. 節点移動が生じる場合の不静定ラーメンを解くことができる。
3. エネルギー保存則に基づいて、仮想仕事の原理について理解できる。
4. 仮想仕事の原理に基づいて、静定はり、トラス、ラーメンなど静定構造物の変位を求めることができる。
5. エネルギー原理に基づいて、一次不静定構造物を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 節点変位が生じない場合の不静定ラーメンを解くことができる。授業で説明した構造物以外にもレポート課題における節点変位が生じない不静定ラーメンを解くことができる。授業で説明した節点変位が生じない不静定ラーメンを解くことができる。授業で説明した節点変位が生じない不静定ラーメンを解くことができない。
評価項目2 節点変位が生じる場合の不静定ラーメンを解くことができる。授業で説明した構造物以外にもレポート課題における節点変位が生じる不静定ラーメンを解くことができる。授業で説明した節点変位が生じる不静定ラーメンを解くことができる。授業で説明した節点変位が生じる不静定ラーメンを解くことができない。
評価項目3 仮想仕事の原理を用いて静定構造物の変位を求めることができる。授業で取扱った構造物以外の静定構造物に対して、仮想仕事の原理を用いてその変位を求めることができる授業で取扱った構造物に対して、仮想仕事の原理を用いて、その変位を求めることができる。授業で取扱った構造物に対して、仮想仕事の原理を用いて、その変位を求めることができない。
評価項目4 カステリアーノの第2定理を用いて構造物の変位を求めることができる。授業で取扱った構造物以外の静定構造物に対して、カステリアーノの第2定理を用いてその変位を求めることができる。授業で取扱った構造物に対して、カステリアーノの第2定理を用いてその変位を求めることができる。授業で取扱った構造物に対して、カステリアーノの第2定理を用いてその変位を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前年度までの基礎的な力学の知識を基に、前半は、応力挙動及び一般的な建物である不静定ラーメンの解法に適した「たわみ角法」について学ぶ。後半は、はり,トラス,ラーメン等の線構造の変形を求める方法として、エネルギー保存の法則に基づいて「仮想仕事の原理」と「カスティリア-ノの第2定理」を主に学び、不静定構造物の解法まで確認する。
授業の進め方・方法:
静定はりの変位を基にたわみ角法の基本式の誘導を行い、実際の構造物の挙動や設計と関連付けながら不静定はり、ラーメンの解法について詳述する。後半は、仮想仕事の原理について詳述し、他のエネルギー原理を含めて線構造物の変形の解法と不静定構造物の解法へと繋げていく。課題演習を通して自力で問題を解く力を養う。
注意点:
構造物に働く力の作用を想い描けるように、実際の構造物の挙動や設計と関連付けながら学ぶことが大事である。講義の進行に応じて適宜演習問題を課すので必ず自力で解くことは勿論であるが、1つの問題に対して複数の解法を適用してみること、その結果に対する考察が大事である。構造解析の3条件である、力の釣合、変位の適合、構成法則を常に頭に置きながら学習していくこと。
3年までの各項目の理解と同時に実際に解く計算力が不十分であると、4年次の展開について行けない。迷ったら、3年次までの復習を行うこと。4年次では色々な解析手法を学ぶので、各手法においてその基本仮定、用語の定義などは正確に把握し、その原理については十分に理解しておくことが大事である。とくに後半のエネルギー原理は、相互に関連しているので、一連の流れとして捉える事。
なお,単元の節目でレポートを課すが単位の取得には全てのレポートで合格することが必須である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 たわみ角法の導入と節点方程式 不静定構造物が理解できる.
2週 節点移動なし、中間荷重なしの構造物の解析 節点移動なし、中間荷重なしの構造物の解析が理解できる.
3週 節点移動なし、中間荷重なしの構造物の演習 節点移動なし、中間荷重なしの構造物の計算ができる.
4週 節点移動なし、中間荷重ありの構造物の解析 節点移動なし、中間荷重ありの構造物の解析が理解できる.
5週 節点移動なし、中間荷重ありの構造物の演習 節点移動なし、中間荷重ありの構造物の計算ができる.
6週 節点移動あり、中間荷重ありの構造物の解析 節点移動あり、中間荷重ありの構造物の解析が理解できる.
7週 節点移動あり、中間荷重ありの構造物の演習 節点移動あり、中間荷重ありの構造物の計算ができる.
8週 中間評価
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
10週 独立部材角、従属部材角、直角変位図 独立部材角、従属部材角、直角変位図が理解できる.
11週 不規則ラーメンのたわみ角法 不規則ラーメンのたわみ角法が理解できる.
12週 不規則ラーメンの解析 不規則ラーメンの解析ができる.
13週 固定法の説明 固定法が理解できる.
14週 固定法による解析 固定法による計算ができる.
15週 前期末試験
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 仮想仕事(仮想変位・仮想力)の原理 仮想仕事(仮想変位・仮想力)の原理が理解できる.
2週 仮想仕事(仮想変位・仮想力)の原理 仮想仕事(仮想変位・仮想力)の原理が理解できる.
3週 静定梁での仮想仕事法の理解 静定梁での仮想仕事法の理解ができる.
4週 静定梁での仮想仕事法の演習 静定梁での仮想仕事法の計算ができる.
5週 静定トラスでの仮想仕事法の理解 静定トラスでの仮想仕事法の理解ができる.
6週 静定トラスでの仮想仕事法の演習 静定トラスでの仮想仕事法の計算ができる.
7週 仮想仕事法におけるせん断力と軸力の影響 構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念を理解している。
8週 仮想仕事法におけるせん断力と軸力の影響 構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念を理解している。
4thQ
9週 不静定梁での仮想仕事法の理解 不静定梁での仮想仕事法の理解ができる.
10週 不静定梁での仮想仕事法の理解 不静定梁での仮想仕事法の理解ができる.
11週 不静定梁での仮想仕事法の演習 不静定梁での仮想仕事法の計算ができる.
12週 不静定ラーメンでの仮想仕事法の理解と演習 不静定ラーメンでの仮想仕事法の計算ができる.
13週 カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の解法
カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の計算ができる.
14週 カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の解法 カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の計算ができる.
15週 学年末試験
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4前2,後3,後4
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4前3
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4前1
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4前1
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。4前2
建築系分野構造不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。4後11
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。4後2,後13
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。4後1,後3,後13,後14
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4前1,後2,後10
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前14,後10,後11,後12,後13,後14
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験ノート相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合401000050100
前期2050002550
後期2050002550