計画学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 計画学
科目番号 0160 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「土木計画学」河上省吾著 鹿島出版会
担当教員 橋本 淳也

到達目標

1.公共事業の社会的役割と社会基盤施設の整備のしくみを理解できる.
2.公共事業計画が策定されるプロセスを通して,予測や評価の重要性を理解できる.
3.様々な確率分布の特徴や性質を理解し,統計量を算出したり,問題に適用できる.
4.多変量解析の代表的な手法の概要を理解し,問題に適当な手法を選ぶことができる.
5.数理計画法の代表的解法であるシンプレックス法や図解法を用いて解くことができる.
6.確率過程モデルの概要を理解し、待ち行列理論への活用ができる。
7.施工管理(特に工程管理)の基本的事項を理解し,施工管理の手法を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 公共事業の社会的役割と社会基盤施設の整備のしくみを理解できる.公共事業の社会的役割と社会基盤施設の整備のしくみを説明できる.計画との関連について説明できる.公共事業の社会的役割について説明できる.社会基盤施設の整備のしくみを説明できる.公共事業の社会的役割と社会基盤施設の整備のしくみを説明できない.
2.公共事業計画が策定されるプロセスを通して,予測や評価の重要性を理解できる.公共事業計画が策定されるプロセスを通して,予測や評価の重要性を説明できる.予測方法や評価方法の説明ができる.公共事業計画が策定されるプロセスを通して,予測や評価の重要性を説明できる.公共事業計画が策定されるプロセスを説明できない. 予測や評価の重要性を説明できない.
3.様々な確率分布の特徴や性質を理解し,統計量を算出したり,問題に適用できる.様々な確率分布の特徴や性質を説明できる.主な確率分布や確率密度関数の統計量を算出したり,問題に適用できる.様々な確率分布の特徴や性質を説明できる.主な確率分布や確率密度関数の統計量を算出できる.様々な確率分布の特徴や性質を説明できない.主な確率分布の統計量の算出や,問題への適用ができない.
4.多変量解析の代表的な手法の概要を理解し,問題に適当な手法を選ぶことができる. 多変量解析の代表的な手法の用途,目的を説明できる.問題に適当な手法を選び,計算および考察ができる. 多変量解析の代表的な手法の用途,目的を説明できる.多変量解析の代表的な手法を用いた計算ができる. 多変量解析の代表的な手法の概要を理解し,問題に適当な手法を選ぶことができない.
5.数理計画法の代表的解法であるシンプレックス法や図解法を用いて解くことができる.線形計画問題を定式化でき,代表的解法であるシンプレックス法や図解法を用いて最適解を求めることができる.線形計画問題を代表的解法であるシンプレックス法や図解法を用いて解くことができる.数理計画法の代表的解法であるシンプレックス法や図解法を用いて解くことができない.
6.確率過程モデルの概要を理解し、待ち行列理論への活用ができる。確率過程モデルの概要を理解し、待ち行列理論への活用ができる.確率過程モデルおよび待ち行列理論の概要が理解できる.確率過程モデルの概要を理解できず、待ち行列理論への活用ができない.
7.施工管理(特に工程管理)の基本的事項を理解し,施工管理の手法を理解できる.施工管理(特に工程管理)の基本的事項を説明でき,作業リストからアローダイヤグラムの作成,PERTやCPMによる日程計算や工期の調整ができる.施工管理(特に工程管理)の基本的事項を説明でき,作業リストからPERTによる日程計算ができる.施工管理(特に工程管理)の基本的事項を理解し,施工管理の手法を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は,社会資本の整備計画策定に関連する事項を取り扱う科目で土木系の基礎科目に位置付けられる.ここでは,調査結果の集計や分析をする上で必要なデータ分析法や数理解析手法の習得を狙いとする.また,社会資本整備のしくみについても講義する.

■関連する科目
4年:応用数学,応用情報処理、土木設計演習Ⅰ,地域及び都市計画
5年:交通工学
授業の進め方・方法:
はじめに公共事業の社会的役割としくみについて講義する.次に,確率・統計を中心にデータ分析や数理計画手法の理論と,その具体的な適用例を土木分野での例を挙げながら講義する.現象を数学的に取り扱う方法およびデータを分析する力の習得を目標とする.

・演習を通して理解度を確認し,家庭学習に生かす.とにかく問題に多く触れ,理解を深めること.
・次回の予告の中で,必要な基本事項を示すので,復習しておくこと.

・演習問題を多く扱うので,積極的に問題に取り組み理解を深めて欲しい.
・理論的な理解だけでなく,問題に適切な手法を選択できるようになってもらいたい.
注意点:
* 4回の定期試験および演習・実習により,具体的目標項目の到達度を評価する.
* 定期試験(80%),演習・レポート(20%)とし,60点以上を合格とする.
* 上式での評価が60点に満たない者については,学年末に到達度を確認するための試験を1回実施し,上記の評価と到達度の確認試験の平均点が60点以上となれば,評価を60点(合格)とする.

講義内容は既に学んだ数学の知識を活用することから,事前に復習する時間を確保すること。また,演習問題を解くことで理解度を確認すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(シラバスの説明)・計画学の歴史 計画の意義と考え方を理解する。
2週 社会資本とその特徴 社会資本の種類と特徴について説明できる。
3週 土木計画の策定過程 計画の策定過程について説明できる。
4週 計画の必要性の検討・需要予測 計画の必要性の検討・需要予測について説明できる。
5週 社会基盤施設の整備効果 社会基盤施設の整備効果について説明できる
6週 土木計画の評価法 -環境アセス・費用便益ー 環境アセスメントと費用便益分析について説明できる。
7週 国土形成計画と社会資本整備重点計画 国土形成計画と社会資本整備重点計画について説明できる。
8週 〔前期中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
10週 確率分布 -確率変数と確率分布- 主な理論確率分布について、条件や特徴、適用例を説明できる。
11週 確率分布 -正規分布- 正規分布について説明でき、計算ができる。
12週 確率分布 -二項分布・ポアソン分布- 二項分布・ポアソン分布について説明でき、計算ができる。
13週 確率分布 -確率密度関数- 確率密度関数について説明でき、計算ができる。
14週 確率分布 -確率密度関数-
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 多変量解析法 -多変量解析法の概要- 多変量解析法の概要について説明できる。
2週 多変量解析法 -重回帰分析- 重回帰分析について説明し、計算ができる。
3週 多変量解析法 -数量化Ⅰ類- 数量化Ⅰ類について説明し、計算ができる。
4週 多変量解析法 -解析結果と考察- 多変量解析の解析結果から考察を示すことができる。
5週 数理計画法 -数理計画法の概要,図解法- 数理計画法の概要について説明でき,図解法で求めることができる。
6週 数理計画法 -シンプレックス法- シンプレックス法について示し、計算ができる。
7週 数理計画法 -シンプレックス法- 同上
8週 〔後期中間試験〕
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説
10週 待ち行列理論 -確率遷移- 確率遷移モデルについて説明できる。
11週 待ち行列理論 -待ち行列モデル- 待ち行列モデルについて説明できる。
12週 施工管理 -ネットワーク理論- ネットワーク理論の概要と適用例を説明できる。
13週 施工管理 -工程管理(PERT)- 工程管理(PERT)について説明でき、日程計算ができる。
14週 施工管理 -工程管理(CPM)- 工程管理(CPM)について説明できる。
15週 〔学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境環境影響評価の目的を説明できる。1前6
計画計画の意義と計画学の考え方を説明できる。3前1,前2
二項分布、ポアソン分布、正規分布(和・差の分布)、ガンベル分布、同時確率密度関数を説明できる。3前11,前12
重回帰分析を説明できる。4後2
線形計画法(図解法、シンプレックス法)を説明できる。4後5,後6,後7
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。4前6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000