ITデザイン演習

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 ITデザイン演習
科目番号 0184 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高本孝頼著「みんなのArduino入門」リックテレコム
担当教員 入江 博樹

到達目標

1.□グループで協力して、与えられた課題に必要な計測モニタリングの情報を抽出ができる。
2.□環境モニタリングの為に、Arduinoを使った電子回路を企画することができる。
3.□センサ回路で得られた電気的な情報を整理し、環境情報の把握に利用することができる。
4.□グループワークに参加し,意見を述べたり製作を担当したりすることができる。
5.□グループで検討した企画を適切な資料と共にプレゼンテーションをすることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
課題に必要な計測モニタリングの情報を抽出ができる。測定した計測データをパソコン取り込み、保存して、整理することができる。対象とすべき測定物を理解し、必要な測定機器を用意して、測定することができる。対象とすべき計測物を認識することが出来ない。必要な測定機器を操作できない。
電子回路(Arduino)を使ったデータ収集ができる必要に応じて、センサーデータを取り込むためのプログラムを作成することができる。それに応じた簡単な電子回路を組み立てることができる。与えられた電子回路と例題プログラムを利用して、センサーデータを取り込むためのプログラムをコンパイルすることができる。自分一人では、ArduinoをPCに接続して、プログラムを動かす準備ができない。
センサの情報を整理し、環境情報の把握に利用ができるPCに取り込んだデータを環境情報として、Excel等を利用して、適切な物理量として取り扱うことができる。必要なグラフを描画することができる。適切なセンサからの電気信号をArduino経由で取り込むことができる。取り込まれたデータと実際の物理量の対応式を示すことができる。適切なセンサからの電気信号をPCに取り込むことが出来ない。取り込まれたデータの意味が理解できない。
グループワークに参加し,意見をまとめたり、作業を分担できる。与えられた仕事においてリーダシップを取り、自分の役割を果たすことができる。他のメンバーへ、共同作業の依頼ができる。班においてメンバーの役割分担や仕事量を理解し、自分に任せられた役割とそれに合った働き方を、説明することができる。グループ内での自己の役割分担を認識できていない。グループの示す目標やメンバー相互の関係を理解できていない。
グループで環境計測機器を企画し、計測結果をプレゼンテーションで示すことができる。各自がそれぞれの役割で適切なリーダシップを発揮し、プレゼンテーションすることができる。質問や意見にも適切に対応することができる。グループでの話し合いに参加し、プレゼンテーション資料を分担して作成し、発表会に望む。グループの示す目標とその結果を示すことができる。プレゼンテーション資料を作ることができない。発表会に参加しない。グループの示す目標が分からない。
土木・建設分野でのIoTの事例を説明できる。IoTシステムを構築し、そのシステムを使って得た情報を分析して説明することができる。企業や学校などでの事例について説明することができる。IoTと土木・建設分野の関係を具体的に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では,地球環境や社会基盤に関係するテーマを課題として与え,それらの課題を解決する方法をICT技術を活用した解決方法をPBL手法で検討する。具体的には,ワンチップマイコンを使って環境情報をモニタリングし、それから得られた情報を処理して解決策を探る。 また、IoTの概要とそのアプローチ方法について学ぶ。計測機器の製作,調査,データ整理などの一連の流れは、グループで取り組みむ。得られた結果はレポートと発表会にて報告する。
授業の進め方・方法:
前期前半はマイコンボード(Arduino)とセンサーの使い方を学びます。並行して過年度の事例と今年度の課題案についても理解します。
前期後半からは、実際にグループをつくって問題解決のためのものづくり(IoTシステムの設計)を行います。
後期前半は、作成した試作機を利用してデータの収集と分析、試作機の改良がおもな内容です。
後期後半は、プレゼンテーション資料の取りまとめ、データの整理がおもな内容となります。
・ グループワークは,チームワークを発揮し,役割分担を明確にすること。
・ 授業時間以外にも、積極的に情報を収集してください。良いアイデアを導くには情報収集や意見交換が重要です。
注意点:
* ITデザイン演習では共同作業が多いので、学生グループ間での意思疎通の方法についても学んでください。
* 購入したい物品については、事前に教員とよく相談をしてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義のガイダンス,グループ分け 与えらた課題について理解を深める。過年度の例を確認する。
2週 [テーマの提示]地球環境や社会基盤に関係するテーマを提示する。 ITを使った環境モニタリングなどのIoTの事例を知る。
3週 [マイコン技術の修得]Arduinoをつかったプログラミング技術を修得する Arduinoの使い方(コンパイル、データの入出力)について学ぶ
4週 [目標の設定とアプローチの検証]与えられたテーマに対し,検証内容やその方法の検討 Arudinoと一緒に使うセンサーについて学ぶ
5週 [マイコン技術の修得]Arduinoをつかったプログラミング技術を修得する Arduinoを使ったセンサーでの環境モニタリング(その1)
6週 [マイコン技術の修得]Arduinoをつかったプログラミング技術を修得する Arduinoを使ったセンサーでの環境モニタリング(その2)
7週 [目標の設定とアプローチの検証]企画して発表する Arduinoを使ったセンサーでの環境モニタリングとデータの処理
8週 〔中間試験〕(マイコンの知識確認、設定したテーマの内容についての確認) ArduinoをつかったIoTに関する技術的な知識を筆記試験で確認する
2ndQ
9週 [機器の設計と試作(1)]企画したプランに従い,計測機器の設計と試作を行う。作業には安全性に十分に留意する。 過去の事例や教員らが提案した事例を参考に、課題プロジェクトと解決チームを構成する。
10週 [機器の設計と試作(2)] 課題に応じた、IoT機器の仕様を検討(その1)
11週 [機器の設計と試作(3)] 課題に応じた、IoT機器の仕様を検討、簡単な試作(その2)
12週 [機器の設計と試作(4)] 課題に応じた、IoT機器の仕様を決める(その1)
13週 [機器の設計と試作(5)] 課題に応じた、IoT機器の仕様を決める、簡単な試作(その2)
14週 [機器の設計と試作(6)] 課題に応じた、IoT機器の仕様に合わせて設計する、物品等の発注リスト
15週 〔前期末試験〕(グループ作業評価と反省) 設計した仕様について、プレゼンを行う。他のグループとの意見交換。
16週 前期のまとめと振り返り、後期の製作/調査の計画 試作品、プレゼン資料の取りまとめ。改良案の検討をまとめる。
後期
3rdQ
1週 [製作/調査(1)]製作した計測機器を用いてデータ収集を行う。データ収集では随時状況を評価し,なるべく多くのデータをサンプリングするように努める。 実際の回路やプログラムを試作 データの収集方法の検討(その1)
2週 [製作/調査(2)] 実際の回路やプログラムを試作 データの収集方法の検討(その2)
3週 [製作/調査(3)] 実際の回路やプログラムを試作 データの収集方法の検討(その3)
4週 [製作/調査(4)] 試作を現場に持ち出して実際にデータ収集する。
5週 [製作/調査(5)] プレゼンでの発表内容を検討する。(アピールポイントの確認)(データの収集)
6週 [製作/調査(6)] プレゼン資料の取りまとめ、図や写真等の作成。
7週 [製作/調査(7)] プレゼン資料をまとめる。他班のどうこうについても情報交換する。
8週 〔中間試験〕(中間報告) 中間報告会。他班との意見交流。
アピールポイントと改善点との確認。資料を提出
4thQ
9週 [データ整理と分析(1)]得られたデータを整理し,データを用いて説明できるように分析する プレゼンでの報告内容を意識してデータ分析を行う
10週 [データ整理と分析(2)] プレゼンでの報告内容を意識してデータ分析を行う。チラシなどの説明資料に必要なデータを取りまとめる。
11週 [データ整理と分析(3)] 作品を説明するための資料をまとめる。必要なデータ整理し、分析を行う。
12週 [報告書の作成(1)]報告書を作成し,プレゼンテーションを実施するための準備を行う 雛形のフォルダに合わせて、必要なデータを分類する
13週 [報告書の作成(2)] 雛形のフォルダに合わせて、必要なデータを保存する。不足している提出すべき情報がないか確認する
14週 報告会 報告会で意見交換を実施する。プレゼン資料。製作物の最終調整
15週 〔学年末試験〕(デーマのまとめ、IT関連の知識の確認、チームワークの成果について確認) 報告会を実施し、班ごとの相互評価を実施。チーム内での相互評価と自己評価を実施する
16週 全体のまとめと振り返り。借用品等の返却 片付け、返却確認。 資料などの保管し、提出

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。4
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。4
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。4
自然科学物理電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。4
有効数字を考慮して、データを集計することができる。4
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前9,前15
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前10,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前10,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前9,後12,後13,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前9,後12,後13,後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前9,後12,後13,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前9,後12,後13,後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前8,前10,前11,前12,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前8,前10,前11,前12,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前8,前10,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前8,前15
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前3,前4,前5,前6,後15
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3前3,前4,前5,前6,後15
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3前3,前4,前5,前6,後15
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3前6,後15
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前6,後15
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3前6,後15
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前6,後15
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前6,後15
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60401010100130
基礎的能力300000030
専門的能力0000000
分野横断的能力30401010100100