建築施工法I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 建築施工法I
科目番号 0207 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 プリント配布,「建築施工」鯉田和夫 著,技報堂出版
担当教員 浦野 登志雄

到達目標

1. 請負工事の実施方法、競争入札・随意契約など発注・入札制度について説明できる。
2. 施工計画に関して、バーチャート工程表、ネットワーク工程表が理解でき、管理計算をすることができる。
3. 建築基準法による法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について説明できる。
4. 建物を地盤に対して安全な構造とするための各種地盤調査法について説明できる。
5. 仮設工事に関して、仮囲い・仮設建物・構台・足場などの法的規制について説明できる。
6. 土工事・山留め工事・地業工事に関して、各種工法の特徴を比較説明できる。
7. 鉄筋工事・コンクリート工事・鉄骨工事に関して、建築学会建築工事標準仕様書(JASS)の基本的項目に
ついて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.請負工事の実施方法、監理者の業務など、請負契約約款の内容について説明できる。請負工事の実施方法、請負契約約款の内容について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。請負工事の実施方法、請負契約約款の内容について、テキストに記載された要点を説明することができる。請負工事の実施方法、請負契約約款の内容について、要点を説明することができない。
2.施工計画に関して、各種工程表を理解し、ネットワーク工程表の計算ができる。バーチャート工程表、ネットワーク工程表について、その特長が説明でき、さらにネットワークの管理日数の計算をすることができる。バーチャート工程表、ネットワーク工程表について、その特長を説明することができる。バーチャート工程表、ネットワーク工程表について、その特長を説明することができない。
3.法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について説明できる。法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について、テキストに記載された要点を説明することができる。法的規制(諸届出)、労働安全衛生法による法的規制(危険防止)について、要点を説明することができない。
4.各種躯体工事に関する工法および施工上の留意事項について説明できる。各種躯体工事に関する工法および施工上の留意事項について、テキスト以外に講義で取り上げた内容についても説明することができる。各種躯体工事に関する工法および施工上の留意事項について、テキストに記載された要点を説明することができる。各種躯体工事に関する工法および施工上の留意事項について、要点を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建築施工法は他の科目と関連が深い。例えば、躯体工事では「建築構造」と「構造力学」の知識が必要であり、仕上げ工事では「建築材料」についての知識が必要である。また、土工事・地業工事については「土質力学」に関する知識が要求される。本科目では、建設業法、施工計画、地盤調査、仮設工事、土工事、地業工事、躯体工事(主として鉄筋工事・鉄筋コンクリート工事)について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書による講義だけでなく、建築施工に関する最新の事例などを紹介しながら、工事の安全性・経済性についても述べる。教科書の他、理解を深めるためにビデオ教材を活用する。また、資格試験への対応力を養うために、過去に出題された建築士および建築施工管理技士試験の問題演習を行う。
注意点:
・建築士試験などの資格試験と本科目内容は共通している。従って、直接受験に役立つ科目として意識して自学自習を行うこと。
・計算問題がほとんどないため、単なる専門用語の暗記科目と捉えている学生が多い、定期試験の直前の学習では全ての理解は困難である。講義終了毎に復習を十分行なうこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目ガイダンス,請負契約 請負契約について説明できる。また、請負契約約款の重要項目について説明できる。
2週 施工計画①(監理と管理,材料管理) 現場組織、設計図書、各種書類と提出先機関について説明できる。
3週 施工計画②(工程表,ネットワークの計算) バーチャート工程表とネットワーク工程表の特徴について比較説明できる。また、ネットワークの計算ができる。
4週 安全管理,地盤調査 安全管理の5大管理項目について説明できる。各種地盤調査の概要と目的について説明できる。
5週 仮設工事 足場の基準など、仮設工事における安全基準について説明できる。
6週 土工事,山留め工事 土工事、山留め工事の各種工法およびそれぞれの特徴について説明できる。
7週 地業・基礎工事 地業工事、基礎工事の各種工法およびそれぞれの特徴について説明できる。
8週 〔中間試験〕 60点を合格の基準とする。
4thQ
9週 答案の返却と解説,鉄筋工事①(鉄筋加工,配筋) 鉄筋の加工、組立ての基準・使用について説明できる。
10週 鉄筋工事②(定着,接合形式,施工全般) 継手の種類、定着のメカニズム、かぶり厚さの基準および目的について説明できる。
11週 型枠工事,鉄筋コンクリート工事①(材料特性・配合) 型枠の材料、組み立て手順、せき板の存置期間、支保工の存置期間について説明できる。
12週 鉄筋コンクリート工事②(運搬・打設・養生) 使用材料の管理値、生コンの発注形態、コンクリートの運搬・締固め、養生方法について説明できる。
13週 鉄骨工事①(高力ボルト・溶接接合) 高力ボルト摩擦接合のメカニズム、溶接接合の種類および特徴について説明できる。
14週 鉄骨工事②(施工全般) 現場組み立て(建方)方法、工法について説明できる。
15週 〔後期学年末試験〕 中間試験の評点との平均をとり、60点以上を合格とする。
16週 学年末試験の返却と解説・まとめ 返却された答案の誤答部分の訂正を行い、正しい内容を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。4後11,後12
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。4後12
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。3
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。4後12
施工・法規請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。4後1
瑕疵・保証について説明ができる。3後1
現場組織の編成について説明できる。3後2
設計図書と施工図の関係について説明できる。3後2
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。4後2
ネットワーク工程表の計算ができる。4後3
バーチャート工程表について説明できる。4後3
5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる。3後4
鉄筋の加工について説明できる。4後9
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。4後10
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。4後10
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。4後9
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。4後10
型枠の材料、種類をあげることができる。3後11
型枠の組立て手順について説明できる。4後11
せき板の存置期間について説明できる。4後11
支保工の存置期間について説明できる。4後11
使用材料の試験・管理値について説明できる。3後12
生コンの発注について説明できる。4後12
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。4後12
養生の必要性について説明できる。4後12
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。4後14
確認と許可について説明できる。3後2
工事の流れ(仮設・準備・基礎・地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体)について説明できる。4後3

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00