1. 建築構造の分類を理解し、鉄筋コンクリート構造(RC構造)・鉄骨構造(S構造)・鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC構造)について、各構法の特徴を説明することができる。
2. 鉄筋コンクリート構造に関して、構造形式および構造計画の要点を説明することができる。
3. 鉄筋コンクリート基礎の形式および設計上の留意点について説明できる。
4. 鉄筋コンクリート構造の躯体の構成および配筋の要点について説明できる。
5. 壁式構造およびプレストレストコンクリート構造について説明できる。
6. 高力ボルト・溶接など鋼材の接合について説明できる。
7. 鉄骨構造の骨組みの構成、耐震計画、骨組みの部材について説明できる。
概要:
建物に要求される条件は、建物の用途や環境などによって変化する。それらの様々な条件を満足するために数々の建築方法が考案されている。建築構法は、多様な建築構造の中から、主として、木構造、鉄筋コンクリート構造、鉄骨構造(鋼構造)について理解することを目的とし、各構造で用いられる材料の基本的な性質、柱・はり等の骨組みの役割および建築構造物の設計に必要な基本的事項について学ぶ。1年次において、建築構法Ⅰで主として木構造について学んだが、本科目(建築構法Ⅱ)では、鉄筋コンクリート構造および鉄骨構造について、コンクリート・鋼材の材料特性、構造計画、躯体の構成について学ぶ。
授業の進め方・方法:
本科目で使用する教科書は、図表が多く記載されており、建築構造の入門書として最適である。本講義では、実際の建築構造物をイメージしながら建築構造の基本概念について学ぶ。授業は講義形式で行い、必要に応じて視聴覚教材を使用して理解を深めるよう計画している。
注意点:
本科目は、建築構造を学ぶ上で基礎となるものであり、多くの専門用語が登場するので理解してほしい。建築士・施工管理技士試験などの資格試験内容と本科目内容は密接に関連している。また、4年次以降の建築系専門科目の基礎となることに留意すること。
前期中間試験と前期末試験の2回の定期試験を行い、平均点60点以上を合格とする。成績不振者については、前期末試験終了後に再試験を実施する。また、学年末に追認定試験を実施する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
鉄筋とコンクリート材料特性 |
鉄筋の規格・材料特性、各種セメントの特徴、コンクリートの材料特性について説明できる。
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2週 |
フレッシュコンクリート、硬化後のコンクリートの特性 |
コンクリートのフレッシュ性状および硬化コンクリートの力学的特性・耐久性について説明できる。
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3週 |
コンクリートの調合設計 |
コンクリートの調合管理強度、調合強度について説明でき、調合計算を行うことができる。
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4週 |
その他のコンクリート 鉄筋コンクリート基礎 |
寒中コンクリート、暑中コンクリート、高強度コンクリート、基礎の形式などが説明できる。
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5週 |
鉄筋コンクリート構造計画 |
鉄筋コンクリートの構造計画、柱、梁、耐力壁、スラブについて説明できる。
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6週 |
配筋の要点 |
鉄筋の付着・定着、配筋の要点についてまとめ説明できる。
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7週 |
鉄筋コンクリート壁式構造 プレストレストコンクリート構造 |
ラーメン構造と比較した壁式構造およびプレストレストコンクリートの特徴について説明できる。
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8週 |
前期中間試験 |
60点以上を合格とする。
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2ndQ |
9週 |
中間テストの答案返却 鋼構造の特徴 |
試験問題の内容を点検し、すべて理解することができる。鋼構造の特徴について説明できる。
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10週 |
鋼と鋼材の材料特性 |
鋼材の物理的特性および機械的特性について説明できる。
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11週 |
鋼材の接合 |
高力ボルト接合、溶接接合について、接合の種類を説明できる。
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12週 |
基礎 骨組みの構成 |
基礎の形式、骨組みの構成について説明できる。
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13週 |
耐震計画 骨組みの部材 |
耐震、免震、制震について説明することができる。柱、梁、筋かいなどの部材の役割を説明できる。
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14週 |
耐火被覆 鉄骨鉄筋コンクリート構造 |
耐火被覆の種類・目的、またSRC構造の特徴について説明できる。
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15週 |
前期末試験 |
前期中間試験との平均点により60点以上を合格とする。
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16週 |
答案返却、解答・解説、講義のまとめ |
試験問題の内容を点検し、すべて説明することができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 材料 | セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。 | 3 | |
セメントの種類・特徴について説明できる。 | 4 | 前1 |
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。 | 4 | 前1 |
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。 | 4 | 前2 |
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。 | 4 | 前3 |
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。 | 4 | 前2 |
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。 | 4 | 前2 |
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。 | 3 | 前4 |
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。 | 3 | 前4 |
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。 | 4 | 前2 |
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。 | 4 | 前10 |
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。 | 4 | 前10 |
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。 | 4 | |
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。 | 4 | 前10 |
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。 | 4 | 前10 |
施工・法規 | 鉄筋の加工について説明できる。 | 4 | 前6 |
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。 | 4 | 前6 |
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。 | 4 | 前6 |
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。 | 4 | 前6 |
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。 | 4 | 前6 |
型枠の材料、種類をあげることができる。 | 3 | |
型枠の組立て手順について説明できる。 | 4 | |
せき板の存置期間について説明できる。 | 4 | |
支保工の存置期間について説明できる。 | 4 | |
使用材料の試験・管理値について説明できる。 | 3 | |
生コンの発注について説明できる。 | 4 | |
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。 | 4 | |
養生の必要性について説明できる。 | 4 | |
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。 | 4 | 前12,前13 |