概要:
自然災害の中で地震災害を主な対象として、地震工学および防災計画の基礎的内容について学ぶ。地震災害の原因となる地震動の特性、構造物の耐震設計の基本的な考え方とその基礎的な計算方法、地震災害の状況および各種自然災害への取り組みなどについて講義する。
授業の進め方・方法:
地震災害を主に、地震工学および防災計画の基礎的内容について講義する。地震動の特性、構造物の耐震設計の基本的な考え方や基礎的な計算、地震災害の状況や地震防災への取り組みなどについて、地震防災に関連する種々の問題について講義を進める。また各種自然災害の内容および対策、及び我が国での防災システム全体像の概略を把握するため防災基本計画の基礎的な内容を講義する。後半部分については、学生参画型の講義を実施する。
注意点:
わが国は地理的、気候的にも自然災害の顕著な国土であり、社会の調和的発展・維持のために自然災害を防ぐ、あるいは被害を軽減することが重要である。最近は自然災害の強度が増しており、今後の対応が社会問題となってきている。防災工学は社会全般と広く関わりをもつ分野であり、そのような背景を理解し、防災だけに限らず社会基盤整備の在り方への理解を高めるよう努力してもらいたい。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 後3 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 後1 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 後3 |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | 後1 |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | 後1 |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 後2 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
運動の法則について説明できる。 | 3 | 後2 |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | 後3 |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | 後2 |
ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。 | 3 | 後1,後11 |
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。 | 3 | 後1,後10 |
マグマの生成と火山活動を説明できる。 | 3 | 後12,後13 |
地震の発生と断層運動について説明できる。 | 3 | 後1,後2,後4,後5,後12 |
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。 | 3 | 後1,後4,後5,後10,後13 |
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。 | 3 | 後1,後4,後5,後13 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 3 | |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 3 | |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 3 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 3 | |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 3 | |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 3 | |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 3 | |
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。 | 3 | |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 3 | |
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。 | 3 | |
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。 | 3 | |
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。 | 3 | |
橋の構成、分類について、説明できる。 | 3 | |
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 3 | 後5 |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 3 | 後2,後5 |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 3 | 後5 |
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。 | 3 | |
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。 | 3 | |
水理 | 津波と高潮の特徴を説明できる。 | 1 | |
計画 | 国土と地域の定義を説明できる。 | 3 | 後14 |
都市の防災構造化を説明できる。 | 3 | 後14,後15 |
建築系分野 | 計画・歴史 | 都市・地区・地域・建築物の規模に応じた防災に関する計画、手法などを説明できる。 | 3 | 後14,後15 |
分野横断的能力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | |