概要:
[4H]本科目では、数学Ⅱ(微積分)で学んだ微分積分の基礎を踏まえ、微分積分の応用と微分方程式、および数学Ⅱ(ベクトル)で学んだベクトルの延長である行列と1次変換を取り扱う。
[2H]本科目では、数学Ⅱ(微積分)で学んだ微分積分の基礎を踏まえ、2変数の微分法(偏微分)と積分法(重積分)についてと、数学Ⅲ(4H)で学んだ行列の継続である行列式と行列の応用を取り扱う。
授業の進め方・方法:
(授業方針)本講義は教科書を中心に進め、次の達成目標に関する解説と演習を行う。また、適宜授業内容を確認するための試験を実施する。[行列式の4H]の前半の微分積分と微分方程式、および後半の行列と1次変換における基本的な知識の修得と簡単な計算ができるようになることを目標とする。[2H]の前半は2変数の微分法と積分法、および後半の行列と行列式における基本的な知識の修得と簡単な計算ができるようになることを目標とする。
(評価方法)4回の定期試験の成績(80%)と、適宜実施する試験の成績(20%)によって目標項目の達成度を評価する。評価の低い学生に対しては、再評価を行うこともある。
注意点:
(学習方法)講義で取扱った授業内容は、教科書や問題集等を解くことにより復習を行う。また、次回の講義に該当する箇所について、教科書を一読し予習してくる。
(連絡事項)基本問題を何回も正確に解くことが大切です。また、講義や演習に関する質問は、数学科全員で対応しています。放課後を利用し気軽に声をかけてください。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
[4H]行列/行列の和・差、実数倍 [2H]2変数関数 |
□行列の定義に関する問題 □行列の和差及び実数倍に関する計算問題 □2変数関数の定義域及びグラフの形状に関する問題
|
2週 |
[4H]行列の積 [2H]偏導関数 |
□行列の積に関する計算問題 □正方行列の累乗に関する計算問題 □転置行列に関する問題 □2変数関数の偏導関数を求める問題 □2変数関数の第2次偏導関数を求める問題
|
3週 |
[4H]逆行列/連立2元1次方程式 [2H]合成関数の導関数・偏導関数 |
□正方行列の逆行列の定義に関する問題 □2次正方行列の逆行列を求める問題 □2元連立1次方程式を解く問題 □合成関数の偏微分法を利用する問題
|
4週 |
[4H]線形変換とその表現行列 [2H]接平面 |
□線形変換の定義に関する問題 □線形変換による像に関する問題 □2変数関数が表す曲面上の点における接平面を求める問題
|
5週 |
[4H]いろいろな線形変換 [2H]全微分と近似/2変数関数の極値 |
□直線や点に関する対称変換の表現行列に関する問題 □原点のまわりに回転にする変換の表現 行列に関する問題 □全微分と近似に関する問題
|
6週 |
[4H]合成変換と逆行列 [2H]極値判定 |
□合成変換の表現行列を求める問題 □逆変換の表現行列を求める問題 □2変数関数の極値を求める問題
|
7週 |
[4H]直交行列と直交変換 [2H]陰関数の微分方法 |
□直交行列に関する問題 □f(x,y)=0から定まる陰関数の導関数を求める問題
|
8週 |
(前期中間試験) |
評価項目1
|
2ndQ |
9週 |
[4H]曲線の媒介変数表示 [2H]条件付き極値問題 |
□媒介変数表示で表される曲線に関する問題 □ある条件のもとでの2変数関数の極値を求める問題
|
10週 |
[4H]媒介変数表示と微分法 [2H]2重積分 |
□媒介変数表示で表される曲線上の接線を求める問題 □2重積分の定義に関する問題 □2重積分を累次積分によりその値を計算する問題
|
11週 |
[4H]媒介変数と積分法 [2H]2重積分 |
□媒介変数表示で表される曲線と直線で囲まれる図形の面積を求める問題 □媒介変数表示で表される曲線の線分の長さを求める問題 □積分順序の変更を行う問題
|
12週 |
[4H]媒介変数と積分法 [2H]変数変換 |
□曲線の長さを求める問題 □一般の変数変換を用いて2重積分の値を求める問題
|
13週 |
[4H]極座標と極方程式 [2H]変数変換 |
□極座標と直交座標に関する問題 □極方程式で表される曲線に関する問題 □極座標変換を用いて2重積分を求める問題
|
14週 |
[4H]極方程式と積分法 [2H]2重積分の応用 |
□極方程式で表される曲線と直線によって囲まれる図形の面積を求める問題 □極方程式で表される曲線の線分の長さを求める問題 □2重積分を用いて立体の体積を求める問題
|
15週 |
[4H]数値積分/広義積分 [2H]2重積分の応用 |
□数値計算(台形公式)に関する問題 □広義積分に関する問題 □2重積分を用いて平面図形の重心を求める問題
|
16週 |
(前期末試験) |
評価項目2
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
[4H]高次導関数 [2H]3次正方行列の行列式 |
□高次導関数を求める問題 □2次及び3次の行列式の値を求める問題 □クラメルの公式による連立方程式を解く問題
|
2週 |
[4H]べき級数 [2H]n次正方行列の行列式 |
□収束半径を求める問題 □順列の符号を求める問題
|
3週 |
[4H]テイラーの定理とテイラー展開 [2H]行列式の性質 |
□べき級数展開に関する問題 □行列式の性質を用いて4次正方行列式の値を求める問題
|
4週 |
[4H]テイラーの定理とテイラー展開 [2H]行列の積の行列式/行列式の展開 |
□べき級数展開に関する問題 □行列の積の行列式に関する問題
|
5週 |
[4H]マクローリン展開と関数の近似 [2H]行列式の展開/行列の応用 |
□マクローリン展開に関する問題 □余因子による逆行列を求める問題
|
6週 |
[4H]マクローリン展開と関数の近似 [2H]行列式の応用 |
□オイラーの公式に関する問題 □行列式を用いて平行四辺形の面積や平行六面体の体積を求める問題
|
7週 |
[4H]微分方程式 [2H]基本変形による連立1次方程式の解法 |
□微分方程式の意味に関する問題 □基本変形による連立1次方程式を解く問題
|
8週 |
(後期中間試験) |
評価項目3
|
4thQ |
9週 |
[4H]変数分離形 [2H]基本変形による逆行列の計算 |
□変数分離形の微分方程式を解く問題 □基本変形による逆行列を解く問題
|
10週 |
[4H]線形微分方程式 [2H]行列の階数 |
□1階線形微分方程式を解く問題 □行列の階数を求める問題
|
11週 |
[4H]線形微分方程式 [2H]行列の階数と連立1次方程式 |
□1階線形微分方程式を解く問題 □係数行列が正則でない連立方程式の解を求める問題
|
12週 |
[4H]斉次2階線形微分方程式 [2H]ベクトルの線形独立と線形従属 |
□定数係数斉次2階線形微分方程式を解く問題 □線形独立と線形従属に関する問題
|
13週 |
[4H]非斉次2階線形微分方程式 [2H]固有値と固有ベクトル
|
□定数係数2階線形微分方程式を解く問題 □固有値と固有ベクトルに関する問題
|
14週 |
[4H]非斉次2階線形微分方程式 [2H]行列の対角化 |
□定数係数2階線形微分方程式を解く問題 □対角化に関する問題
|
15週 |
[4H]2階線形微分方程式の応用 [2H]対称行列の対角化 |
□運動方程式F=maに関する問題 □対称行列の直行行列による対角化に関する問題
|
16週 |
(後期末試験) |
評価項目4
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | 前1 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 3 | 前3 |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 3 | 後1 |
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 前4 |
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 前6 |
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 前5 |
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。 | 3 | 前9,前10 |
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。 | 3 | 前1 |
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。 | 3 | 前3 |
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。 | 3 | 前2 |
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。 | 3 | 前6 |
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。 | 3 | 前10 |
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。 | 3 | 前13 |
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。 | 3 | 前14 |
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後7 |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後11 |
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後12 |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | 後5 |
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。 | 3 | 後6 |