物理II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理II
科目番号 0162 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「物理基礎」「物理」 中村英二 他著 第一学習社 「リードLightノート物理」「フォローアップドリル物理(電気と磁気)」 数研出版
担当教員 東田 洋次

到達目標

1.運動量保存法則を正しく理解し,問題に適用できる。
2.等速円運動と単振動,万有引力について正しく理解し,問題に適応できる。
3.電場と電位について基本的な問題を解くことができる。
4.回路を流れる電流や電圧について,計算することができる。
5.微分・積分を力学に適用することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.運動量保存法則を正しく理解し,問題に適用できる。さまざまな問題に運動量保存法則の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な運動量保存法則の問題を解くことができる。基本的な運動量保存法則の問題を解くことができない。
2.等速円運動と単振動,万有引力について正しく理解し,問題に適応できる。さまざまな問題に等速円運動と単振動,万有引力の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な等速円運動と単振動,万有引力の問題を解くことができる。基本的な等速円運動と単振動,万有引力の問題を解くことができない。
3.電場と電位について基本的な問題を解くことができる。さまざまな問題に電場・電位の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な電場・電位の問題を解くことができる。基本的な電場・電位の問題を解くことができない。
4.回路を流れる電流や電圧について,計算することができる。 さまざまな回路に電流・電圧の概念を正しく適応し,計算することができる。基本的な回路の電流・電圧を計算することができる。 基本的な回路の電流・電圧を計算することができない。
5.微分・積分を力学に適用することができる。力学のさまざまな問題に微分・積分を適用することができる。力学の基本な問題に微分・積分を適用することができる。力学の基本な問題に微分・積分を適用することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年で学習した物理Ⅰに引き続き,物理学の基礎的な内容を学習する。具体的には,2年で学んだ力学の発展として円運動や万有引力,さらに電気についても学習する。また,数学で学習した微分・積分を力学に適用し,より体系的に学習する。
授業の進め方・方法:
物理Ⅱでは、物理Ⅰに引き続き、より進んだ内容について、物理的な思考方法とそれを表現する方法を学習する。演習問題を解きながら一層理解を深めるとともに,数式を取り扱う力をつける。
注意点:
物理は積み上げ型の理解が要求される科目なので、復習を欠かさず行うことが大切です。その日理解できなかった点は理解し,学んだことを整理し,次の授業に備えてください。また毎回,学んだ範囲に相当する問題集の問題を示すので,自分で解くとさらに理解が深まります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 運動量と力積 運動量と力積について理解し,問題を解くことができる。
2週 運動量保存の法則 運動量保存の法則を理解し,問題に正しく適応できる。
3週 運動量保存の法則2 運動量保存の法則について,反発係数やエネルギー保存を絡めた問題を解くことができる。
4週 等速円運動 等速円運動の要素(角速度,速度,加速度)について理解し,計算できる。
5週 慣性力と遠心力 慣性力と遠心力について理解し,問題を解くことができる。
6週 単振動 単振動の要素(角振動数,速度,加速度)について理解し,計算できる。
7週 単振り子とばね振り子 単振り子,ばね振り子の周期を導出できる。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。
10週 万有引力と天体の運動 ケプラーの法則,万有引力,その位置エネルギーについて理解し,問題を解くことができる。
11週 静電気とクーロンの法則 静電気力について,正しく求めることができる。
12週 電場と電気力線 電場と電気力線,ガウスの法則について理解し,問題を解くことができる。
13週 電位と等電位面 電位について理解し,一様な電場の場合と点電荷の場合について,電位を計算することができる。
14週 導体と不導体 導体と不導体の性質(静電誘導,誘電分極)について理解し,問題を解くことができる。
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。
後期
3rdQ
1週 コンデンサー コンデンサーとは何か理解し,静電容量,合成容量を計算できる。
2週 コンデンサー2 コンデンサーを接続した場合の電気量や電圧について理解し,問題を解くことができる。
3週 電流と抵抗 電流と抵抗,オームの法則について理解し,問題を解くことができる。
4週 電力とジュール熱 電力・電力量・ジュール熱について理解し,問題を解くことができる。
5週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則を正しく問題に適応し解くことができる。
6週 いろいろな回路 非直線抵抗やコンデンサーを含んだ回路について正しく把握し,問題を解くことができる。
7週 問題演習 問題演習することで,学習したことを定着させる。
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。
10週 物理量と微分・積分 変位・速度・加速度や仕事・力積を微分・積分を用いて計算できる。
11週 微分方程式としての運動方程式 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立てて,解くことができる。
12週 角運動量と角運動量保存則 角運動量を求めることができ,角運動量保存則について,例を挙げて説明できる。
13週 慣性モーメントと剛体の運動 簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができ,剛体の回転の運動方程式を立てて解くことができる。
14週 問題演習 問題演習することで,学習したことを定着させる。
15週 〔後期学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3

評価割合

試験確認テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801000010100
基礎的能力801000010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000