建築設計演習I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建築設計演習I
科目番号 0173 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 建築設計資料集成(日本建築学会編)/「新建築」、「a+u」、「住宅特集」(以上新建築社)、「GA JAPAN」(A.D.A.EDITA Tokyo)ほか
担当教員 森山 学,勝野 幸司,川口 彩希

到達目標

1.自分の役割を意識しながら、グループ内で方針を共有し、積極的に共同作業ができる。
2.必要な情報が何かを考え、自発的に現地調査を行い、調査結果をまとめることができる。
3.構想を的確に伝えるスケッチパース、模型、プレゼンテーションシートを制作できる。
4.地域の風土・歴史・文化・暮らし、地域住民の思いに配慮した設計ができる。
5.設計条件、利用者の基準寸法・アクティビティを踏まえた実物大の作品を制作できる。
6.中規模公共・公益施設の設計のポイントを押さえた計画ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自分の役割を意識しながら、グループ内で方針を共有し、積極的に共同作業ができる。自分の役割を意識しながら、グループ活動ができる。自分の役割を意識したグループ活動ができない。
評価項目2必要な情報が何かを考え、自発的に現地調査を行い、調査結果をまとめることができる。現地調査を行い、調査結果をまとめることができる。現地調査を行うことができず、また調査結果をまとめることができない。
評価項目3構想を的確に伝えるスケッチパース、模型、プレゼンテーションシートを制作できる。構想をおおまかに伝えるスケッチパース、模型、プレゼンテーションシートを制作できる。構想を伝えるスケッチパース、模型、プレゼンテーションシートを制作できない。
評価項目4地域の風土・歴史・文化・暮らし、地域住民の思いに配慮した設計ができる。地域の風土・歴史・文化・暮らし、地域住民の思いに配慮した設計が部分的にできる。地域の風土・歴史・文化・暮らし、地域住民の思いに配慮した設計ができない。
評価項目5設計条件、利用者の基準寸法・アクティビティを踏まえた実物大の作品を制作できる。設計条件、利用者の基準寸法・アクティビティを部分的に踏まえた実物大の作品を制作できる。設計条件、利用者の基準寸法・アクティビティを踏まえた実物大の作品を制作できない。
評価項目6中規模公共・公益施設の設計のポイントを押さえた計画ができる。中規模公共・公益施設の設計のポイントを部分的に押さえた計画ができる。中規模公共・公益施設の設計のポイントを押さえた計画ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 これまでの製図・設計技術だけでなく、他の科目で習得してきた知識、現地調査・文献調査で得た情報、グループでの意見交換を活用し、総合的な能力を発揮して、建築設計を行う。課題は①地域の課題を発見し建築的手法により解決策を提案する発見・提案型、②実物大の作品をデザイン・制作するものづくり実現型、③地域に建つことを想定した中規模公共・公益施設を設計する課題設定型、の3つとする。
※実務との関係
 この科目は、建築設計について実習形式で授業を行うものである。年度末の学科のクライマックス講評会ならびに一部の設計課題の最終回は、企業や行政で建築設計や製造物設計を担当している者が担当し、講評を行う。
授業の進め方・方法:
 数名でグループを作り、各グループが担当教員の一人につくスタジオ制。グループメンバー、スタジオは各課題ごとにシャッフルする。課題①は5年生の「建築設計演習Ⅱ」と合同で進める。グループで調査、計画、設計、制作、プレゼンテーションの全過程を協働する。スタジオ教員はグループ内での作業の進め方についてアドバイスし、エスキスチェックを行い、グループの自発的取り組みを促す。模型を使ったエスキスをしてみる。課題終了後に自己点検、相互評価を実施する。
 ①はデザコンのテーマとするので、授業終了後、ブラッシュアップしてデザコンに応募することを目指す。
 各課題の優秀作品は学科のクライマックス講評会に選抜するほか、学外で展示する。
注意点:
・グループワークで意見を出し合う段階では、出た意見を批判せず、自分の意見に固執しないようにしましょう。
・意見を具体的な計画に収束させていく段階では、よりよい化学反応がおこるよう大いに議論しましょう。
・現地調査、ヒアリング調査では、小さな発見と感動を見落とさないようアンテナを張り、新たに得た情報(発見と感動)は必ずメモしましょう。
・一見建築に結びつきそうにない遠回りを大切にしましょう。
・計画段階では地域本来の良さを活かすことに心がけましょう。
・実際の建物や建築系雑誌などで、いい事例を見ましょう。このデザインを今度使ってみようと、考えながら見ましょう。
・課題②では、部材の納まりなどリアルな発想が求められます。また安全を怠ることなく作業しましょう。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、課題①説明 積極的なグループ活動ができる。
2週 現地調査 積極的な調査活動ができる。
3週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換をもとにコンセプトをまとめることができる。
4週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換とコンセプトをもとにエスキスができる。
5週 中間発表 プレゼンテーションができる。
6週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換とコンセプトをもとにエスキスができる。
7週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換とコンセプトをもとにエスキスができる。
8週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換とコンセプトをもとにエスキスができる。
2ndQ
9週 中間発表 プレゼンテーションができる。
10週 製図、模型製作 構想をもとに図面、模型などを作成できる。
11週 製図、模型製作 構想をもとに図面、模型などを作成できる。
12週 製図、模型製作 構想をもとに図面、模型などを作成できる。
13週 プレゼンテーションシート作成 構想をもとにプレゼンテーションシートを作成できる。
14週 プレゼンテーションシート作成 構想をもとにプレゼンテーションシートを作成できる。
15週 (定期試験)
16週 講評会、自己点検、課題②説明 プレゼンテーションができる。
後期
3rdQ
1週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換をもとにコンセプトをまとめることができる。
2週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換とコンセプトをもとにエスキスができる。
3週 中間発表 プレゼンテーションができる。
4週 製図 構想をもとに図面、模型などを作成できる。
5週 実物制作 実物大の作品を制作できる。
6週 実物制作、プレゼンテーション作成 実物大の作品を制作できる。
構想をもとにプレゼンテーションシートを作成できる。
7週 講評会、課題③説明 プレゼンテーションができる。
8週 現地調査 積極的な調査活動ができる。
4thQ
9週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換をもとにコンセプトをまとめることができる。
10週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換とコンセプトをもとにエスキスができる。
11週 スタジオ活動(調査、打合せ、エスキス) 調査結果と意見交換とコンセプトをもとにエスキスができる。
12週 中間発表 プレゼンテーションができる。
13週 製図、模型製作、プレゼンテーションシート作成 構想をもとに図面、模型などを作成できる。
14週 製図、模型製作、プレゼンテーションシート作成 構想をもとに図面、模型などを作成できる。
15週 (定期試験)
16週 講評会 プレゼンテーションができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野設計・製図線の描き分け(3種類程度)ができる。3前10,前11,前12,後4,後13,後14
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。3前10,前11,前12,後4,後13,後14
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。3前10,前11,前12,後4,後13,後14
図面の種類別の各種図の配置を理解している。3前10,前11,前12,前13,前14,後4,後13,後14
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。3前10,前11,前12,後4,後13,後14
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。4前10,前11,前12,前13,前14,後4,後6,後13,後14
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。4前10,前11,前12,前13,前14,後4,後5,後6,後13,後14
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,後1,後2,後3,後9,後10,後11,後12
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。4前4,前6,前7,前8
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。4前10,前11,前12,後4,後13,後14
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。4前10,前11,後4,後5,後6,後13,後14
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。4前5,前9,前16,後3,後7,後12,後16
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。3前2,前3,前4,前6,前7,前8,後8,後9,後10,後11
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。3前5,前9,前16,後3,後7,後12,後16
建築における形態(ものの形)について説明できる。3前5,前9,前16,後3,後7,後12,後16
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2前1,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前16,後1,後2,後3,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後16
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前16,後1,後2,後3,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後16
他者の意見を聞き合意形成することができる。2前1,前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後9,後10,後11
合意形成のために会話を成立させることができる。2前1,前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後9,後10,後11
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2前1,前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後9,後10,後11
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前2,前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後8,後9,後10,後11
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後9,後10,後11
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前5,前9,前13,前14,前16,後3,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後16
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2前5,前9,前13,前16,後3,後7,後12,後16
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前5,前9,前13,前16,後3,後7,後12,後16
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前5,前9,前13,前16,後3,後7,後12,後16
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2,前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後8,後9,後10,後11
複数の情報を整理・構造化できる。2前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後9,後10,後11
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2前1,前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後9,後10,後11
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2前5,前9,後3,後12
事実をもとに論理や考察を展開できる。2前3,前5,前6,前7,前8,後1,後2,後9,後10,後11
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前5,前9,前13,前14,前16,後3,後6,後7,後12,後13,後14,後16
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
目標の実現に向けて計画ができる。2前1,前2,前3,前4,前6,前7,前8,後1,後2,後5,後8,後9,後10,後11
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。1前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。1前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている1前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2前16,後7,後16
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前5,前9,前16,後3,後7,後12,後16

評価割合

グループ評価個人評価合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力700000070
分野横断的能力030000030