鋼構造工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 鋼構造工学
科目番号 0180 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 建築学構造シリーズ「建築鉄骨構造 改訂3版」 松井千秋 編著,オーム社
担当教員 後藤 勝彦

到達目標

1.鉄骨構造の種類と特徴が説明できる。
2.荷重の種類と設計方法の考え方を説明できる。
3.鋼材の性質を説明できる。
4.鉄骨構造で用いる接合法の説明ができる。
5.座屈現象が説明できる。
6.引張材,圧縮材,曲げ材の設計計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鉄骨構造を,力学面と材料面から説明ができる。鉄骨構造が説明できる。鉄骨構造とコンクリート構造の区別ができない。
評価項目2荷重の種類の説明ができ,各種設計方法の特徴について説明することができる。設計方法と荷重の種類をそれぞれ答えられる。構造設計に用いる荷重が答えられない。
評価項目3鋼材の応力-ひずみ関係から材料の特徴を説明することが出来る。建築構造用のJIS鋼材の種類が答えられる。鋼材と他の材料との区別ができない。
評価項目4高力ボルト接合と溶接接合の設計計算ができる。 高力ボルト接合法と溶接接合法の説明ができる。 接合方法が説明できない。
評価項目5部材の座屈の基礎式が誘導でき,座屈荷重の計算ができる。圧縮材と曲げ材の座屈現象が説明できる。 座屈現象が説明できない。
評価項目6鋼構造設計規準に基づいた設計計算ができる。各部材の設計上の観点が説明できる。 部材の種類が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
社会基盤を支えている構造物の主たる材料として鋼材がある。この鋼材を用いた鉄骨構造の構造設計について,その材料としての性能や荷重や接合部の設計手法について,鋼構造設計基準に基づいた講義を行う。
授業の進め方・方法:
前半は専門用語の理解を中心に解説をし,材料,荷重,接合と各部の説明をしながら演習問題で理解を深めていく。最終的には設計断面力に適した断面設計まで講義を行う。
注意点:
構造力学で学んだ力学挙動は必要不可欠であるため,随時,復習を行うことが望ましい。また,設計計算は単純な計算ではないため,確実にスピーディーに取りかかることが求められる。日頃から手を動かして演習問題に取り組む習慣が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義ガイダンス 鋼構造物の種類と特徴を理解する。
2週 鋼構造物の各種設計法 鋼構造物の各種設計方法の違いと観点を理解する。
3週 鋼構造物の各種設計法 鋼構造物の各種設計方法の違いと観点を理解する。
4週 鋼構造物の各種設計法 鋼構造物の各種設計方法の違いと観点を理解する。
5週 鋼材の種類 鋼材の種類と特徴を理解する。
6週 鋼材の種類 鋼材の種類と特徴を理解する。
7週 鋼材の種類 鋼材の種類と特徴を理解する。
8週 前期中間試験 これまでの学習のまとめ
2ndQ
9週 答案の返却と解説
高力ボルト接合
定期試験の復習
10週 高力ボルト接合 高力ボルト接合の力学理論と設計を修得する。
11週 高力ボルト接合 高力ボルト接合の力学理論と設計を修得する。
12週 溶接接合 溶接の力学理論と設計を修得する。
13週 溶接接合 溶接の力学理論と設計を修得する。
14週 溶接接合 溶接の力学理論と設計を修得する。
15週 前期末試験 これまでの学習のまとめ
16週 答案の返却と解説 定期試験の復習
後期
3rdQ
1週 座屈理論 鋼材の座屈現象と理論を修得する。
2週 座屈理論 鋼材の座屈現象と理論を修得する。
3週 座屈理論 鋼材の座屈現象と理論を修得する。
4週 座屈理論 鋼材の座屈現象と理論を修得する。
5週 軸力を受ける部材の設計 軸方向力(圧縮,引張)を受ける部材設計を学ぶ。
6週 軸力を受ける部材の設計 軸方向力(圧縮,引張)を受ける部材設計を学ぶ。
7週 軸力を受ける部材の設計 軸方向力(圧縮,引張)を受ける部材設計を学ぶ。
8週 後期中間試験 これまでの学習のまとめ
4thQ
9週 軸力を受ける部材の設計 軸方向力(圧縮,引張)を受ける部材設計を学ぶ。
10週 軸力を受ける部材の設計 軸方向力(圧縮,引張)を受ける部材設計を学ぶ。
11週 曲げモーメントとせん断力を受ける部材の設計 曲げモーメントせん断力を受ける部材設計を学ぶ。
12週 曲げモーメントとせん断力を受ける部材の設計 曲げモーメントせん断力を受ける部材設計を学ぶ。
13週 曲げモーメントとせん断力を受ける部材の設計 曲げモーメントせん断力を受ける部材設計を学ぶ。
14週 曲げモーメントとせん断力を受ける部材の設計 曲げモーメントせん断力を受ける部材設計を学ぶ。
15週 学年末試験 これまでの学習のまとめ
16週 答案の返却と解説 1年間の学習をまとめる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量巻尺による測量で生じる誤差を説明でき、測量結果から計算ができる。2
単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。2
生じる誤差の取扱いを説明できる。2
種類、手順および方法について、説明できる。2
昇降式や器高式による直接水準測量を説明でき、測量結果から計算ができる。2
生じる誤差の取扱いを説明できる。2
地形測量の方法を説明できる。2
等高線の性質とその利用について、説明できる。2
単心曲線、緩和曲線、縦断曲線が説明できる。2
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。2
材料コンクリートの長所、短所について、説明できる。2
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。2
配合設計の手順を理解し、計算できる。2
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。2
構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4後1,後2,後3,後4,後11,後12,後13,後14
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4後1,後2,後3,後4,後11,後12,後13,後14
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4後1,後2,後3,後4,後11,後12,後13,後14
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4前5,前6,前7,後11
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4後1,後2,後3,後4,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4後1,後2,後6,後7,後10,後12,後13,後14
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4後1,後2,後5,後6,後7,後9
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4前1,前2,前3,前4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4前2,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14
地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。2
土の締固め特性を説明できる。2
ダルシーの法則を説明できる。2
透水係数と透水試験について、説明できる。2
土のせん断試験を説明できる。2
地盤内応力を説明できる。2
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。2
圧密沈下の計算を説明できる。2
有効応力の原理を説明できる。2
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。2
基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。2
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。2
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。2
水理水理学で用いる単位系を説明できる。2
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。2
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。2
浮力と浮体の安定を計算できる。2
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。2
層流と乱流について、説明できる。2
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。2
河川の分類と流域について、説明できる。2
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。2
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。2
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。2
日本の水資源の現況について、説明できる。1
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。2
津波と高潮の特徴を説明できる。2
環境水の物性、水の循環を説明できる。1
水質指標を説明できる。1
水質汚濁の現状を説明できる。1
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。1
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。1
水道の役割、種類を説明できる。2
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。2
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。2
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。2
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。2
汚泥処理・処分について、説明できる。2
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。1
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。1
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。1
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。1
環境影響評価の目的を説明できる。1
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。1
生物多様性の現状と危機について、説明できる。1
生態系の保全手法を説明できる。1
生態系や生物多様性を守るための施策を説明できる。1
計画交通流調査(交通量調査、速度調査)、交通流動調査(パーソントリップ調査、自動車OD調査)について、説明できる。1
交通需要予測(4段階推定)について、説明できる。1
交通流、交通量の特性、交通容量について、説明できる。3
性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。3
計画の意義と計画学の考え方を説明できる。2
二項分布、ポアソン分布、正規分布(和・差の分布)、ガンベル分布、同時確率密度関数を説明できる。2
重回帰分析を説明できる。2
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。2
施工・法規建設機械の概要を説明できる。1
製図線と文字の種類を説明できる。2
平面図形と投影図の描き方について、説明できる。2
CADソフトウェアの機能を説明できる。2
図形要素の作成と修正について、説明できる。2
画層の管理を説明できる。2

評価割合

試験ノート相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合801000010100
基礎的能力0000000
専門的能力801000010100
分野横断的能力0000000