概要:
建設構造物に使用されるコンクリートと鉄筋の材料特性、複合材料である鉄筋コンクリート(RC)部材やプレストレストコンクリート(PC)部材の力学的特性および断面設計法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講義は、コンクリート構造物を構成する部材の応力計算および断面算定について学び、理解を深める目的で項目ごとに問題演習を行う。また、本科開講科目「建設材料」および「建築一般構造」に関連して、鉄筋コンクリート構造の構法および施工の要点についても補足する。前期は松家教員が担当し、後期は浦野教員が担当する。
注意点:
本科目は2単位科目であるため、規定授業時数は60時間である。
鉄筋コンクリートを学ぶにあたっては、単に公式を暗記するのではなく、公式が理論的あるいは実験的に導かれている過程について理解することが重要である。
講義内容に関する質問は、オフィスアワーを利用して教員室に来室して下さい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
受講上の注意、科目概要説明 |
本科目と建設業との関わりについて理解し、説明することができる。
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2週 |
コンクリート構造の設計法 |
コンクリート構造の各種設計法(許容応力・限界状態)を理解し、説明することができる。
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3週 |
鉄筋とコンクリートの付着特性と一般構造細目 |
鉄筋とコンクリートの付着機構を理解し、説明することができる。
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4週 |
曲げを受けるRC部材の力学的挙動と破壊形式 |
曲げを受けるRC部材の力学的挙動および破壊形式を理解し、説明することができる。
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5週 |
単鉄筋長方形断面の中立軸・応力度算定と基本設計(1) |
単鉄筋長方形断面の基本設計を理解し、説明することができる。
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6週 |
単鉄筋長方形断面の中立軸・応力度算定と基本設計(2) |
同上
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7週 |
腹鉄筋長方形断面の中立軸・応力度算定と基本設計 |
腹鉄筋長方形断面の基本設計を理解し、説明することができる。
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8週 |
【中間試験】 |
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2ndQ |
9週 |
中間試験の答案返却・解説 |
講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
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10週 |
前期講義の復習と等価応力ブロック法による終局曲げ耐力 |
等価応力ブロック法について理解し、説明することができる。
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11週 |
RC部材のせん断挙動 |
RC部材のせん断挙動を理解し、説明することができる。
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12週 |
曲げひび割れ幅の算定と鋼材の腐食に対する照査 |
曲げひび割れ幅の算定方法と鋼材の腐食に対する照査について理解し、説明することができる。
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13週 |
RC部材のたわみ |
RC部材のたわみの算定方法を理解し、説明することができる。
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14週 |
プレストレストコンクリートの使用性・安全性に関する照査 |
プレストレストコンクリート部材の使用性・安全性を理解し、説明することができる。
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15週 |
【定期試験】 |
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16週 |
定期試験の答案返却・解説 |
講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
構造物に作用する荷重・外力 |
固定荷重、積載荷重、地震力、土圧など、構造物に作用する荷重・外力について説明できる。
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2週 |
構造計算の概要
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一次設計と二次設計の概要、許容応力度、保有水平耐力、限界耐力計算の概要について説明できる。
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3週 |
構造計画 |
鉄筋コンクリート建築物の構造計画の要点について説明できる。
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4週 |
鉄筋コンクリートの施工 視聴覚教材を使用する |
鉄筋コンクリートの成り立ち、材料特性、構造計画について、視聴覚教材から学んだ内容について説明できる。
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5週 |
鉄筋コンクリート問題演習(1) 鉄筋コンクリートの構成材料 |
前期に履修した内容に基づいて、鉄筋およびコンクリートなどの構成材料について問題演習を行い、8割以上の正答率を到達目標とする。
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6週 |
鉄筋コンクリート問題演習(2) 荷重・外力 |
固定荷重、積載荷重、地震力、土圧など荷重・外力について問題演習を行い、8割以上の正答率を到達目標とする。
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7週 |
鉄筋コンクリート問題演習(3) 構造計算の概要、構造計画 |
構造計算の概要、構造計画について問題演習を行い、8割以上の正答率を到達目標とする。
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8週 |
【中間試験】 |
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4thQ |
9週 |
中間試験の答案返却・解説
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講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
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10週 |
鉄筋コンクリート梁の断面設計 |
主筋・あばら筋の役割、釣り合い鉄筋比の意味など、鉄筋コンクリート梁の断面設計理論について説明できる。
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11週 |
鉄筋コンクリート柱の断面設計 |
主筋・帯筋の役割、曲げ破壊とせん断破壊の特徴、柱の断面設計理論について説明できる。
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12週 |
鉄筋コンクリートスラブ・耐震壁の断面設計 |
スラブおよび耐震壁の断面設計理論について説明できる。
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13週 |
鉄筋コンクリート問題演習(4) 柱・梁の断面設計 |
建築士、施工管理技士、コンクリート主任技士などの資格試験問題の演習を行い、8割以上の正答率を到達目標とする。
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14週 |
鉄筋コンクリート問題演習(5) スラブ・耐震壁・その他 |
建築士、施工管理技士、コンクリート主任技士などの資格試験問題の演習を行い、8割以上の正答率を到達目標とする。
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15週 |
【定期試験】 |
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16週 |
定期試験の答案返却・解説 |
講義内容で理解できていない部分を抽出し、理解を深める。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | 材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。 | 4 | 前1,後5 |
鋼材の種類、形状を説明できる。 | 4 | 前3 |
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。 | 4 | 前3 |
コンクリートの長所、短所について、説明できる。 | 4 | 前1 |
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。 | 4 | 前1 |
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。 | 4 | 前3 |
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。 | 4 | 前12 |
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。 | 4 | 前14 |
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。 | 4 | 前14 |
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。 | 4 | 前2 |
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。 | 4 | 前2 |
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。 | 4 | 前4,前10 |
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。 | 4 | 前5,前6,前7,前13 |
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。 | 4 | 前11 |
構造 | 橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 4 | 前4,後1 |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 4 | 前2,後2 |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 4 | 後11 |
建築系分野 | 構造 | 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。 | 4 | 前4,後1,後3,後4 |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 4 | 前5,前6,後10,後13 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 4 | 前5,前6,後10,後13 |
主筋の算定ができる。 | 4 | 前5,前6,後10,後13 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 4 | 前5,前6,後10,後13 |
中立軸の算定ができる。 | 4 | 前5,前6,後10,後13 |
許容せん断力を計算できる。 | 4 | 前5,前6,後10,後13 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 4 | 前11,後10,後13 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 3 | 前10,後10,後13 |
終局剪断力について説明できる。 | 3 | 前11,後10,後13 |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 4 | 後11,後13 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 4 | 後11,後13 |
MNインターラクションカーブについて説明できる。 | 4 | 後11,後13 |
主筋の算定ができる。 | 4 | 後11,後13 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 4 | 後11,後13 |
中立軸の算定ができる。 | 4 | 後11,後13 |
許容せん断力を計算できる。 | 4 | 後11,後13 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 4 | 後11,後13 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 3 | 後11,後13 |
終局剪断力について説明できる。 | 3 | 後11,後13 |
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。 | 4 | |
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。 | 3 | |